『総合職の採用は充足しているが、エンジニア職の新卒採用に困っている』
という声を多くの企業様から頂いています。実際数字で見ていても、昨今特に300名未満の中小企業様では採用に苦戦されているということが伺えます。以下の図に表れています。
そのような中で、どのようにして企業が新卒採用でエンジニアを採用していくかについて参考になればと思います。以下3点をチェックしてみて頂ければと思います。
1. 求人情報は適切か?明確に採用したいと思うような人材のペルソナを描けているか?
まず当たり前なのですが、どんな人を採用したいかが明確化されていなければ、求人の内容にもズレが生じ、接触数は増えるがいつまでたっても採用に至らないという状態になってしまいます。
エンジニアを新卒採用でとるとなった場合のペルソナの明確化は総合職の新卒採用に比べて難易度が高くなります。というのも新卒採用であれば実務経験もないので、完全ポテンシャル採用、志向性などを見るというのがこれまでの常識だったからです。
しかし、昨今のビジネス環境においてはサービスの開発能力が非常に重要な役割を果たすようになったため、新卒採用領域でもエンジニア職での採用のニーズが高まってきています。
となると、中途採用のように実務経験はないが、エンジニア職としての素養がある人材を新卒で採用していくとなるとき、まず悩ましいのがどんな人を採用するかを明確化することにあります。新卒の採用担当者が総合職、エンジニア職採用の双方を兼ねている場合、このペルソナの明確化がしっかりとなされていないことが往々にしてございます。
そこで新卒採用でエンジニアをとるとなったときに、どのように採用要件を決めていけばよいかを紹介します。会社のビジョン・理念へのフィットをみるという部分に関しては一般的な新卒採用と同様の内容になるかと思いますので、割愛します。
では技術的な要件をどのように考えるべきなのでしょうか?エンジニア就活、エンジニアインターン経由で新卒採用が決まっていっている学生さんを見ているとやはり学生時代にインターンでプログラミング経験があったり、研究室で何かしらのアウトプットをコードで出している学生の方が多いです。
なにかしら形にしたものがあるという要件は非常に重要な要件といえるでしょう。目の前のアウトプットが重要なのではなく、そこで曲がりなりにも完成までこぎ着ける事ができる力を見ることができます。完成までなんとかこぎ着ける力は実際に社内で開発を任せていくうえで非常に重要な力になります。
次にもう少し具体的な技術要件に入っていきましょう。まず社内のメインの開発言語が仮にRubyだったとしましょう。ここで要件をRubyでつくったものがあることといった要件を設けてしまうことはあまりにもったいないことです。
中途ならまだしも新卒のエンジニア採用であれば、別の言語で形にしたものがあれば大きな戦力となってもらえます。自社の開発環境やメインの開発言語の情報を求人情報にも記載しておくことは非常に重要です。
ある特定のプログラミング言語で習熟度が高ければ別の言語にも簡単に移行することができます。簡単な例で説明させて頂くと、
PHP: Lv.3,Python:Lv3,Java:Lv3
という人よりも絶対に
PHP:Lv9
という人を採用したほうがいいです。例え自社のメインの開発言語がPHPでなかったとしてもです。そしてこれを踏まえたうえで、エンジニアとしての技量を見極める自信がないという人事・採用担当者の方も多くいらっしゃると思います。
そこで弊社でそのエンジニアとしての技量を見極めを代行させて頂くことも可能ですし、社内の現場のエンジニアの方に確認頂く必要があります。
だからこそ人事・採用担当者の方が、確実に現場のエンジニアの方と密にコミュニケーションをとっておく必要があります。できるだけ人事の方が開発の現場に顔を出すなどが望ましいと思います。採用後の育成方針を現場のエンジニアの方からヒアリングしておき、その内容を求人原稿や自社のアピールに反映させる。
採用することばかりに目が向きがちですが、学生側からすれば最大の関心事は入った後のことです。入った後のことを現場のエンジニアさながら人事・採用担当者が話せる、対外的に告知できるとなると、非常に強いです。また就職から3年以内の新卒の離職率が3割というマクロな数字がありますが、この数字の是正にもつながるでしょう。このミスマッチの要因には、採用前にきいていたことと、採用後が全然違ったということが多くあります。
2. 中途でのエンジニア採用と新卒でのエンジニア採用をどのように位置づけているか?
中途のエンジニア採用市場は企業側からみたとき非常に厳しいものとなっており、なかなかエンジニアの採用ができていません。
そんな中、弊社でご提案させて頂いているのは、インターンシップ経由からの新卒採用、もしくはインターンシップを経由しない新卒採用を通じて、業務経験はないが、プログラミング経験のある学生を採用し、エンジニアの中途採用で苦戦している部分を補填してみませんか?という提案をさせて頂いています。
中途のエンジニア採用市場では、特にエンジニア採用ニーズが高まってきており、企業の採用が難しい状態にあります。以下の図をご覧下さい。
新卒採用担当者様と中途採用担当者様が別々のケースも多く、なかなかうまく進めて頂くことが難しい側面もあるのですが、プログラミング経験のある学生を採用し、エンジニアの中途採用で苦戦している部分を補填することでうまく成功されている企業様も多くいらっしゃいます。一度考えてみるだけの価値はあるかと思います。
3. メインとなる事業ドメインはBtoB,BtoCのどちらか?自社サービスをアピールできるか?
BtoB企業の場合、学生にその魅力を伝えることが困難なケースが多いです。学生はやはり日頃目にしている、もしくは使っているサービスを提供している企業に目がいきがちです。
例えば、LINEやFacebookであれば日頃自分が使っているものなので、すぐにその企業に関心を持ってもらうことができます。自社サービスが最大の採用の求心力として働いていると言えます。
逆に、B to Bとなると学生への魅力が非常に伝えにくくなります。
ではこの問題を解決するために、B to Bがメインの事業領域の会社では採用に関心を持ってもらえばよいのでしょうか?具体的にエンジニア就活運営事務局からアドバイスさせて頂いている4つの方法をご紹介したいと思います。
1. 採用候補の学生のロールモデルとなるような、タイプの近い先輩社員に学生と会って話をしてもらう
採用の際にどのような新卒社員をとるかを思い描いたとき、この先輩社員のように活躍してほしいという考えの下、採用選考をしていくケースも多いかと思います。
この先輩社員のように活躍してくれるエンジニアになってほしいという、採用候補の学生のロールモデルとなるような先輩社員と話す時間をとるのが効果的です。話す際には、学生が地方在住の場合には、Skypeでもよろしいかと思います。もちろん最善は対面で、ランチ、もしくは飲みの席で話すことが望ましいです。
2. インターンシップを通じて入社後の疑似業務体験をしてもらう
インターンシップ経由での新卒採用についての詳細に関しては、
『人事・採用担当者必見!エンジニア向けインターンシップの企画案』
『人事・採用担当者必見!インターンシップで採用するためのコツ』
上記3つの記事をご参照頂ければと思います。
3. 採用の際に社長や役員の経歴やキャラクターを全面的におしていく
事業ドメインが地味でわかりにくいとなれば、役員以上のメンバー、社長の経歴や社長ブログを全面的に紹介していくことが採用の近道かと思います。
4. 採用のPRのための自社サービスを開発・運営してみる
これは入社後に採用のPRを意識して開発したサービスが泣かず飛ばずとなると、そこに新卒採用で入ってきたエンジニアが関われるわけではないので、離職率を向上させる要因ともなりうる部分がなきにしもあらずです。
しかし特に受託開発を行っていて、守秘義務の関係で、なかなか自社で開発した実績の話がしづらい企業様もあります。対外的に学生が興味をもてるサービスを一つは社内で持っておきたいところです。学生が企業を選ぶ際に、特にエンジニア職を志望する学生となると、どんなものを形にしている企業なのか、作っているものを一番の判断基準として応募してくるケースが多いです。
上記4つのうちいずれかをお試しになられてみてはいかがでしょうか?もしエンジニアの新卒採用にお困りの企業様は以下からお気軽にご連絡下さい。