みなさんはこれからの未来をどのように考えていますか?すでに今そうなりつつありますが、創れることの価値はどんどん増していくと考えられます。
創れることの価値と今後の未来を考えてみましょう。テクノロジーは劇的にコストを下げるということを多くもたらします。いくつか例をあげましょう。
1. 電子書籍
印刷して、流通させるというコストを劇的に押し下げました。出版社が出版物の価格を下げずに維持するのは今後難しくなるでしょう。
2. マッチングサイト
オークション、求人情報こういったものはすべてマッチングです。マッチングの精度はマッチングするもの同士の数が増えれば増えるほど、精度は高まります。クラウドソーシングという仕事をアウトソースするようなサービスにもマッチング要素があります。求人情報誌や物販用の雑誌はなくなるでしょう。すでになくなり つつあるように思います。
新たなテクノロジーが出てきた。ではそのテクノロジーは従来の存在していた業界、もっといえばその業界のビジネスモデルをどのように変えるのか、もしくはどのような新たなマーケットを創るのか考え、ビジネスを展開する力はより価値を持つようになるでしょう。
その際、自分でものを創って、なにか生み出せることはスピード、コストの面でも大きな力を発揮します。またテクノロジーに対する理解があって、はじめてそのテクノロジーがどのように活用しうるのかを考えることができるのは創れる、創った経験があることが大きく影響するでしょう。
スティーブジョブズ、孫正義、盛田昭夫、稲盛和夫、松下幸之助、堀江貴文といったように時代の転機を見定め、それに応じてビッグビジネスを展開した人達が技術者出身であることは偶然ではなく、必然であると思います。過去の事例が証明しています。
あんぽん 孫正義伝
MADE IN JAPAN(メイド・イン・ジャパン)―わが体験的国際戦略 (朝日文庫)
アメーバ経営 (日経ビジネス人文庫)
物の見方・考え方 (PHP文庫 マ 5-3)
堀江貴文のカンタン!儲かる会社のつくり方
これからでてくる新しい技術に対して、それが現状の状況のどういった部分を変革しているのかを見定める力が彼らにはあったと言えるでしょう。
低コストでソフトウェアを生み出せる世の中になった以上、創れることの価値はどんどんあがっています。その価値は製造業の次の外貨獲得産業が日本において求められる中で、さらに高まりを見せるでしょう。
ただその次なる外貨獲得産業が情報産業であるという部分に対して、日本ではそこに必要な人材を育成できていません。旧態依然の大学教育、このままでは手をこまねくばかりです。
外貨は獲得しなくていい。製造業での優位性を失ったら日本は内需だけでなんとかしていくというのは、高齢者を対象にした介護ビジネスといったものがメインに なり、それではあまりにも悲しい。一人あたりのGDPも大きく低下し、国際通貨としての円は今以上に価値を失うでしょう。やはり海外でビジネスを展開することは必要でしょう。
日本のこれまで産業の歴史の歩みを紐解いてみると、生糸が外貨獲得産業であったときもあれば、造船業や軍需品の製造が外貨の獲得産業であった時代もあります。戦後はそれが製造業であり、SONYやホンダという会社がその外貨獲得産業を担う会社でした。
今の時代において、製造業がまた花形産業となり、外貨獲得産業になることはないと考えます。SONYやシャープの苦しい経営状況がそれを物語っています。こ れからの時代はかつてSONYの盛田昭夫氏は「ソフトウェアとハードウェアは車の両輪のようなものです。」と述べていましたが、時代は変わってきています。
今の時代はソフトウェアがより力を持つ時代になってきていると思います。
ソフトウェアが力をもつというのは、まさしく人材、知力こそが重要となる時代です。ソフトウェアを生み出すのは人だからです。そこは機械では代替不可能です。工作機械をつかって、車を製造するのとはわけが違います。だからこそ単純労働、知的労働以外は世界的な労働市場が形成されつつある現在、どんどん賃金水準の低い国にアウトソーシングされてしまうでしょう。
情報産業はこれからますます拡大していくでしょう。そのスキルはこれから大きな価値を持つことは間違いありません。エンジニアはより社会において求められるようになってきています。
学生のみなさんが今の時代にであれば、なにを学び、なにを身につけますか?創れる力としてのプログラミングを身につけ、スキルを磨くというのはこれからの時代における大きなチャンスではないでしょうか?