「SEの転職で大手に入社するためには、どうしたらいいのだろう…」そんな風に悩んでいませんか?


本記事ではSEの転職で大手を狙う方法について解説。おすすめの企業を紹介するとともに、大手SEのメリット・デメリットについても触れています。
大手を狙うときに注意したいポイントも紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
- SEの転職で大手を狙う選択肢はSIerと社内SEの2つ
- システムエンジニアの転職におすすめの大手企業とは
- SEの転職先として大手を選ぶメリットとデメリットを紹介
- SEの転職先として大手を狙う際に注意したいポイントを解説
SEの転職で大手を狙う選択肢は2種類
SEの転職で大手を狙うなら選択肢は2つに絞られます。SIer企業のSEか、SIer以外の企業に勤める社内SEかのどちらかです。
大手企業の正確な定義はありませんが、中小企業基本法の中では従業員が301名以上で資本金が3億円以上の企業を指しています。
大手が請け負う案件は数千万円から数億円の大規模プロジェクトであることが多く、それ以下の案件は中小で受注するケースが一般的です。
選択肢①SIer企業のSE
SIerとはシステムインテグレーターのことで、クライアントのシステム開発・運用・保守を請け負います。
SIer企業のSEは開発の上流工程、すなわち要件定義や設計が仕事です。顧客の問題解決のため、打ち合わせを介して企画・提案を行いそのまま開発に進みます。
SIerはメーカー系、ユーザー系、独立系、外資系と分かれるのが特徴です。対象とする顧客がそれぞれで違うことで、業務内容にも差があります。
自分のやりたい開発や磨きたいスキルに合わせて、転職先となるSIerを選ぶことが大切です。
選択肢②SIerを除く企業の社内SE
SIerはクライアントのシステム開発を受注しますが、社内SEは自社のシステム開発に携わります。
SEですのでシステムの構築・運用・保守が主な仕事です。社内のITシステムに関する操作方法の指導や、急なトラブル対処も業務の範囲となります。
パソコンの操作や設定などのヘルプにも対応するため、一般社員とのコミュニケーションも多いです。
IT業界でなくとも自社のシステム部門を立ち上げる企業が多くなっているので、特定の業界知識が転職に有利となる場合があります。
SEの転職で大手を狙うために必要なこと
SEの転職で大手を狙うために必要なことは、転職先の業務内容をしっかりと理解することです。
業務内容を理解していなければ求められるスキルを提示できないし、仮に転職に成功してもミスマッチで悩むことになります。
また大手SEに対して考えや性格の面で適正があるのかどうかも、転職成功に関わる重要なポイントです。
転職先の業務内容を理解
転職で成功するいちばんの近道は即戦力として認められることです。ですが転職先の業務内容を理解しておかなければ、自分が即戦力なのかも判断できません。
またSEの転職において、大手と中小では即戦力の意味合いにも違いがあります。
大手SIerのSE
大手SIerのSEは開発よりもマネジメントの部分が主要となります。クライアントとの打ち合わせがメインとなり、開発の工程は下請けに発注されるケースが多いです。
したがって求められる即戦力の定義は、コミュニケーションやマネジメント寄りの能力になります。
上流工程の経験やプロジェクト管理の実績が多いほど、業務内容に合った即戦力として認識されるでしょう。
大手企業の社内SE
大手の社内SEだからといってSIerのように業務内容が変わることはありませんが、社内SE自体が複数人いるケースも存在します。
業務の幅が広いため、ルールにしたがって仕事を分業化しているパターンです。システム担当、インフラ担当、ヘルプデスク担当などに分けられます。
開発スキル以外にインフラ知識があると、分業化のケースで即戦力と判断される可能性があるでしょう。
大手SEへの適正があるか確認
大手SEへの適正はスキルの高さによって決まるところが大きいですが、仕事に対する考え方も判断のポイントです。
大手になるとマネジメント寄りの業務になるので、技術者志向の場合は仕事が合わない可能性もあります。
働き方の理想や描いているキャリアプランが大手SEへの適正を阻んでいることもあるので、自分に対する冷静な分析と確認が大事です。
大手SIerのSEに向いている人の特徴
大手SIerのSEに向いているのは
- SEとして確実なキャリアを積み上げたい人
- 大規模プロジェクトに携わりたいと考えている人
- 管理能力に自信のある人、またはその実績がある人
などです。そのほかの要素として論理的思考が得意、特定の業種にこだわらない、といったものがあります。
プログラミングによる開発をやりたい人、ひとつの開発技術を極めたい人、などは大手SIerのSEは向いていません。
大手社内SEに向いている人の特徴
大手の社内SEに向いているのは
- 下請け業務や客先常駐を避けたい人
- コミュニケーションが得意な人
- 開発以外に特定分野のスキルを持つ人
などになります。開発工程全般に関わりたい人や、柔軟な対応力を持っている人も社内SEに適性があると言えるでしょう。
同じシステムに携わり続けるため、スキルの幅を広げたい人には社内SEをおすすめしません。
システムエンジニアの転職におすすめの大手企業一覧
SEの転職で大手を狙う選択肢は2種類と解説しましたが、応募先の候補としてどんな大手企業があるのかわからない方もいるでしょう。
システムエンジニアの転職におすすめの大手企業一覧として、いくつかピックアップしてみました。
SIerは年収や残業時間、口コミサイトを参考に。社内SEは売り上げを基準に選んでいます。よければ参考にしてみてください。
おすすめの大手SIer | 社内SEにおすすめの大手企業 |
---|---|
富士通株式会社 | ソニーグループ株式会社 |
日本電気株式会社(NEC) | 株式会社キーエンス |
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ | 株式会社ディスコ |
株式会社 日立製作所 | 楽天グループ株式会社 |
SEの転職先として大手を選ぶメリット
ここからはSEの転職先として大手を選ぶメリットについて解説していきます。大手SEとして得られるメリットの中でも特に大きいものが次の4つです。
- 高い年収に期待できる
- 充実した福利厚生を受けられる
- 疲弊するような残業は少ない
- 大規模なプロジェクトを経験できる
大手SEのメリット①高い年収に期待できる
大手が受注する案件は直請けであることが多く、その時点で下請けとなる中小企業のSEよりも高い年収に期待できます。
大手のSEは中小のSEと比べて年収に100~300万円の差があると言われており、この部分はエンジニア自体の能力によって変わるものではありません。
また企業が位置する業界や、システム開発を行う分野によっても年収は変化します。
金融・保険系や外資系SIerが高く、家電やゲーム機器メーカーになると若干下がってしまう傾向です。
大手SEのメリット②充実した福利厚生を受けられる
大手になると福利厚生も充実しているところが多いです。やる気や働きやすさにも関係してくるため、福利厚生の充実度は大きなメリットと言えます。
女性に関係するライフイベントに対しては大手になるほど手厚い傾向があり、長く働き続けたいと考える人には最適の選択です。
大手SEのメリット③疲弊するような残業は少ない
SEは残業が多い仕事ですが、大手になると疲弊するような残業は少なくなります。
残業をすると支払う給与も増えるため、ルールに対して厳格な企業ほど時間外の作業はさせません。
また大手の労働組合は力も強いため、過度な残業に対してはすぐさま声を上げます。
社会情勢の変化や制度改革も後押しとなり、大手では残業時間削減の取り組みがなされている状況です。
大手SEのメリット④大規模なプロジェクトを経験できる
大手では官公庁を顧客とするような大規模プロジェクトを扱うこともあります。受注金額の大きい案件を担当するため、十分な実績となるプロジェクト経験が可能です。
中小企業では携われる可能性の少ない大規模プロジェクトの経験は、転職においても有利な武器となります。キャリアアップを考えている人には大きなメリットです。
SEの転職先として大手を選ぶデメリット
メリットの次はデメリットの解説です。大手SEと言えども、次のような4つのデメリットが存在します。
- プログラミング業務は少ない
- プロジェクトの完了に時間がかかる
- 評価してもらうために努力が必要
- スキルアップは難しい
大手SEのデメリット①プログラミング業務は少ない
中小のSEはプログラミングを担当することもありますが、大手では下流工程をすべて下請けに発注するケースが多いです。
したがってプログラミング業務をしたいSEには、大手の通例が大きなデメリットとなります。
プロジェクトの進捗管理が主な仕事となる大手SEにとって、プログラミングが少ない業務は当たり前とも言えることです。
大手SEのデメリット②プロジェクトの完了に時間がかかる
上流工程を担当するSEにとって大切なことは、ルールにしたがって確実にプロジェクトを進めていくことです。
大規模プロジェクトになると確認すべきポイントも多くなり、人と時間を大量に投入しなければなりません。仕様変更やトラブル対応も細かい認可を受ける必要があります。
ひとつのプロジェクトが完了するまでに膨大な時間がかかり、状況に合わせた柔軟な動きができないことは大手ならではのデメリットです。
大手SEのデメリット③評価してもらうために努力が必要
大手には優秀な人材が集まる傾向にあり、その中で自分をアピールするには大きな成果を出さないといけません。
当たり前のことを当たり前にやっているだけでは、評価してもらうチャンスも少なくなってしまいます。
良い成果を出したとしても埋もれてしまう確率が高いのは、大手SEで働くデメリットと言えるでしょう。
大手SEのデメリット④スキルアップは難しい
大手企業では業務の効率を上げるため、仕事を細分化し複数人で仕事を担当することがあります。
このようにして自分の担当する業務が定例化してしまい、スキルアップが難しくなってしまうケースも少なくありません。
一定範囲のスペシャリストにはなれますが、スキルの幅は広がらない恐れがあります。
SEの転職先として大手を狙う際に注意したいポイント
記事の締めくくりとして、SEの転職先として大手を狙う際に注意したいポイントについて解説しておきましょう。ポイントの内容は以下のとおりです。
- 即戦力となれるスキルはあるのか?
- 応募先の企業について深く知っているか?
- 求人票以外の情報を判断基準に加えているか?
ポイント①即戦力となれるスキルはあるのか?
20代でポテンシャル採用に期待できるなら別ですが、基本的に転職が成功するかどうかは「即戦力となれるスキルはあるのか?」に集約されます。
端的な表現になりますが、開発経験が5年以上なければ大手は難しいという判断も可能です。
即戦力と判断してもらえるようなスキルを自分は持っているのか?しっかりと自己分析して転職に臨む必要があります。
ポイント②応募先の企業について深く知っているか?
応募先の企業研究を半端にしていると転職は成功しません。特にSIerにおいては応募先の種類を念頭に入れて、活動を進めることが重要です。
業務内容を適切に理解して、企業が求めている能力をはっきりと想像する必要があります。
応募先の企業について深く知っているか?という問いに対して明確な返答ができなければ、最初から企業研究をやり直すべきでしょう。
ポイント③求人票以外の情報を判断基準に加えているか?
求人票だけの情報で転職先を決めてしまうと後悔する可能性が高くなります。
従業員数や資本金で大手と言える規模の企業であることは判断できますが、ブラック企業でないことが確定したわけではありません。
転職の応募先として正しい判断をするためには、求人票以外の情報も集める必要があります。
転職エージェントや口コミサイトを積極的に利用して、さまざまな角度から応募先企業の良し悪しを判断することが大切です。
SEの転職で大手を狙う方法は2つ!まとめ
SEの転職で大手を狙うならSIer企業か別業種の社内SE、どちらかの2択になります。
同じSEとして転職ですがそれぞれの業務内容には大きな違いがあり、仕事をこなすための適正もまったく別のものです。
まずは自己分析をして、大手を狙うのに必要な条件を満たしているか考えてみましょう。
そのうえで企業研究をしっかりと行い、求められている能力を明確に想像することが成功への近道です。転職エージェントもうまく利用して、大手への転職を実現させましょう。