「面接は商談の場である」をまずは頭に叩き込め
面接について、「企業から呼ばれ、聞かれたことを答える場」だと思っていませんか?だとしたら、それは大きな間違いです。
面接は「あなたからお願いして、相手の時間を頂いた上で自分を売り込む場」、すなわち相手のニーズを汲み取って提案をする商談の場と同じです。自分が言いたいことだけを話し、相手の求める・知りたいことを伝えないセールスマンが、契約を取れる訳がありませんよね。面接でいつも落ちてしまう、と嘆く原因の一つがここにあります。
商談をうまく成立させるためには、「自分という存在をいかに具体的に相手に伝えられるか」がキーになってきます。ではそのための準備はどのようにすれば良いのでしょうか。
自己分析はできているか
自己分析が重要だとは何度も言われていると思います。でも具体的にどうすることなのか、答えられるでしょうか?
就職活動における自己分析の第1ステップは
- 自分はどういう人間なのか
- 自分の長所・短所は何か
をまず明確にすることです。頭に思い描くだけではなく、きちんと説明できる必要があります。
第2ステップは、第1ステップの内容を基に
- 自分は社会人になってどういうことをしていきたいのか
- 自分はなぜこの企業に応募するのか
- 自分が入社すればどういう点で企業に貢献できるか
を導き出すことです。
見てわかるように、すべて「自分」が主語ですので、きちんと考えれば答えは必ず出てきます。たとえ1つでもおろそかにすると、内定は遠のいてしまう重要項目です。それでは順にみていきましょう。
自分はどういう人間なのか
まずは今までの人生を振り返り、自らの歴史を書き出しましょう。大事なのは、その年表の中で「どういうことに取り組み、どういう経験を積んだか」をどれだけ出せるか、です。ここがPRポイントになります。ITの経験がなくてもかまいません。
自分の長点・欠点は何か
これもありのままを書き出しましょう。親や友人など、身近な人に聞くのも良い方法です。第三者から見た客観的な意見をくれるはずですから、自分でも気づかなかったような答えが返ってくることもあるでしょう。
ポイントは、長所だけでなく短所も必ず押さえておくこと。面接で聞かれた際、これをきちんと答えられる人は意外と少ないので(自分をよく見せようと濁す人が多いです、特にエンジニアは……)、短所とそれをカバーするために努力していることを答えられるとポイントは高いです。
自分のやりたいことは明確か
ここからは、過去の自分を基にして、未来の自分を明確にしていく作業になります。エンジニアになりたいと思ったからには、「人生でこういう経験をしたのでそれを強みにしたい」「○○のエンジニアとして働く人を見て、自分も同じように活躍したい」等と、何かキッカケがあるはずです。それを「過去の自分まとめ」から導き出すことができます。これはそのまま志望動機の内容にも使うことができます。
明確な答えがない場合でも「過去の自分まとめ」をもとに「なぜここまでの実績を出せたのか」「なぜ打ち込めたのか」を突き詰めましょう。いずれにしても、過去の経験に答えが隠れているはずです。
企業への熱意は十分あるか
企業が新卒採用をする上で重要視するのが、応募者の「人柄」「当社に対する熱意」「今後の可能性」であるという調査結果があります。特に面接官は「内定を出したら本当に入社してくれる人」を見極めるために「他社ではない、当社である理由」を突っ込んで聞いてきます。この回答が、面接官が求めている答えとかけ離れていると、まず面接は落ちると思ってください。
求められる答えに近づくためには、その企業の研究が必要です。とはいっても、モノを作って販売している企業なら、お店に行って商品を手に取ったり、雰囲気を感じることができますが、IT企業では、パッケージ製品を販売していない限り、その企業が開発したシステムに触れることは、なかなかできないでしょう。
ではどうすればよいでしょうか。
まずその企業のホームページをくまなくチェックし、その企業の経営理念・開発実績・取引先情報を確認して、できれば覚えてください。その上で、知らない単語や、商品名、社長名などで検索してみるのです。特に商品名や社長名での検索は、意外な情報発信がされていたり、評価が第三者によってなされていたりすることがあります。
私が知るIT企業の社長の中には、実は兼業農家であったり、ボランティアを立ち上げていたり、超大手企業の役員と同級生で今でも強いパイプを持っていたりなど、様々な方がいました。
最後は、同業他社を調べて比較することで、その企業にしかないものや強みをピックアップしましょう。面接でそこを攻める(自己PRに取り入れたり、質問の材料にする)ことができます。
とにかく、自らアクションを起こすことで、将来その企業で仕事をする自分の姿が明確になりますし、事前研究の事実を話すことで、面接官に熱意を伝えることもできます。
逆に、アクションを起こした結果自分の想像と違っていて、モチベーションが下がったというのであれば、その企業にかける時間を、他のもっと興味が持てる企業に割けますので、入社した後で「こんなはずではなかった」ということも避けられます。アクション自体は、一見遠回りと感じるかもしれませんが、自分の志望度を測る上でも重要ですので、ぜひ実践してください。
「御社でないといけない」理由を答えられるようにしよう
「他社ではない、当社である理由」は、これまで挙げてきた項目をきちんと整理しないと導き出せない答えであり、あなたと企業の「接点」の強弱を測る最重要項目です。
「自分はこういう人間で、こういう長所があり、こういうことをしたい。自分なりに調査した結果、それが実現できるのが御社である。御社のこういう点に対し、自分の持つ○○を活かすことで、○○事業の発展に寄与できると考えている」
と、具体的に話せることが、面接官を共感させる一番の方法です。
まとめ
今までの就職活動においてできていなかったことも、結構あったのではないでしょうか。1社あたりにかける準備時間も増えるとは思いますが、「自分はこれだけ準備したんだ」という安心感が生まれ、面接での緊張も緩和されるものです。
特にIT業界はエンジニア不足が今も顕著ですから、「この人とつながりを感じる」と面接官に思わせれば、内定はぐっと近づきます。諦めずに頑張ってください。
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