SEには開発系・保守系・運用系のエンジニアがいる
皆さんはSE(システムエンジニア)は具体的にどのような仕事をしているかご存知でしょうか?
お客様と打ち合わせを行い、要望通りのシステムを開発するために案件を調整したり、プログラミング言語を駆使して実際にシステムを開発をしているところをご想像する方が多いのではないでしょうか。
もちろんそれらのイメージは間違っていませんが、実はそのような仕事はSEの仕事の中のごく一部でしかありません。
SEの仕事は、「開発」「保守」「運用」といった3つに大別することができ、仕事内容やその担当領域は多岐に渡ります。
そこで今回は、SE(システムエンジニア)の「開発」「保守」「運用」について、それぞれの仕事内容を説明していきます。
「開発系」SEの仕事内容は新規システムの「仕様設計」
まずは、「開発系」のSEの仕事内容についてです。こちらは最も皆さんがイメージしやすい仕事ではないかと思います。
開発系SEは、お客様から要望をヒアリングして、実現のためにどのようなシステムが必要であるか、また実現可能かを分析して具体化します。
その後、分析内容を元に仕様を決定し、設計書を作ります。その設計書を元にプログラミング言語などを用いてシステムを開発し、最後に要求通りの挙動になっているかテストを行い、システムをリリースするまでが「開発系」SEの主な仕事内容です。
「開発系」SEになるメリット
「開発系」のSEになるメリットは、新しい技術や顧客折衝などの様々なスキルを学びやすいという点。さらに、ゼロからシステムを開発するという経験を積める点にあります。
後述する「保守系」のSEは、既存のシステムを改修するのが主な業務となり安定稼働が絶対条件となります。そのためリスクを負って新しい技術を採用するケースはとても少ないのです。
「開発系」のSEが担当するのは新規案件であるため、挑戦的なシステム開発案も採用されやすい傾向があるといえるでしょう。
「開発系」SEになるデメリット
一方で「開発系」のSEになるデメリットとしては、ハードウェア・ネットワークといったインフラ面の知識がつきにくい点が挙げられます。
「保守系」SEの仕事内容はシステムの「改善とメンテナス」
次に、「保守系」のSEの仕事内容についてご紹介いたします。
就活生の皆さんはスマートフォンにたくさんのアプリをインストールしていると思いますが、それらのアプリは日々アップデートされていることをご存知でしょうか。
例えばゲームのアプリで行われるアップデートは、既存の不具合解消であったり、ステージ増設や新コンテンツのリリースのためであったりします。
アプリは一度リリースしたものでも、さらに手をかけてよりよいアプリにするために改善が繰り返されています。
これは他のシステムも同様です。この既存システムをアップデートすることが保守系SEの主な仕事となります。身につくスキルとしては、「お客様目線の改善に精通する」点が挙げられます。
もちろん「開発系」のSEもユーザーやお客様の要望に即した開発を行う知識はつくのですが、「保守系」のSEは実際にサービスやアプリ等を利用するお客様に近い距離で対応を行うイメージだと思っていただければ良いかと思います。
キャリアパスとしては、システムの問題点や課題を理解しているからこそ、よりよい構成であるシステムを提案する立場のITコンサルタントになる方もいらっしゃいます。
「保守系」SEになるメリット
「保守系」SEになるメリットは、リリースしたシステムの問題点や課題などへの対応を多く行うために、どのようなシステムがメンテナンスしやすいのかといった点を肌で感じることができることです。特に、改修頻度の高いソフトウエア業界ではこの保守性が品質の高さを保つために重要になってきます。
「保守系」SEになるデメリット
「保守系」SEになるデメリットは、業務の拘束時間が長くなりがちなことです。現代ではあらゆるシステムは24時間365日安定稼働することが自明とされていますが、万が一システム障害となれば、「保守系」SEは休日でも深夜でも対応しなければいけません。もちろん複数人のシフト制でサポートを行いますが、24時間監視の目を途切れさすことができない点では拘束時間が長めの仕事といえるでしょう。
「運用系」SEの仕事内容はシステムが正常に稼働するための「監視」
最後に「運用系」SEの仕事内容についてご紹介いたします。「運用」は「保守」同様に作業の対象はリリースしたシステムとなります。
ただし「保守」は主にプログラムに変更を加えるようなものを指しますが、「運用」はハードウェアやネットワーク等のインフラ面を対象とすることが多いです。
こちらもスマートフォンのゲームアプリを例にします。こういったアプリは一時的な利用者の増加により障害が発生することがあります。
また、サーバーが悪意を持ったユーザーから攻撃を受けることもあります。こういった場合、早急に対策をとらないと最悪の場合、システムが停止したり破壊される危険性があります。
「運用」という仕事はこういった事態を防ぐために、システムの環境に異常がないかを日々監視し、万が一障害が発生した場合は原因箇所を特定します。
さらに障害原因がソフトウェアのバグなどではなく、インフラ側に問題があった場合は、システムの復旧を行ったりもします。
キャリアパスとしては、「運用」で学んだ知識・経験を活かし、ネットワークエンジニアとなどになる方も多いです。
「運用系」SEになるメリット
「運用系」SEになるメリットは、「インフラ関連の深い知識」と「トラブルの対応力」が身につくことが挙げられます。SEの中でもこの辺りの正しい知識を持っている人はあまり多くないので、これは貴重な武器になるでしょう。
「運用系」SEになるデメリット
「運用系」SEになるデメリットは、開発系などゼロからシステム構築をするエンジニアと比較すると給与が安くなりがちな点です。残業が発生しにくく、業務がマニュアル化しやすいなど、負荷が少ないぶん安値に設定される傾向が多いのです。
SEの担当領域は「会社や案件」により変わる
これまでにご紹介したSEの「開発」、「保守」、「運用」という仕事ですが、1社で全てをまかなっている会社ばかりではありません。
比較的小さいシステムであれば社内で開発・保守・運用を全て担当する必要がありますが、ユーザーが多いシステムでは専門の業者が運用を担当することもあります。
つまり、会社や担当する案件によって必要な仕事、得意とする仕事が異なっているのです。
そのため、皆さんが新卒として配属される場合も、入社した会社や実際の案件によっては「開発」、「保守」、「運用」それぞれの仕事を担当する可能性があります。
ただし、最初はOJT(「On-The-Job Training」の略。実際の現場で業務と通して仕事を教わること)として先輩等と共に配属される事が多いと思いますので、あまり心配することはありません。
肌感覚として、入社先が一般的なSIerであれば「開発」や「保守」の仕事が多いでしょう。
志望企業のSEになるには仕事内容の「リサーチ」が肝心!
今回はSEの仕事内容を「開発」、「保守」、「運用」に分けてご紹介しました。SEと一言でいっても様々な仕事があることがご理解いただけたのではないかと思います。
実は、今回挙げさせていただいたものも、どちらかというと大きく分類したものであり、実際の仕事内容はさらに細かく分類することができます。
また、今回のような言葉の定義は、明確なものがなく会社によって異なる場合があります。
就職活動を行う際には、SE(システムエンジニア)という言葉だけで判断するのではなく、その会社のSE(システムエンジニア)はどのような仕事内容かを詳しく調べることをおすすめします。
最後になりますが、人によっては「運用」や「保守」は若手やスキルが無い人がやる仕事だという考えを持った方もいます。私自身はこれまでに「開発」「保守」「運用」全てに携わった経験がありますが、そのような考えは全くの誤解であることをお伝えしたいです。
どの仕事もシステムを利用するお客様にとっては欠かせない業務であり、どれか1つでも欠けるとシステムは正常に機能しません。
SE(システムエンジニア)の仕事内容に違いはあれど、システムを通してお客様を支えていることに誇りをもってよいと思います。
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