人工知能(AI)の第一人者・ジョン・マッカーシーとは
人工知能とはなにか?

「人工知能(AI)」という言葉が初めて世に出たのは、ジョン・マッカーシー(John McCarthy)が1955年に提出した提案書で使用し、1956年のダートマス会議で広く提唱してからです。「人工知能」の研究とは、人間のクローンを作るわけではなく,人間が知能を使ってすることを、機械にさせようとする研究です。
現在では、日常語としての「人工知能」という呼び名は、初期の頃とは違った意味で使われています。家庭用電気機械器具の制御システムや、ゲームソフトの思考ルーチンなどがこう呼ばれることもあります。
ジョン・マッカーシー博士の人工知能分野における功績とは?

マッカーシー博士は学生の頃から、人工知能(A.I.)の研究 に関心を持ち始め、現在では、計算機科学の研究の一つである人工知能の分野の先駆者として知られています。
マッカーシー博士は現在の大型コンピュータの原点となる、時分割処理(Time Sharing System, Tss)の基礎概念を提唱し、制作にかかわっています。
元同僚のレスター・アーネストはロサンゼルス・タイムズ紙 で「ジョンがタイムシェアリングシステムを開発しなければ、インターネットの発展はもっと遅れていただろう。タイムシェアリングは様々な呼称で呼ばれてきた。サーバと呼ばれるようになり、今ではクラウドコンピューティングと呼ばれているが、それらはジョンが始めたタイムシェアリングそのものだ」と述べています。
マッカーシー博士の業績では、記号処理用プログラミング言語Lispの創造が最も有名です。なお、1971年にはコンピュータ科学分野のノーベル賞と称されるチューリング賞を受賞しています。
ジョン・マッカーシー博士の学生時代とは?

ジョン・マッカーシー博士は1927年9月4日、マサチューセッツ州ボストンにてアイルランドからの移民の父とリトアニア系ユダヤ人移民の母との間に生まれました。とても優秀な生徒だったため、2年早く高校を卒業します。大学の数学教科書を手に入れ、独学。その後、カリフォルニア工科に進学。数学は2年も先に進んでおり、飛び級します。しかし、体育の授業に出席せず、退学になります。陸軍で兵役して、再入学を認められ、1948年に数学の学士号修得します。
学士号修得後も大学で研究を続けますが、後にプリンストン大学に移籍。ポアンカレ・レフシェッツ双対定理、レフシェッツの不動点定理、レフシェッツの跡公式、レフシェッツペンシル等で有名な ソロモン・レフシェッツ博士に師事し、1951年に数学の博士号を取得し、その人工知能の第一人者となります。
ジョン・マッカーシー博士が開発したプログラミング言語Lispの特徴は?
FORTRANが生まれた1956年のわずか数年後、1958年にジョン・マッカーシー博士によって考案・設計が始まり、1960年に正式発表されたのが記号処理用プログラミング言語LISPです。Fortranが数値処理用のプログラム言語なのに対し、LISPは記号処理を効率的に実行するために作られ、現在人工知能の研究にもっぱら用いられています。
Lispの特徴は以下のように、ユニークなものでした。
- 特別な関数を覚える必要はなく、基礎部分が非常にシンプルです。
- Lispは「リスト」というデータ型を扱う事が得意です。 Lisp のプログラム自身もリストでできているので、 プログラム中でプログラムを生成して実行するという技が簡単に行なえます。
- 関数を組み合わせることにより、プログラミングする言語です。
しかし、そのシンプルさがあだに。Lispは、基礎部分がシンプルで、簡単に実装できる上、言語拡張も簡単なため、Lispの方言がたくさん生まれました。
Lispが大学や研究機関で多く使われるようになったために、「開発したLispプログラムが、よそのLisp処理系では動かない」という問題を引き起こすようになったのです。
ポール・グレアム(Paul Graham)とジョン・マッカーシー博士の意外な共通点とは?

ポール・グレアムは1964年生まれでコーネル大学哲学科修了後、ハーバード大学のコンピュータサイエンスで修士号と博士号を修得しています。
1995年に、ロバート・モリスと最初のASPであるViawebを設立。同社は、Yahoo!Storeの前身になりました。
その頃からエッセイを書き始め、『ハッカーと画家』はベストセラーになりました。かつては新しいLispの方言であるArcのプログラミングに取り組んでいました。その後も、LispがPythonや生成AIの研究分野に与えた影響について継続的に発信しています。
編集後記
マッカーシー博士が1950年代に提唱した「人工知能」という概念は、現代の生成AIブームの礎となっています。
彼の足跡を知ることで、AIエンジニアを目指すうえでの視野がきっと広がるはずです。
編集者
エンジニア就活 編集部
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