はじめに
はじめまして、Shin(@Speedque01)と申します。普段は戦略コンサルタントとしてコンサルティングファームに勤務しながら、「Outward Matrix」というビジネス関連のことを中心としたブログを運営しています。
本日は、「自己分析」をテーマに少々お話をしていければと思っています。
私は、ときたま就活生の相談に乗らせていただくことがあるのですが、そのときの大きな悩みのひとつとしてみなさんおっしゃるのが「自己分析が難しい」というものです。確かにいきなり「あなたの強みは何ですか?」「あなたがそのような志向を持つに至った理由は何ですか?」と聞かれても、「そんなのわかるわけないじゃないか……」と思ってしまうのも無理はないです。
しかし、就職活動で可能な限り自分の志向にあった職場を見つけ、そこから内定をもらうためには、上記のような質問にしっかりと答えられるようにしておく必要があります。というよりも、「自分に向いた職場を見つけて内定をもらえるような学生であれば、上記のような質問にすらすらと答えられるはず」と逆に申し上げたほうが正しいかもしれません。
「空っぽの自分」を分析することはできない
「就職活動」がひとつのビジネスとして大きくなってしまっていることが原因で、多くの人が「就職活動ではさまざまなテクニックを学ぶ必要がある」という幻想にとらわれてしまっていると感じます。もちろん、ちゃんと自身のことや行きたい企業のことを理解し、しっかりとプレゼンテーションをすることは、内定を取る上で非常に大切なことです。そこにはテクニックももちろん必要とされますから、それを学ぶこと自体は意義深いことではあります。
ただここで、冷静に就職活動の本質について考えてみましょう。就職活動とは、あなたという商品を、あなた自身で企業に売り込む活動なのです。その中で、近い将来に支払う給料その他のコスト以上の価値を回収できると考えた企業が、「内定」という形であなたを購入するのです。
つまり、あなたは企業に「自分は頂く給料やその他のコスト以上の働きを出来ますよ」という証明をしないといけないのです。もしそれを証明できるエビデンス(証拠)がないのにも関わらず、とってつけたような自己PRや企業分析を披露しても、本当に満足のいく結果を残すことは難しいといわざるを得ないのです。
自己分析をしてみたはいいものの、特に何かに打ち込んだ経験も結果を出した実績もない場合、企業に「これはすごい!」と思わせるようなエピソードをひねり出すことはできません。もちろん、何らかの行動を「お化粧」してそれっぽい自己PRを作成することは可能ですが、それはほとんどすべて企業側に見抜かれます。そこまで大人は間抜けではないのです。
もしあなたが、何の活動も実績もない「空っぽの状態」だとしたら、それをいくら分析しても、残念ながら実を結ぶ可能性はかなり低いのです。「何もアピールするものがない」という場合、それは自己分析以前の問題なのです。
自己分析で悩む前に「自分自身のバージョンアップ」をしよう。
ぼくがおすすめしたいのは、「自己分析で悩む時間と労力を使って、自分自身のバージョンアップをすること」です。
実は、企業が大学生に求めているのは「専門性」ではありません。もちろんビジネスレベルで使えるような専門性を持つ学生は引く手あまたですが、そのような学生が多くはないことは企業も分かっています。では、どのような力をつければ「バージョンアップできた」といえるのでしょうか。
これについて考える前に、まずはビジネススキルの全体像について簡単にご説明をします。
ビジネススキルとは何か、というのは結構答えに苦慮する質問です。おそらく明確に答えられる人はあまりいないのではないかと考えています。ぼくはいろいろと考えた結果、ビジネススキルは下記の4階層に分かれると考えています。
ビジネススキルの4階層
- 0階層目(ベース):やり抜く力(GRIT)・人の良さ
- 1階層目(三大性質): 主体性・論理性・協調性
- 2階層目(業界横断スキル):データ分析、エクセルさばき、パワーポイント資料作成、会議設計力、ファシリテーション、英語力、プレゼン力 etc
- 3階層目(業界別スキル):個別業界で必要となる専門知識やスキル
学生のうちにこれらすべてを身につけることはほぼ不可能といっても良いでしょう。ぼくがみなさんにおすすめしたいのは、「まずは0階層目と1階層目のビジネススキルを身につけること」です。これを身につけようと努力すれば、おのずと自らのバージョンがどんどん更新され、多くの企業から「あなたが欲しい!!」といわれるような人材になります。もちろん、企業に頼らず自ら仕事を受注したり起業するという選択肢も出てきます。
では、これらのビジネススキルはいったい何なのでしょうか?また、学生時代から0階層目と1階層目を鍛えるにはいったい何をすればいいのでしょうか?それについては次回詳しくお伝えします。
執筆:Shin
「Outward Matrix」
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