システムエンジニア(SE)とはどんな1日を送っているのでしょうか?朝から夜までPCの画面をみながら一人で黙々と仕事をしているのでしょうか?これは、正解でもあり、不正解でもあります。なぜかといいますと、開発のフェーズによって様々な作業があるため、確かに1日中PCに向かって仕事をしている日もあるからです。
私自身、IT業界に身を置いて数十年が経過していますが、周囲の友人もなかなか私の仕事内容がつかめないようです。そこで今回はよりSEの仕事をつかんでいただけるように、ある1日をご紹介したいと思います。なお、SEの仕事はその時々で作業が全く異なります。今回ご紹介する内容はよくある通常の1日としてご覧いただければと思います。
前提として
現在は受託案件のプロジェクトに参画しています。メンバーは約10名で、ウォーターフォールで開発を進めています。現在は、「開発」工程であり、作業は概ね順調な状態です。
なおSEではありますが、作業的にはPG(プログラマー)とSEを兼務しているとお考えください。
※受託案件とは、お客様が要求するシステムに対してお金を頂いて開発をするものです。
※ウォーターフォールとは、要求分析→設計→開発→テストと各工程を完了し、次の工程へ進む開発方式を指します。
SEの朝
さぁ出勤です。始業時間は9時30分、会社までは電車で約30分なので自宅を9時頃に出ます。SEはなぜかiPhoneよりAndroidのスマホを好む人が多いです。スマホでIT関連のニュースやゲームをしながら出勤します。
電車を降りると会社近くのカフェでブラックコーヒーを買いましょう。SEはなぜかブラックコーヒーを好む人が多いです。
出勤 9:30
会社につきました。PCの電源をいれ、メールをチェックします。ただし、最近はお客様と開発メンバーの連絡はSlackというビジネスチャットツールを使用しているため、メールの着信はほとんどありません。
Slackにはいくつか自分あてのメッセージがあったので、まずはそちらの返信を行います。そうこうしている間に、朝会の時間がきました。
朝会 9:45
朝会は、毎日行われます。約10分程から朝会の目的は2つあります。
1つは作業の報告と共有のためです。あまり時間をかける会議ではないので、簡潔に昨日の作業報告と本日の作業予定内容、課題がないかを報告します。課題が存在する場合は、別途会議を開きます。
もう1つはチームメンバーのコミュニケーションを取るためです。雑談なども交えながら、チームの一体感を育みます。
実装タイム 10:00〜13:00
朝会後から昼休憩までは実装の時間です。設計書を確認しながら実装を進めます。出勤時に買ったコーヒーは少し冷めている頃ですね。
実装時はいかに優れたコードを書くかを考えながら作業をしますが、いつの間にか独り言をぶつぶつと呟いていることが多いです。少し複雑な問題も声に出すことで意外と理解できたりします。もしくはイラストを描きながら全体の仕様を理解することも有効です。仕様が不明な箇所は随時Slackで担当者に確認しながら進めます。
SEになっても実装は楽しいものです。頭と指先をフル回転しながらコードを組んでいきます。実装していると時間が過ぎるのが本当に早いものです。ふと気づくともう昼休憩の時間が来ていました。
昼休憩 13:00〜14:00
昼休憩は人によって行動が分かれます。会社の外へご飯を食べに行く人、弁当を食べる人、オフィスによっては宅配弁当の注文も行ったりしています。SEは夜更かしが好きな人も多いので、昼寝している人もよく見ます。
昼ご飯を食べ終わったら、職場のコーヒーサーバーでブラックコーヒーを飲みましょう。SEはほとんどオフィスにいるため、職場環境には敏感です。職場環境とはデスク、チェア、飲み物、オフィスグリコ、休憩エリアなどですね。会社も優れたエンジニアを自社に引き留めておきたいので、職場環境には積極的に投資を行うところが増えています。
オフィスグリコで購入したチョコを食べながらコーヒーを飲んで、昼からの仕事に備えます。
会議 14:00〜15:00
今日は休憩後に会議の予定が入っていました。SEはいろいろな会議に参加します。今日のテーマは、開発中のシステムについて共通化する部分の検討を行う会議です。プログラミングは1人の作業と思われがちですが、問題や課題についてはメンバーでじっくり話し合いを行う事も多いです。
また、場合によっては直接関わりがない部分の会議についても、万が一影響が及んでいる可能性もあるので、ご意見番として参加することもあります。いかなる会議においても、自分の考えや思ったことを伝えるようにしましょう。しゃべれるエンジニアは重宝されます。
実装タイム 15:00〜18:15
再び実装タイムです。今日の予定作業が少し残っているので、集中して一気に仕上げましょう。とはいえ、人間の集中力はそんなに持ちません。集中力が切れてきたら、ちょっとネットを見たりコーヒーを飲んだりして一息つきましょう。
エンジニアがコーヒーと並んで好きな飲み物がもう1つ。レッドブルなどのエナジードリンクです。少し眠気が出てきた場合はカフェインの力に頼りながら、予定の作業を終わらせます。
トラブル発生! 18:15
18時30分の定時まであと15分。そろそろ帰り支度も始めようとする頃に、お客様からSlackにメッセージが来ました。お客様に状況を確認したところ、既にリリース済みのシステムについて障害が発生している模様です。不思議なことに、なぜかトラブルは高確率で帰宅間際にやってきます。それも飲み会や用事がある時を狙い撃ちしたかのような時に。
何はともあれ、まずはネットワーク等のインフラ側で発生しているのか、プログラム側が問題で発生しているのか原因を切り分けるために調査を行います。障害対応は時間との勝負です。頭をフル回転にして障害の原因を調査します。
調査を進めたところ、プログラム側に問題があることを突き止めました。早急にお客様に現状の報告を行い、今後の対応を協議します。今回は影響を受けるユーザー数が多いため、至急対応を行うことに決定しました。
プログラムの修正、レビュー(第三者によるチェック)、テストを行い、問題がないことの確認がとれたため、本番環境へリリースします。その後、本番環境でも問題がないか確認を行い、無事に修正されていることを確認しました。こちらでトラブル対応は完了となります。
退社 20:45
これにて、本日の全ての作業は完了しました。予定外のトラブルのため残業となりましたが、無事に解決できたため充実感がみなぎっています。明日の朝会のために、本日の作業報告をまとめたら退社します。
まとめ
本日はSEの1日をご紹介しましたが、いかがでしたか。冒頭にも述べたように、工程によってはこういった日ばかりではありません。本日のように予定外のトラブルが発生する日もあれば、プログラミングだけ行う日も、会議ばかりで終わる日もあります。
今回ご紹介した内容を通じて、システムエンジニアに対する理解度が少しでも上がれば幸いです。
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