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東洋学園大学の赤尾充哉先生にインタビューさせていただきました!

東洋学園大学_外観

今回は東洋学園大学で教授を務める赤尾充哉先生に、「キャリアにおける意思決定と自己理解の重要性」についてインタビューをさせていただきました。組織理論、認知科学、AI、キャリア教育をご専門とされている赤尾先生に、キャリアの転機における考え方や効果的な意思決定のプロセスについてお伺いします。

現在の研究されている分野・具体的なご活動内容について

インタビュアー
インタビュアー
改めて、今回のインタビューをお受けいただき誠にありがとうございます。はじめに、ご専門分野での研究内容や担当されている授業について教えてください。

組織と戦略に関するダイナミック・ケイパビリティ論という理論の研究をしています。これは、過去の経験を活かしつつもそれに縛られず、まだ見ぬ将来に向けて、どのような戦略を立てどのように実現するべきか、というような議論です。これに関連して、認知科学やAIも研究しています。授業では、長年キャリア教育に携わっています。

赤尾先生
赤尾先生
インタビュアー
インタビュアー
デジタル化が進む教育環境の中で、若者が「主体的に学ぶ力」を身につけるにはどうすればよいでしょうか。

「主体的に学ぶ力」は一気に高まるものではありません。高すぎる理想を掲げて、すぐにあきらめるようでは困りものです。その一方で、何もしないということもいけません。「これだけは絶対やる」ということを決めて、それをコツコツと積み上げていくことが大事だと思います。

思い出話をしましょう。私が大学院に入ったときは、勉強に全くついていけませんでした。何もわからぬまま、行って帰るだけの大学院生活をしばらく送って、これではいけないと思いました。

そこで私がどうしたかというと、1つの授業で必ず1つ質問なりコメントなりの発言をすることにしました。当初は的外れな発言も多かったと思います。

ところが、これを続けていくうちに、こじれた紐をほどくように、色々なことがするすると分かるようになってきたのです。何事もそういうようなものだと思います。

赤尾先生
赤尾先生

キャリアの意思決定・自分自身との向き合い方

東洋学園大学_外観正面

インタビュアー
インタビュアー
キャリアにおける意思決定で若者が陥りがちな「罠」や「認知のクセ」があれば教えてください。

自分の「強み」を活かそう、という考えは最も危険な「罠」だといえます。あなたが「強み」と思っているものは、単なる思い込みかもしれません。この思い込みを過信することは、他の可能性を失わせることになります。強みが足枷となって柔軟性を失わせてしまうのです。

また、「強み」だと思っているものは、いままで経験してきたことやいまの現状を、肯定的に評価したいという気持ちの表れなのかもしれません。そうすると、チャレンジングな取り組みを自然と避けてしまいます。

赤尾先生
赤尾先生
インタビュアー
インタビュアー
AIが意思決定や創造の領域にも入り込んでいます。「AIに代替されないキャリア」を築くために、今から意識しておくことはありますか。

AIは学習に基づく合理的な判断を得意とします。ですが、合理的な思考の罠とでもいうべき現象があり、AIはいつもこの罠に対峙せざるをえません。こうした罠から抜け出すには、過去の経験や学習から逸脱・飛躍する思考が必要です。しかし、AIはこうした飛躍的思考を苦手とします。

AIに代替されないようにするのであれば、世間の常識や自分の経験とは違うところに大事なものがあるのではないかと、いつも目を光らせておくような習慣を身につけるといいでしょう。もちろん、こうした習慣の背景には、好奇心や想像力が不可欠です。いまあなたの好奇心が枯れかけているのなら要注意です。

赤尾先生
赤尾先生

職業選択・キャリア形成について

インタビュアー
インタビュアー
「一つの専門に絞る」ことと「幅広く学ぶ」ことのバランスについて、学生や若手へのアドバイスがあれば教えてください。

根本的には「幅広く学ぶ」ことが、物事をより理解し、より柔軟に発想するために重要だと思います。とはいえ、中途半端にいろいろ学んでも、あまり意味はありません。

また、時間も労力も限られていますから、あれもこれもと同時に学習することは、なかなかできません。したがって、学習する際には、ある程度「一つの専門に絞って」どっぷりと学ぶ姿勢が必要です。

重要なことは、その一つを学び終えたときにあぐらをかかないことです。たかだか一つのことを学んだのにすぎません。まだまだ知らないことはたくさんあります。一つのことを学び終えたときに、次の学びに素早く向かうことが重要だろうと思います。

赤尾先生
赤尾先生
インタビュアー
インタビュアー
経営思想家たちのキャリアや生き方にも触れてこられたと思いますが、印象に残っている人物や考え方はありますか。

最近気になる経営思想家はジェームズ・マーチ(James March)です。彼は一見非合理的にも見える飛躍的な思考の重要性を説いており、それが今日流行りの「両利きの経営」の元となりました。彼が素晴らしいのは、そうした飛躍的な思考の研究には、信仰や芸術に関する研究が必要だとみなしているところです。イノベーションの担い手である企業家は芸術家気質だとも言われますし、私も芸術は人間社会の発展にとって非常に重要なものだと思っています。

赤尾先生
赤尾先生

学生・キャリア形成中の方へのアドバイス

インタビュアー
インタビュアー
最後に、これからキャリアを築いていく学生や若手社会人に向けてのメッセージをお願いします。

おそらく人生には、一気呵成(いっきかせい)に最短ルートで目標に猛進していくべき時と、様々な教養を身につけながら遠回りをしていくべき時の両方があります。どちらか片方に偏った結果として、壁にぶつかって行き詰まっているようなら、もう一方のやり方を思い出してみてください。必ずどこかに道はあります。もう少し根源的な話をしましょう。

何かをすれば、大なり小なり何かは得られます。もっとも恐ろしいことは、何もしなくなってしまうことです。何もしなければ、何も得られません。今の自分と同じ自分のまま、老いて死ぬだけです。不満があるのであれば「まずは行動を」ということが大事だと思います。

このような言い方をすると、説教じみた、あるいは脅迫じみた物言いに聞こえるかもしれません。私が言いたいのは、何もしないのと、何かするのとでは、どちらが楽しいかということです。ずっと何もできないのと、何かができるようになるのとでは、どちらが楽しいか。何もわからないのと、何かがわかるのとでは、どちらが楽しいか。

長い人生ですから、楽しく過ごしたほうがいいと、私は思います。

赤尾先生
赤尾先生
インタビュアー
インタビュアー
今回はとてもためになるお話を聞かせていただきありがとうございました。転職には不安や迷いはつきものですが、行動することを心がけてキャリア形成していきたいと思いました。

東洋学園大学の基本情報

 

名称 東洋学園大学
所在地 〒113-0033 東京都文京区本郷1-26-3
大学HP https://www.tyg.jp/
今回インタビューにご協力いただいた先生 東洋学園大学 赤尾充哉先生(教授)

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