今回は羽衣国際大学で准教授を務める永岡俊哉先生に、「キャリアにおける意思決定と自己理解の重要性」についてインタビューをさせていただきました。キャリア教育やメディア産業論などを担当されている永岡先生に、キャリアの転機における考え方や効果的な意思決定のプロセスについてお伺いしていきます。
現在研究されている分野・具体的なご活動内容について
アナウンスメント指導がメインで、コミュニティFMの番組構成や生放送等の実技科目の指導、それにエンターテイメント論やメディア産業論等の講義科目の指導もしております。
そのほか、国家資格のキャリアコンサルタント有資格者として、クライエント(主にゼミ生を中心とした学生)に自己決定させるキャリアカウンセリングを実施しております。本当になりたいものを思い出してもらい、それに自ら向かっていくように押し付けではない誘導をしています。
最近、特に力を入れているのは「何歳になってもあきらめないキャリア形成」への支援で、楽をしていてもなれる職業や単に儲かるだけの職業ではなく、子どもの頃に本当になりたかった職業を思い出してそれに向き合ってもらい、具体的な活動を行ってもらうように自己決定してもらうために誘導するカウンセリングです。
これは私自身ができなかった事への後悔と反省から行っていることでもあり、私が最近、やりたい事にどんどんチャレンジしている事を紹介し、学生に悔いのないキャリア形成をして欲しいと思って実践している活動です。
研究者としてのこれまでのご経歴・キャリアパス
同志社大学経済学部を卒業後にソニー株式会社に入社し、国内営業本部の営業マンとして、世田谷や渋谷の電機店回りから始まり、店舗開発、統一売り出しの企画、ゼネラルオーディオ(ウォークマンやラジカセなどのカジュアルタイプのパーソナルオーディオ)の東日本全域の営業に至るまでを経験しました。
その後、新設局である山口朝日放送にアナウンサーとして転職し、アナウンサー兼記者兼ディレクターとして13年間、その後、営業管理職として6年間(最後は大阪支社長)勤務して退職し、現職の「羽衣国際大学 放送・メディア映像学科」准教授に転職しました。大きな転機と言うかきっかけは、ソニー時代に東京でアナウンス学校に出会い学んだことです。
大阪のラジオパーソナリティー(元毎日放送アナウンサー)近藤光史さんの番組を聞いてアナウンスの世界に惹かれ、憧れました。ソニーに就職してからは休日を使ってアナウンス学校に通い勉強し、自分の故郷ではないものの、局アナ試験に合格した経験が自分にとっては最も大きなキャリア転換点となっています。
大学への転職に関しては、局アナ経験者が採用条件でした。さらには、ローカル局では当たり前のことである「取材・制作・アナウンスまですべて担当していたこと」が逆に放送・メディア映像学科教員への転職に役立ち、営業も経験していたことからメディア産業論も担当できるなど、すべてが良い武器となりました。
新卒の際には、バブル全盛期で寝ていても内定がもらえたがために、学生時代は就職活動のためのスキル磨きをせず、アナウンサー職にはかすりもしませんでした。しかしながら、新卒で4年間勤務したソニーの営業マンの経験やスキルは、転職に大いに役立ちました。一般企業での社会人経験が、報道制作の現場で役に立つこともあるだろうと採用に結び付いたのです。私は、その時々で、経験を最大限生かして転職につなげてきたと思っています。
私は、「やりたいことはすべて諦めずにやりたい」「やりたいことを常に口に出して周りにも認識してもらう」という主義です。これはクルンボルツの「プランド・ハップンスタンス理論」に他ならず、これを35年間やり続けてきて、今日の私があると思っています。
実際、アナウンスを勉強していたことから、ソニー時代にも社内向け新製品の告知番組で案内役をさせてもらえたり、山口朝日放送の大阪支社長時代には、「毎日放送の近藤さんが好きでこの業界に入った」という話をしていたら、近藤さんとお知り合いの方が私をご本人に引き合わせて下さったりしました。
また、そのご縁がきっかけで現職の大学教員への転職につながりました。少し大袈裟ですが、私のキャリア転換で、プランド・ハップンスタンス理論の本が書けるのではないかと思うほどです。
キャリア形成と意思決定に関する知見
私は「やりたい事につながりそうなら、大変そうでも的外れかもしれなくても、全てやってみる事」を実践していて、ソニー時代に休日をつぶして、自費でアナウンス学校に通ったことも、放送局の営業時代に宝塚歌劇の虜になり毎週のように観劇しに行ったことも、大学教員になってから大学院修士号やキャリアコンサルタント資格を取得した事も、全てその考えからきています。
しかも、それは現在も続いていて、4年前に保育士の資格取得、自動車中型免許の限定解除(マイクロバスの運転が可能になる)の取得、現在も幼稚園教諭免許取得を目指して大学の通信教育を受けています。将来、飛行機の免許をとることも含めて、やりたいことは全部やりたいと考えているのです。
転職者・キャリア形成中の方へのアドバイス
保育園や幼稚園の頃に「ウルトラマンになりたい」から始まり、警察官になりたい、新幹線の運転士になりたい、ケーキ屋さんになりたい…と、目をキラキラ輝かせて夢を語っていたのに、大学生になったら、楽な仕事がいいとか、儲かれば何でもいいとか、情けないことを言う大人になっている学生を目の当たりにすると、「たった1回きりの人生、やりたい事をやらずにどうするのか?」と思うのです。自分がやりたい事や、やりたかった事にもっと貪欲になりましょう。
パイロットを例にとると、眼鏡をかけた矯正視力が基準を超えていれば、エアラインパイロットになれる時代です。しかし、現在60歳になった私には、法的に68歳未満でないと飛ぶことが許されないエアラインパイロットになるための時間が足りません。残念な事ではありますが。しかし、アマチュアとして免許を取ることは、フィジカルチェックさえパスできれば可能ですので、私は70歳ぐらいになった時に、アメリカにセスナの免許を取りに行き、単独飛行を自分のものにしたいと、本気で考えています。
このように、探せばできる事はいくらでもあるのだという事をお伝えしたいです。第一希望は無理でも、また、今すぐには手に入らなくとも、本気で願ってそれに向かって行動していれば、必ず手に入ると私は確信しています。
「やりたい」と思った時には、既に半分は手に入れていると、私は思っています。そして、どれだけ本気で「やりたい」と願っているのかが極めて重要であるとも思っています。
その上で、プランド・ハップンスタンス理論を具体化して実践する。これで、誰もが自己実現を可能にするのだと、私は信じて疑わないのです。本気度の高い「やりたい」や「なりたい」ほど、プランド・ハップンスタンス理論を勢いよく回し、より良い結果をもたらします。周りの人に何を言われようが、笑われようが、自分が得たい物事に本気になってみてください。
羽衣国際大学の基本情報
| 名称 | 羽衣国際大学 |
|---|---|
| 所在地 | 〒592-8344 大阪府堺市西区浜寺南町1丁目89−1 |
| 大学HP | https://www.hagoromo.ac.jp/ |
| 今回インタビューにご協力いただいた先生 | 永岡俊哉先生(准教授) |


