2050年の未来はどうなっているのか?あなたも考えたことはありませんか?データをもとに、そして技術進歩まで踏まえて今後の世の中どのようになっていくのかについて考えてみました。
日本の国際的なプライオリティの低下
経団連のシンクタンク、21世紀政策研究が発表した2050年までの日本と世界50か国・地域の長期経済予測によると…
- 人口の減少が進み、2030年以降マイナス成長を続け先進国から脱落する恐れがある
- 貯蓄や投資も鈍化し、生産性が他の先進国並みを維持できるのは2030年代からマイナス成長に転じ、2050年には現在3位のGDP(国内総生産)が4位転落、1人あたりのGDPも世界18位と韓国(14位)に抜かれる。(中国・米国の6分の1の規模)
2050年のGDP世界比率では、中国29%、インド16%、アメリカ16%、ブラジル5%、メキシコ4%、ロシア4%、日本2%、インドネシア3%の順となるそうです。
このままでは残念ですが、世界に影響を与えるようなインパクトは持ち合わせない国になってしまいます。
国内の格差と国家間の格差の推移
国内の経済格差は拡大
日本は全体としての資産が、負債を上回る負債国です。なので、ギリシャのように債務不履行(デフォルト)を起こすということは考えにくい状況です。ただ、それだけに国民には年を追うごとに重税が課されるということになります。このままの状態が続くと、2050年の日本の失業率は8%(現在の倍)程になる可能性があります。
その原因として、円高により製造業が壊滅→介護事業が残る→海外からお金が入らない(海外から原料を輸入し加工・製造し海外に売るという商売がなくなる)→生活水準のさらなる低下→国内の所得格差が広がる
現在も、日本は経済格差が囁かれていますが、それがさらに助長し現在の北朝鮮のような社会になる事が予想されています。
国家間の格差は縮小傾向
国内の個人間や世帯間の格差の度合いの指標を表す「ジニ係数」というものがあります。
1980年代に穏やかな低下基調となり、90年代以降は急激に低下していることから、この時期の指標の低下は中国の高成長の影響とみられています。それ以降の低下は、経済のグローバル化を背景とし、貿易や投資の産業活動の活発化、多くの低所得国の高成長に伴って世界各国の経済水準は均等化に向かっています。
そして、ここでも中国の高成長によって、エネルギー、金属、穀物など様々な資源の需給が大きくなり資源価格が上昇したことで資源産出国の輸入と投資資金の流入が拡大した影響もあります。
プルトクラートという少数の超高所得層の出現
プルトクラートとは、国民の所得を全部合わせた収入金額の36%とか84%を独占している人たちのことです。年収1千万ドル以上の超富裕層です。スーパーリッチとも称されます。
彼らが出現した要因は、金融規制の緩和、国有資産の売却、社会主義経済から市場経済への移行などの流れをキャッチし成功していることです。技術進歩やグローバル化、インターネットを活用した情報産業の分野などの欧米大企業の最高経営責任者(CEO)、金融トレーダーや国家的政治的利権を獲得しているロシア、インド、中国などの新興国の起業家などがその人物たちです。
しかし、上記の「グローバルリッチ」によると、彼らは「労働する金持ち」と言われるほど懸命に働いていることから、その報酬は労働に見合ったものだといわれています。
先進国を中心とした、超高齢化社会の到来
先進国を中心に認知症の発症数は増加傾向にあります。2050年には世界的に現在の3倍の1億1,540万人、まさに世界人口の100人に1人が認知症を発症するという報告があります。物忘れをはじめ、日常生活に支障をきたす病であるとともに、その介護をする家族やスタッフの負担も大きいです。適切な認知症対策が急がれますが、そのプログラムを設けている国は世界に8か国のみです。
超高齢化社会・認知症―これらに関しては、日本は世界に先駆けてこの問題に直面しています。そして、その取り組みを世界の多くの研究者が注目しています。今後、日本の主軸になるであろう介護産業。この分野で新たな解決策を見出すことが、日本にとって大きな外貨獲得産業として育つ可能性を秘めているのではないでしょうか。
IoTの流れ
身の回りのあらゆるモノがインターネットにつながる「Internet of Things」(IoT)に注目が集まっています。その中でも車は早期にこのIoTを実現するといわれており、国内大手メーカーもそのシステムの構築に尽力しています。モノとインターネットの融合でより便利な世の中が到来します。
人工知能の台頭
モノとインターネットが融合することでこれまで集めきれていなかった、なおかつ取得してもデータ加工がしにくかった大量のデータを集めることができます。学習・推論・判断といった人間の知能を持つ機能を備えたコンピューターシステムです。応用としては、自然言語の理解、機械翻訳、エキスパートシステムなどです。
人間と違い、疲れない、そして分析対象のデータがFacebookやTwitterなどまで拡大し、膨大な量の情報量から分析し、その結果一番有益な情報を提示してくれます。「電脳」と将棋をするといったことも、話題になっていますよね。これから先の私たちにとって、とても有益な働きをもたらしてくれるでしょう。
遺伝子情報分野における機械学習
とても幅広い機能を有する人工知能。その機能は遺伝子情報分野にも及びます。
遺伝子情報分野における機能学習は、遺伝アルゴリズムという二つの親の特徴が子に遺伝する原理を利用した問題解決の手法です。遺伝プログラミング、また生物集団の過程や生体内の活動をシュミレーションする人工生命などの分野に発展しているようです。