自社のシステム開発を担う社内SEは、エンジニア職の中でも転職が難しいと言われる職種です。


本記事では社内SEへの転職が難しいとされる理由を紹介するとともに、転職を成功させるための基礎知識や押さえるべきポイントについて解説しています。
社内SEを目指すうえで有効な情報となるので、ぜひ最後まで読んでみてください。
- 社内SEの転職難易度と難しいと言われる理由について解説
- 社内SEへの転職を成功させる3つのポイントとは
- 転職に必要となるスキルと利用したい転職エージェントを紹介
目次
社内SEへの転職難易度は?
社内SEへの転職難易度は高いと言われています。エンジニア職の中では人気の高い職種で、求人の競争倍率も高いからです。
それに加えて社内SE特有の原因が複数存在し、転職の難しさをさらに押し上げています。
転職を実行する年齢によっても成功率が変化するため、正しい転職知識と計画的な行動がキーポイントとなるでしょう。
次からは転職難易度を押し上げている社内SE特有の原因について見ていきます。
社内SEへの転職が難しい理由3選
社内SEへの転職が難しいとされる主な理由は以下の3つになります。
- 募集枠が少ない
- 採用基準が厳しい
- 業務内容に相違があるため
上の2つは転職市場を背景としたもの、最後は社内SEの仕事内容によるものです。次から詳しく解説していきます。
社内SEの転職が難しい理由①募集枠が少ない
そもそも転職市場における社内SEの求人数は多いものではなく、募集枠も1~2人程度になります。
募集のきっかけは欠員補充や事業拡大のタイミングが多く、ほかのエンジニア職のように常時募集しているものではありません。
募集枠は少ないのに応募が殺到するため、ほとんどの求人で競争率が高くなる傾向です。社内SEの転職が難しい理由として、まずは募集枠の少なさが挙げられます。
社内SEの転職が難しい理由②採用基準が厳しい
社内SEは募集枠が少ないうえに採用基準も厳しいです。即戦力を求める傾向が強く、実務経験がなければ採用される可能性は低くなります。
転職でも20代ならポテンシャル採用に期待できますが、社内SEでは難しいと言えるでしょう。
仮に実務経験があっても長らく管理職として活躍していた場合、ブランクを考慮して採用を見送られる可能性もあります。
実務経験や転職年齢がダイレクトに反映される点も、転職が難しいと言われる理由です。
社内SEの転職が難しい理由③業務内容に相違があるため
社内SEが対応すべき業務は複数ありますが、どれを主業務とするかは企業によって違います。
企業ごとに求めるスキルや経験も違うため、同じ社内SEの求人でも転職成功率に差が出てくるのが普通です。
正確な自己分析と応募先の企業研究を怠ってしまうと、転職が失敗する可能性は高くなってしまいます。
求人内容によって必要となるスキルが変わる点も、社内SEへの転職を難しくしている要因でしょう。
社内SEへの転職は難しいのに人気な訳
社内SEへの転職事情が厳しいことは周知の事実です。そのような状況でも目指す人が少なくならないのはなぜでしょうか。
一般的なエンジニアと違って、社内SEは勤務場所が変わりません。対象となるユーザーは常に社員のため、精神的にも楽で仕事に対する反応もわかりやすい環境にあります。
高評価を得ることで達成感や満足度も高くなり、仕事を続けるモチベーションにもなるでしょう。開発スケジュールの調整がしやすく、残業が比較的少ない点も人気です。
IT戦略の策定や業務フローの改善など、ひとつの職種でさまざまな経験が積めることも選ばれる理由となります。
社内SEへの転職を成功させるポイント3つ
ここまで解説してきたとおり社内SEへの転職は難しいと言われていますが、いくつかのポイントを押さえておけば成功率は格段に上昇します。
そのポイントとは以下に紹介する3つの内容です。しっかりと理解して準備しておきましょう。
- 応募は早めに済ませる
- 実務経験をアピールする
- 最新の知識やスキルを勉強する
①応募は早めに済ませる
社内SEに関する求人は人気のため、すぐに募集が終わってしまう可能性が高いです。
そのため応募は早く済ませる必要があります。採用人数も少ないケースが多いため、応募が殺到した時点で打ち切られる可能性もあるでしょう。
自分が想定する業務に応じた応募書類のテンプレートを用意しておき、すぐに応募できる準備をしておくことが大切です。
同様に面接対策も済ませておけば、慌てることなく対応できます。転職エージェントを利用している場合は、求人が出た時点での連絡をお願いしておくと安心です。
②実務経験をアピールする
即戦力を求める転職には実務経験のアピールがもっとも有効です。社内SEの経験がなくとも、転職に有利となる経験がいくつかあります。
社内SEはシステム開発の企画・構築から携わるため、まずは上流工程の経験が役に立つでしょう。コミュニケーション能力が重要なことから、リーダー経験も良いです。
戦略に関わる点を考慮すれば、ITコンサルタントの経験も転職に有利になります。こういった開発・リーダー・戦略提言に関わる経験があるのなら必ずアピールするべきです。
自己分析をしっかり行ってアピールポイントの見落としがないようにしましょう。
③最新の知識やスキルを勉強する
IT関係の技術進歩は早く、エンジニアとして長く活躍するためには常にアンテナを張っておく必要があります。
社内SEも同様で、システム開発に関する知識やトレンドとなる技術について敏感になっておくべきです。
交流会やセミナーなどを通じて日頃から学習に励みつつ、その成果を面接の場で伝えることにより採用側の印象をプラスに持っていけます。
わざわざ特定の資格を取得する必要はないですが、最新技術のキャッチアップは怠らないようにしましょう。
社内SEが行う仕事内容について
転職を成功させるには応募先となる企業の業務内容を把握して、それに適合するスキルを持っておくことが重要です。
では社内SEが行う仕事がどのようなものかと言うと、大枠として以下の2つに分けられます。
- 社内のIT関連全般への対応
- 社内システムの開発・保守
業務の細かい内容は企業の規模や業種により変わりますが、上記のどちらか片方もしくは両方を担当する形になります。
①社内のIT関連全般への対応
社内SEが担当する仕事のひとつめが、社内におけるIT関連全般への対応です。
IT機器のトラブルやスマホ操作の指導まで、問題の大小に関わらず広く対応します。対象は全社員かつすべての部署を相手にするため、高いコミュニケーション能力が必要です。
大企業になると社内SEの仕事を細分化して、ヘルプデスクのみを役割とするケースも存在します。
IT関係の資産管理やコストの削減など、経理のような仕事を担当する場合も多いです。
②社内システムの開発・保守
ふたつめが社内に必要なシステムの開発・保守を担う仕事です。システムのネットワークやサーバーなどの管理も含まれます。
社内で使用するアカウントの発行や管理、社内携帯やPCの支給なども業務の範囲内です。
経営会議で業務改善を目的とした分析・提案を行ったうえで、新たなシステムの開発・導入を担うコンサルタント的な役目もあります。
要件定義や設計のみを行い、開発・実装部分を委託してプロジェクトの進行を管理するパターンもあるでしょう。
社内SEへの転職に必要となるスキル
社内SEへの転職に必要となるスキルは、応募先企業の業務内容に合わしたものになります。
したがってひとつの能力に特化するよりも、幅広い実務経験を有しているほうが有利でしょう。必要な資格はありませんが、持っておいたほうがいいスキルはあります。
プロジェクトの管理経験やリーダー能力、多くの人と関われるコミュニケーション能力は必要です。
応募する企業が行っている事業への興味や、経営者視点で物事を考えられる思考があれば、転職成功率はさらに上昇します。
社内SEに転職するメリット
社内SEへの転職は難しいのに目指す人が多いのは、下にまとめたような魅力的なメリットがあるからです。
- 残業が少なくスケジュール管理がしやすい
- 仕事の評価が得られやすい
- SE全般の仕事ができる
ほかのエンジニア職と比べてスケジュールの調整が利きやすく残業が少ないこと、プライベートが充実しやすく精神的なプレッシャーも受けにくいことが挙げられます。
ユーザーとの距離が近いため評価の感じられやすい環境にあること、改善すべきポイントがわかりやすい点もメリットです。
比較的安定した状態でSEとしての経験を積めることも、社内SEの特徴でありメリットとも言える要素でしょう。
社内SEに転職するデメリット
社内SEには、ほかのエンジニア職と同じようにマイナスと言える部分が以下のとおり存在します。
- 仕事量が多くなる日も
- 時間に関係なくひとりでトラブルに対処するケースも
- キャリアアップが難しい業務内容もある
気を付けておきたいのは、1日の仕事量が膨大になるケースです。対応するべき仕事の幅が広いため、状況次第では手が追い付かない日もあることを想定しておくべきでしょう。
会社の基幹システムにトラブルがあった場合、昼夜を問わず最速で対応する必要があります。ひとりだけで対処するとしたら負担はかなりのものです。
分業化されてヘルプデスクのみを業務としているパターンでは、スキルの積み重ねができない可能性もあります。キャリアにつながらない業務内容があることも知っておくべきです。
社内SEへの転職に強いIT転職エージェント
転職が難しいと言われる社内SEを目指す場合、エージェントの利用を検討してみることも成功のポイントと言えます。
どのサービスを選ぶかは自分次第ですが、以下のような社内SEへの転職に強いエージェントを選択することがおすすめです。
- リクルートエージェントIT|業界最大手
- 社内SEナビ|社内SEの転職に特化
リクルートエージェントIT|業界最大手
運営 | 株式会社リクルート |
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対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 87,094件(2023年1月) |
非公開求人数 | 87,306件(2023年1月) |
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トップレベルの豊富な求人数と転職支援の経験値が高いキャリアアドバイザーが在籍する、業界最大手のエージェントサービスとなります。
社内SEの求人数は2023年1月現在で24,435件(非公開含む)と選択肢は豊富です。幅広い業務の求人が揃っているため、希望の案件に出会える可能性が高くなります。
書類添削や面接対策といった基本的サポートの質が高く、初めて転職を経験する方におすすめの支援サービスです。
社内SE転職ナビ|社内SEの転職に特化
運営 | アイムファクトリー株式会社 |
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対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 630件(2023年1月) |
非公開求人数 | 不明 |
社内SE転職ナビはその名のとおり、社内SEへの転職を専門に扱うサービスとなります。
公開求人数だけに注目するとほかのサービスに見劣りしますが、非公開も加味した社内SEの求人数評価はトップクラスとの声が多いです。
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求人紹介を行わないカジュアル面談は、悩み相談形式で行うこともできます。難しいと言われる社内SEへの転職が可能かどうか、客観的にアドバイスしてくれるでしょう。
【まとめ】社内SEへの転職が難しい理由と成功のポイント
社内SEの転職が難しいのは、募集枠の少なさや厳しい基準、企業ごとで業務内容が違うことなどに起因します。
転職難易度が高いのに社内SEを目指す人が少なくならないのは、ほかのエンジニア職にない魅力的なメリットによるものでしょう。
ですが難易度が高いからといって最初から諦める必要はなく、押さえるべきところを押さえれば転職成功率を上げることも可能です。
まずは自己分析をしっかり行い、自分のスキルが社内SEに足るものかどうか正確に判断することから始めましょう。