この記事のポイント
- ITエンジニアはSEとプログラマーに大別され、上流工程と下流工程でそれぞれ異なる役割を担う
- IT企業はメーカー系・ユーザー系・独立系の3種類に分類でき、それぞれに異なる特徴とキャリアがある
- 文系・未経験でも活躍できる職種。令和5年調査でSEの平均年収は約557.6万円と全産業平均を大きく上回る
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はじめに
皆さんはITエンジニアという職業をご存知でしょうか?名前だけは耳にしたことがあっても、具体的にどういった仕事をしているかはイメージしづらいとおもいます。そこで今回は、ITエンジニアとして約12年の間、IT業界に従事してきた筆者が様々な側面からITエンジニアの仕事を掘り下げたいと思います。
なお、企業によってはご紹介する内容に当てはまらないケースもあるかと思いますが、IT業界の一般的な企業のお話とご理解いただければ幸いです。
※以降、SEとプログラマーを総称して、ITエンジニアと記載しています。
システムエンジニアとは?プログラマーとの違いは
皆さんはシステムエンジニアとプログラマーの違いを説明できますでしょうか?
どちらもシステム/サービス開発に関わる仕事ですが、その仕事は全く異なります。システム開発とは「要求分析→要件定義→設計→実装→テスト」という作業工程から成り立ちます。各工程の簡単な説明は以下の通りです。
要求分析
お客様の業務や課題を分析する。
要件定義
要求分析の結果を元に、システムに必要とされる要件を決定する。
設計
要件定義の結果を元に、システムをどういった形で実現するかを検討し設計図を作る。
実装
設計を元にプログラミング言語を用いて、コーディングを行う。
テスト
実装したシステムが意図した仕様であるかの確認を行う。
上記の「要求分析〜設計」を上流工程、「実装〜テスト」を下流工程と呼びますが、システムエンジニアは上流工程、プログラマーは下流工程が主な担当となります。
もちろんシステムエンジニアも状況に応じて実装やテストを行うため、完全に縦割りではないことが多いです。なお、日本では数年間はプログラマーとして経験を積み、その後にシステムエンジニアになるケースが一般的となっています。
会社の種類の違い。メーカー系・ユーザー系・独立系とは
システムエンジニアが属する企業にはどのようなものがあるのでしょうか。
大きく分けて3つに分類することができます。以下にそれぞれの特徴を記載します。
▼メーカー系
大手コンピュータ製品などを販売している企業の傘下(グループ会社・子会社)であったり、ソフトウェア開発部門が独立した等の経緯をもつ企業を指します。
財務基盤は安定しており体力もあるため、国内の大規模案件では強い存在感を放っています。
親会社が巨大企業であることが多いため、ユーザー系や独立系と比較すると、高待遇である場合が多いです。
▼ユーザー系
銀行、証券会社、物流、エネルギーなどの企業のソフトウェア部門が独立したり、当該企業の業務遂行のために設立された情報システム関連の企業を指します。
情報システムで親会社を支援することを最大のミッションとしており、親会社が属する業界への業務知識や独自の慣習などが身に付きます。
なお、メーカー系は基本的にはビッグプレイヤーが多いですが、ユーザー系は親会社の業績や規模によって様々であるため、企業の見極めが重要です。
▼独立系
メーカー系やユーザー系とは異なり、特定の親会社を有しない情報システム系の企業を指します。
親会社が存在しないため、案件の自由度は高く、様々な技術を習得する場が多いという一面があります。
また、親会社がいるということは安定して案件を受注できる反面、競争原理が働かない、もしくは弱くなりがちですが、独立系については常に競合他社が多く存在します。比較的厳しい環境ではありますが、生き残る企業は技術力や営業力が高い企業が多いです。そのためエンジニア自身も自己研鑽力が高い人材が多いです。
どんな企業があるのか
メーカー系・ユーザー系・独立系の違いについてはご理解いただけたかと思います。では実際に就職先としてどのような企業があるのでしょうか。ここではそれぞれ代表的な企業を3社(グループ)ずつご紹介いたします。
▼メーカー系
・日立系
日立製作所、日立ソリューションズ、日立システムズなどが日立のメーカー系企業です。
日立製作所は、情報・通信システムを主軸として様々な社会インフラを提供しています。
日立システムズは、システム構築事業やネットワークなどのインフラを強みとしています。
日立ソリューションズは、ソフトウェア・サービス事業を主な事業としています。
・富士通系
富士通エフサス、富士通Japanなどが富士通のメーカー系企業です。
富士通エフサスは、ICTインフラの企画・コンサルティング及び運用・保守などを主軸としています。
富士通Japanは、コンサルティングから、機器販売、ソフトウェア開発、設置工事、保守までワンストップのサービスを提供しています。
・NEC系
NECソリューションイノベータ、NECネッツエスアイ、NECフィールディングなどがNEC系のメーカー系企業です。
NECソリューションイノベータは、官公庁や製造業に強みを持つNECのソフトウェア開発集団です。
NECネッツエスアイは、ネットワーク技術を主軸に幅広い業界へ顧客を持つSIerです。
NECフィールディングは、情報システムの保守をメインとした企業です。
▼ユーザー系
・銀行系
三菱UFJインフォメーションテクノロジーやみずほリサーチ&テクノロジーズなどが該当します。
銀行関連の情報システムの企画や開発などを行います。銀行合併によるシステム統合などは社会からの注目度も非常に高いものがあります。
・エネルギー系
東京ガスiネット、テプコシステムズなどが該当します。
昨今は電力自由化、ガス自由化などにより、これまでは関係がなかった業界間の熾烈な競争が進んでいます。エネルギー関連のユーザー系企業はこういった競争を優位に進めるためにシステムを開発しています。
・通信系
NTTデータグループや京セラコミュニケーションシステムなどが該当します。
NTTデータグループについては、もはや説明不要であるほどの巨大企業であり、国内外に広くグループ企業を有しています(2023年7月に持株会社体制へ移行し、現在は「株式会社NTTデータグループ」が持株会社、「株式会社NTTデータ」が国内事業会社として事業を展開しています)。ユーザー系は親会社からの仕事を受注することが多いのですが、その制限にとらわれず様々な案件に携わっています。国内の大規模案件などの入札には、必ずといっていいほど顔を出す企業です。
▼独立系
・オービック
国産ERPパッケージベンダーです。勘定系、人事系、給与系、販売系など幅広いラインナップをそろえています売上もさることながら利益率の高さには目を見張るものがあります。
・TIS
独立系SIerとして幅広い業界・分野に顧客を持ちます。あまり知名度は高くないかもしれませんが、様々な案件に携わっており、新技術への対応なども率先して行っています。
・大塚商会
CMをご覧になっているかたも多いと思います。オフィス用品の販売などもおこなっておりますが、こちらは事業規模でいうと約25%程度です。残りの75%はITソリューションであるため、企業としては後者がメインのビジネスとなります。
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気になる年収は?
ITエンジニアの年収は、会社説明会などでもなかなか質問しにくいところかと思います。厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、ソフトウェア作成者(SE・プログラマを含む)の平均年収は約557.6万円です。国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」による全産業の平均給与は約460万円であり、ITエンジニアの年収水準は全産業平均を大きく上回っています。
また筆者自身も長年IT業界に身を置いているのですが、感覚的には概ね上記の結果は正しいと感じます。IT業界以外の様々な業界の方とお付き合いをさせていただく機会があるのですが、年収としては比較的高い部類に入ると思います。
文系やプログラミング未経験でもなれるの?
文系またはプログラミングの経験がない皆さんは、IT業界に興味があっても不安が大きくなかなか一歩を踏み出せないという方も多いと思います。
結論から申し上げますと、文系またはプログラミングの経験がない方であっても全く心配は不要です。断言する主な理由は2点あります。
1つ目は、事実としてたくさんの文系エンジニアが活躍をしているためです。これは採用自体も文系理系を問わないという事もありますが、実際の仕事においても出身学部やプログラミング経験の有無はあまり関係がない証明でもあります。
そもそもIT企業は未経験者に合わせた開発言語研修などを行います。その際に研修内容をきちんと消化できさえすれば、文系や未経験者であれどプログラミングで躓く事はあまりありません。
2つ目は、組織は様々な人材がいることでより強固な組織となります。文系にも理系にも様々な人がいると思いますが、一般的には文系の強みはコミュニケーション力であると思います。
そして、あまりイメージがつかないかもしれませんが、ITエンジニアとして働く上でコミュニケーション力は欠かす事ができない能力の1つなのです。皆さんが思っている以上に、ITエンジニアという職種はコミュニケーションを必要とする職種であり、文系出身の方も十分に活躍できます。
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やりがいは?
年収が高い、有名なサービスに関わる事ができる、最先端の技術を習得できるなど、やりがいは人によって様々だと思います。
私がITエンジニアとしてやりがいを感じるのは、社会への貢献を肌で感じやすいところです。ITは社会のインフラといっても過言ではありません。そういった社会を支えるシステムに、エンジニアとして携われるのは非常に幸せなことだと思います。
また、ITには世の中の仕組みを覆す可能性を持っていると思います。生成AI(文章・画像・コードなどを自動生成するAI技術)やDX(デジタルトランスフォーメーション:業務や事業をデジタル技術で変革すること)が急速に普及し、社会や業務のあり方を大きく変えつつあります。
アメリカの証券会社では、数百人いたトレーダーの業務を全てAIに置き換えて、優れた投資結果を残しているそうです。また、クラウド(AWS・Azureなどのインターネット経由でサービスを提供する仕組み)や生成AIを活用した業務変革は、金融・製造・医療など様々な業界で加速しています。
ITエンジニアはAIやDXを普及させていく側であり、社会のイノベーションを肌で感じることができる点も大きなやりがいの1つとなるのではないでしょうか。
労働環境は?ブラックじゃない?
IT業界はブラックだというイメージをお持ちの方も多くいらっしゃると思います。業界を揶揄する声があるのも事実です。
IT業界は古くから多重請負構造という悪しき慣習があります。簡単にいうと大手SIerが仕事を受注し、中小零細企業が二次請け、三次請けとなる仕組みです。この慣習により、末端の企業の利益幅が薄くなり、ブラック化してしまうという側面は確かにあります。
しかし、それはIT業界でもごく一部の話です。優れたエンジニアの確保が難しくなっており、そういったエンジニアを確保するためにも労働環境を積極的に改善する企業が多いです。
また、世の中の流れも手伝って、働き方改革が進められている企業も多々あります。入社する企業選びさえ誤らなければ、決してブラックではない事はお伝えしておきます。
転職・キャリアパスは
ITエンジニアは人材の流動が激しい職種です。そのため転職市場も常に活気があります。最近は企業のIT投資も盛んにおこなわれており、各企業は優秀なエンジニアの確保に頭を悩ませています。今後も売り手市場が続くため、転職のたびに年収を上げやすいでしょう。
キャリアパスとしては様々ですが、一般的にはプログラマから始まり、システムエンジニアを経由して、プロジェクトマネージャになるといったケースが多いです。
ただし、企業によっては一生エンジニアであることを推奨しているところもあります。業界的にも比較的若いため、あまり形にとらわれる事はありませんが、常に将来どんなエンジニアになりたいかを意識し、そちらに沿った転職やキャリアパスを選択していくことが重要です。
就活の方法・選考ルート
就活の方法としては就活サイトからが一般的でしょう。メーカー系やユーザー系の企業は比較的堅いところが多いので、他の業種と同様に就活の基本をしっかりと押さえて臨むとよいでしょう。
一方、Webサービス系やベンチャー系など若く勢いがある企業はエンジニア同士の横のつながりが強い傾向があります。もし既に働いている知り合いなどがおり、その企業に興味があるのであれば、そういったところから思わぬ進展がある可能性もあります。
よくある質問
Q. ITエンジニアは文系・未経験でもなれますか?
なれます。IT企業の多くは入社後に開発言語研修を実施しており、文系・プログラミング未経験者でも一から学べる環境が整っています。実際にたくさんの文系エンジニアが活躍しており、コミュニケーション力など文系の強みがSEの仕事で大きく生きる場面も多いです。
Q. メーカー系・ユーザー系・独立系のIT企業、就活生はどれを選ぶべきですか?
自分のキャリア志向によって異なります。安定した大規模案件に携わりたいならメーカー系、特定業界への深い理解を得たいならユーザー系、多様な技術を幅広く習得したいなら独立系が向いています。それぞれの特徴を理解したうえで、自分の軸に合った企業を選びましょう。
Q. ITエンジニアのキャリアパスはどうなっていますか?
一般的にはプログラマからスタートし、システムエンジニア、プロジェクトマネージャへとステップアップするケースが多いです。ただし近年はDXやAI活用の広がりにより、データエンジニアやクラウドアーキテクトなど新しい職種も登場しており、キャリアの選択肢は多様化しています。
自分では探せない、理想の会社に出会えるかも?
自分に合った会社、仕事は、自分だけでは十分に探せないもの。就活サイトで検索するだけでなく、経験豊富な先輩やエージェントに話をしてみることも極めて有効な手段です。エンジニア就活では、エージェントによる面談を常時行なっていますので、まずは会員登録を。もちろん、登録・利用はすべて無料です。
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編集後記
編集者
エンジニア就活
ITエンジニアを目指す就活生に向けて、求人情報・選考ノウハウ・業界研究など実践的なコンテンツを届けています。
就活生の疑問や不安に寄り添いながら、日々コンテンツを更新しています。










