はじめに
2018年6月から就活解禁になり、すでに三か月が経過した2019卒の就活状況ですが、いまだにリクルートスーツを着て歩いている学生を目にします。
これらの学生は大きく二つに大別できます。一つは単純にまだ内定がなく、就活を続けざるを得ない学生、そしてもう一つは内定はあるけどどこか就活に納得していない学生です。
大きく異なる二つのパターンですが、実は共通している部分があります。それは学生に「軸がない」ことです。
今回はなぜ軸が必要なのか、軸のない学生がなぜ多く生まれてしまうのか、どのように軸を作ればいいのか、そしてその作った軸をいかに企業に伝えればいいのかを解説します。
なぜ軸が必要なのか
まず、なぜ軸がない学生が危険なのかを説明します。それはずばり、「仕事に対するモチベーションを維持するのが大変」だからです。そもそも軸というのは自分にとって譲れないこと、つまり自分の原動力となることです。
例えば誰にも譲れないこだわりがあるだとか、将来的に絶対にかなえたい夢があるとかです。軸の内容としては何でもよいのですが、大抵の軸を保つためにはお金が必要になります。お金を稼ぐ手段は多岐にわたりますが、代表的なものとしては企業で働くことか自分で起業することです。
しかし、多くの学生は起業をするほどの高いモチベーションも、能力も、問題意識もありません。そのため、企業に属することになるのですが、そうすると自分の軸を満たすため、一生懸命働きます。
企業側としては企業のためにではなくとも、穴をあけずに働いてくれる学生が欲しいので、何らかの軸を持った人を好んで採用します。多少能力が高くなくても軸がある人が内定を多くもらえるのにはこういった背景があるのです。
なぜ軸がない学生が生まれてしまうのか
ではなぜ、このように軸がない学生が生まれてしまうのでしょうか。その理由は明確で、「学生時代に軸が必要になる場面が少ない」からです。
先にも述べましたが、他人には譲れないこだわりや、将来の夢が軸です。しかし、学生時代に自分が絶対に譲れないことを意識する機会や、将来を考えることなど少ないのではないでしょうか。
もちろん、学生時代に部活を必死でやっていたとか、将来のことを考えて受験勉強でいい大学に入った学生も多いとは思います。ただ、その部活で何を得るためにやっていたというよりは短期的に楽しいからとか、とりあえずいい大学に入ればつぶしが効く、というように、漠然とした考えの中で動いていることが多いように見受けられます。
そのため、長期的に明確なゴールを持って学生生活を過ごしている人は少ないように思われます。
このような状態にはまっていない学生としては将来のために学生時代から起業している学生や、大学も学校だけでなく、専門まで加味して選択している学生が当てはまります。
これらの学生はそれまでの人生の原体験で起業を志す状況に置かれたり、その専門を極めたいと思う出来事に会ったりしているはずです。就活でいきなり軸を作るのが難しいのは、就活中に強力な原体験に出会うことは難しいからだと思われます。
どのように軸を作ればいいのか
では、今までの強力な原体験がなく、軸がない学生はいかにして軸を作ったらいいのでしょうか。
結論から言うと、どの学生も何らかの軸を持っています。例えば、組織に所属してワイワイやることが好きだったり、逆に誰にも干渉されずに仕事をしたかったりと、それぞれの学生に何らかの好みはあります。
この好みから逆算して、仕事内容もみんなでワイワイやりたい職場なのか、自分のペースでやれる職場なのかを選択することも一つの大きな軸です。
また、将来の夢や自分の趣味嗜好から軸を考えるのもアリです。例えば、野球がたまらなく好きだったら、給与面など考えずに野球関連の仕事に就くのが吉でしょう。
他にも、そこそこ安定した収入で早くに結婚したいと思うなら、日系メーカーのように解雇されにくく、キャリアプランが描きやすい職場を選ぶのもいいと思います。いずれにしろ自分の適性や理想の働き方、長期的なキャリアプランを考えれば自分の就活のときの軸はすぐに見つかるはずです。
作った軸をいかに企業に伝えればいいのか
軸を作るのも苦労する工程だとは思いますが、それ以上に苦労するのは自分の軸を受験先の会社に伝えることです。また、伝えるといっても自分の軸について相手に理解してもらうだけでなく、なぜその軸がその会社にとってプラスになるのかを伝えなければいけません。
少しわかりにくいので、具体的な例として日系企業と外資系企業を例に挙げてみます。
日系企業は全てがそうとは言いませんが、大体の会社は輪を重んじ、長期的に働いてくれる人を求めています。そのため、周囲と仕事をすることが好きで、かつ転職よりも安定した生活がしたい学生を求めています。
面接では以上の2点をなぜ自分が好むのかを、例えばなぜ他社に転職することが自分にとってマイナスなのかの考えを伝えるなどして面接を受ければいいでしょう。
一方、外資系企業は周囲との共同作業を求めるものの、力を合わせるというよりは分担して作業することを志向しています。また、転職をすることも歓迎はされませんが、日系ほどは敬遠されず、それよりも主体的に働いてくれるかを重視します。
そのため、面接では自分の主体的に動いたエピソードや、周囲とも上手くはやれるものの、能動的に動くことを話しましょう。
まとめ
現段階で就活がしっくり来ていない学生は自分の軸は何かが分かっていない可能性が高いです。また、軸が見つかったとしてもそれが企業側に伝わっていない可能性も大いにあります。
能力的には他の学生と大きく離れていることはほとんどないと思われますので、もう一度自己分析や業界分析をして、自分の特性に合った企業を探しましょう。
執筆者=転職の神
【関連記事】
採用担当者のホンネ。IT業界志望の学生が最もアピールすべきこと
SEを目指す文科系学生はここをアピールせよ
エンジニア志望者に必要な「就活の軸」とは【現役エンジニアが語る】
IT業界を目指すならエージェントを活用しよう
エンジニア就活には、IT業界・SEに強いエージェントがいます。彼らに話を聞いてもらうことで、自分が何をやりたいのか、自分が大切にしているのが何なのか、就活するうえでの軸が見えてきます。さらに、各人に合った未公開の求人情報も紹介してもらえるので、まずは気軽に相談してみましょう。会員登録や相談・セミナーなど、すべて無料で活用できます。