就職までに勉強しておきたいIT系知識とは

IT企業の採用担当をしていると、文系の学生に必ず聞かれることがあります。

それは、「プログラミングの知識は必須ですか?」などという、IT系の知識や技術の必要性を聞くものです。それも、みんな一様に不安そうな顔をして聞いてくるのが、とても印象的でした。

文系出身の学生たちにはプログラミングはおろかIT系の知識や技術を習ったことがない人が多く、それがかなりのマイナスポイントであると考えていることがわかります。確かに、自分が習ったことがない知識や技術をフルに使う職種への就職を考えている場合、自分にそのスキルが無いということは大きな不安材料になることでしょう。

ここで、私が文系学生に対してはっきりと言っておきたいのは、

「IT企業に就職する際にIT系の知識や技術は必須ではない」

「ただし、入社してから習得できる場合に限る」

ということです。

これについて私が採用した学生の実例なども交えて、詳しくお話ししていきたいと思います。

IT系知識はIT業界で働くために必要なスキルの「一部」であるということ

よくIT業界で働くならとにかくIT系知識が絶対に必要!という人がいます。確かに、IT業界ではプログラミング技術やコンピュータアルゴリズムの知識が必要です。

しかし、勘違いしてほしくないのは、IT系の知識はIT業界で働くために必要なスキルの「一部」であり「全て」ではないということなのです。

IT企業で働くのもメーカーで働くのも、仕事の基本的な動作は同じです。客先に出向いて顧客に失礼がないように営業活動をするためには、社会人としてのマナーや接客態度が必要不可欠です。

チームで仕事をするためには、進捗会議で正確に仕事の進捗具合を報告し、上司への報告・連絡・相談の「ほうれんそう」ができなければなりません。上司への報告書や顧客に提示する資料を作成するために、文書作成能力もいります。

その上で、ITシステム開発のプロフェッショナルとしての力量が必要になってくるということです。もちろん、仕事を遂行するためのメインのスキルは、IT系の知識や技術かもしれません。しかし、それ以外のスキルが無ければ、メインのスキルを生かすことができないのです。

就職までに勉強しておきたいIT知識とは

とは言え、IT企業に就職したいなら、IT系の知識や技術は必ず必要になります。

いきなりプログラミング言語を習得するというのは難しいですが、就職する前にIT知識の初歩的なことは学んでおくと良いでしょう。

過去に文系学生を育成してきた経験から、最初にこのスキルが身に着いていればいきなり会社に行きたくなってしまうようなことなく、すんなりとシステムエンジニアとして成長していけるようなIT知識についてご紹介します。

就職活動をしている学生諸君は、就職活動の合間に意識して習得しておくと良いかもしれません。

ExcelやWord、PowerPointのスキル

システムエンジニアとして就職するなら、パソコンで仕事をするのは当たり前のことです。ですから、必要なのはパソコンの操作スキルということになりますが、最近の学生はみんなパソコンを持っていますから、そこは問題ないでしょう。

仕事をする上で、ほとんどの企業で使われるアプリケーションが、ExcelやWord、PowerPointです。パソコンは使っていても、ネットやメールしかしていないという文系学生が、意外と使えなかったりします。レポート作成の際にWordやPowerPointを使っているという学生も多いのですが、Excelはどうでしょうか?

Excelで数式を組めますか?

グラフを作れるでしょうか?

マクロを知っていますか?

Wordで文字列を一括置換できますか?

段落を自動で付与できますか?

図形描画機能を使って、わかりやすい図表を作れますか?

PowerPointで一通り資料を作ることができますか?

アニメーションを上手く取り入れて、見栄えの良い資料を作れますか?

イラストや写真を挿入して、見た目にもわかりやすい資料を作れるでしょうか?

WordやExcelのスキルを問うマイクロソフトのMOSという資格がありますが、意外と受験料が高いですし、ある程度使いこなせれば良いので取得は必須ではありません。

どうせ資格を取得するなら、MOSよりも次でご紹介する基本情報処理技術者試験を受かっておいてもらった方が、採用担当者としてはありがたいです。

基本情報処理技術者試験の勉強

基本情報処理技術者試験は、IT業界で働くなら初めに取っておきたい資格です。

試験で問われる内容は、基本的なコンピュータアルゴリズムや知的財産権などに関する知識、C言語などのプログラミング言語に関する知識などです。午前は基本知識を択一式で答える問題で、午後はプログラミング言語を選択して穴埋めや択一式、記述式で答える問題です。

企業によっては、この試験を突破しなければ昇格・昇進はないというところもあります。理系の学生はすでに取得してから就職する場合がほとんどです。文系の学生もほとんどの場合で取得を求められますから、先に取っておくことで後が楽ですし、アピールポイントにもなります。

IT業界で出世した学生・出世できなかった学生の違いとは?

IT業界では、理系学生が必ず活躍できる、文系学生は活躍できないというわけではありません。むしろ、逆のケースもあります。

ここでは、文系出身でもIT業界で活躍したAさんと、理系出身でも活躍できなかったB君のケースについてご紹介します。

IT業界で出世した文系学生Aさんのケース

Aさんは英文科卒業のバリバリ文系の女性です。留学経験もあり外国語スキルが高く、高いコミュニケーション能力も持ち合わせており、高評価で採用されました。

IT系の知識や技術はありませんでしたが、地頭が良いのか就職後の研修に前向きに取り組み独学でもしっかり勉強してメキメキと実力をつけていきました。1年ほど経った頃には先輩社員の手を借りながら仕事をこなせるようになり、3年後にはチームに欠かせない戦力になり、その後出世していきました。

外国語に堪能なので、英語のマニュアルを読むことができます。海外製品のサーバーやネットワーク機器はかなり多く、英語のマニュアルを読めなければ仕事ができません。

Aさんは、今では若くして管理職に上り詰め、チームメンバーの評判も上々で良い仕事をしています。

IT業界でうまくいかなかった理系学生B君のケース

B君は理系の有名大学を卒業し、プログラミング言語の知識や技術をバッチリ持っている優秀な学生でした。そのスキルに期待され、Aさんと同じように高評価で採用されました。

しかし、彼には人とのコミュニケーションを取ろうという気持ちが皆無でした。頭が良いのですが、人の気持ちがわからないタイプと言えば良いのでしょうか。

例えば、ミーティングで進捗確認を行う際に、進捗を説明しろと言っても「資料に書いてある」などという態度です。B君がコーディングしたモジュールについて確認しても、「コードにそう書いてあるでしょう。なぜそんなことを聞くのか」などと人を小バカにした態度を取るため、誰もB君に話しかけなくなってしまいました。自己主張ばかりで他の人の意見を尊重することが全くないのです。

しかし、いくら優秀とはいえ、学生レベルで優秀というだけの話です。B君の同期はどんどん力をつけていき、先輩と仲良くなって人脈も手に入れ始めます。

そんな中、B君のスキルレベルを追い越す同期も現れ始め、B君は完全に孤立し必要とされなくなっていきます。

そして、ついに3年程たった頃、B君は会社に来なくなってしまいました。

まとめ

IT系の知識や技術がIT企業に就職する際に必須か?そうでないか?ということについて、詳しくお話ししてきました。

IT系の知識や技術がIT業界に入るための「必要十分条件」ではありません。「必要」ではあるけれど、それがあれば「十分」ではないのです。

他にも必要なスキルはたくさんあります。その中で必要なスキルの一つととらえて他のスキルも身に着けつつ、就職後もしっかり勉強するということが重要なのです。

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