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IT企業のM&Aが加速しているワケ

MicrosoftがGithubを買収!!

2018年の6月初旬、IT業界に驚くべきニュースが発表されました。それは「GitHub」といわれるソースコードの共有プラットフォームをMicrosoftが買収するというニュースです。

GitHubというソフトウェアをご存知でない方もいらっしゃると思いますが、昨今の開発シーンにおいては非常に利用されることが多いソフトウェアです。ソースコードの共有プラットフォームということで、企業や個人が様々なシステムのコードをGitHub上に管理しています。

それらのソースコードを公開する場合には無料で使用できますが、非公開の場合は使用料を払うことで使用できます。GitHubの総リポジトリ数は8500万、ユーザー数は2800万という数字からも、いかにたくさんのユーザーに愛されているかがお分かり頂けると思います。

このGitHubをMicrosogtが約8200億円という巨額の金銭で買収することを発表しました。Microsoftは近年、オープンソースソフトウェアの世界でも存在感を高めており、オープンソースソフトウェアの文化を守るというスタンスでの買収であるという見方が強いのですが、Microsoftという一企業にソースコードを握られてしまうことを嫌って、他のサービスへ移行するという流れもあるようです。

いずれにしても、IT業界ではこういったダイナミックなM&Aが頻繁に行われているのです。

IT業界で頻繁に起こるM&A

もう少し実例をみてみましょう。

Microsoft

先ほども取り上げたMicrosoftですが、2016年にはビジネス向けSNSである「LinkedIn」というサービスを262億ドルという額で買収しています。

また、2011年5月には「Skype」を85億ドル、2014年9月にはMojang(Minecraftの開発元)を25億ドルといったサービスを買収しています。この他にもあらゆる企業を買収し続けています。

Google

次にGoogle社の買収状況を見てみましょう。

Googleの大型買収として有名な買収はMotorola Mobilityでしょう。2011年8月に約125億ドルで買収しています。また、同じスマートフォン事業では2017年9月にHTCのハードウェア部門を約11億ドルで買収しています。

皆さんがご存知のYouTubeも買収された企業です。2006年9月に約16億5000万ドルという額で買収されたYouTubeは、今や世界的な動画サービスに成長しています。

日本のIT業界におけるM&A

日本のIT企業も積極的に買収を続けています。

ソフトバンク

まずはソフトバンクグループです。これまでも様々な企業を買収することで急成長を遂げてきたソフトバンクグループですが、ボストン・ダイナミクス社というGoogleの傘下であったロボットを開発する会社を買収したと言われています。

※具体的な発表がないのですが、買収は完了しているとの見方が強いです。

まるで生き物のような犬型ロボットや、何度衝撃を与えても立ち上がるロボットの動画を見た方も多いのではないでしょうか。ソフトバンクグループはPepperなどを見てもわかる通り、ロボット産業に力を入れていれており、その分野を強化するためでしょう。

さらにソフトバンクは驚くべき規模の買収を行っています。それはイギリスの半導体設計会社であるARM社の買収です。ソフトバンクはARMの買収に約3兆3000億円という桁違いの額をかけて買収しました。

NTTデータ

では日本のIT企業として最大規模を誇るNTTデータ社はどうでしょうか。

NTTデータ社は、2016年にアメリカのDELL社のIT部門を3500億円という金額で買収しています。その他にも海外企業の買収に積極的であり、過去12年間で6000億円という額を費やしているのです。

なぜ企業は買収するのか

では、なぜ企業はここまで巨額の金額を費やして買収を続けているのでしょうか。理由は企業によって様々あると思いますが、最終的な目標としてはやはり企業の成長という事が挙げられます。

自社で新規事業を立ち上げるという選択肢もありますが、競合他社との競争や優位性、または自社の計画などを考慮した上でスピード感を持って事業を立ち上げたい場合、買収という手段が有効になってきます。

最近の傾向として、AIやIoTといった最先端技術に強みを持つスタートアップ企業が、そのノウハウを手中にしたい大手企業から買収されるというケースも増えているようです。

またNTTデータなど国内企業の多くは、将来的に日本国内の需要が頭打ちになることを考慮して、積極的にその活路を海外に見出そうとしています。

特にNTTデータはその路線を明確にしているのですが、海外ではまだまだ無名であるために売上の機会を逃しているということもあるようです。世界TOP5のIT企業になるためには、知名度の向上が必要だという判断の元、その豊富な資金力で世界のあらゆる企業を買収しています。

今回は主に比較的規模が大きい買収案件をご紹介しましたが、部門や1サービスの売却などまで含めると、その数はもっと多くなります。ただし、買収した企業が全て期待した働きを見せているかというと、必ずしもそうではないようです。

企業買収から数年後に期待した効果が上がらず、再度売却をするという事も頻繁に起こっています。そのため、買収の結果については少し長い目で見る必要があるといえるでしょう。

最後に

今回はIT企業のM&Aについてご紹介しました。

よく「IT業界は流れが早い」という言葉を聞くと思いますが、その1つの具体的な事例がお分かりいただけたのではないでしょうか。

技術についてはもちろんですが、このように企業やサービスも日々変化を繰り返しているのが、他の業界にはあまりみられないIT業界の特長です。

私たちもITエンジニアとして働く上で、いつこのような変化の波に巻き込まれるかはわかりません。大切なのは変化を楽しむこと、成長の機会だととらえることが重要なのです。

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