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文系・SE志望の就活生が勉強すべきIT知識【採用担当者が解説】

この記事のポイント

  • 文系就活生がIT企業に採用される構造的な理由
  • SEを目指す前に一番必要なのは「知識」より「マナー」である理由
  • 入社前に勉強すべきIT知識ロードマップ(STEP1〜3)
  • 文系SEで出世した人・うまくいかなかった人の実例コラム
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IT企業の採用担当をしていると、文系の就活生に必ず聞かれることがあります。「プログラミングの知識は必須ですか?」という問いです。みんな一様に不安そうな顔をして聞いてくるのが、とても印象的でした。

この問いに対して、採用担当者として明確に答えます。

「IT企業に就職する際にIT系の知識や技術は必須ではない」
「ただし、入社してから勉強して習得できる場合に限る」

本記事では、文系・未経験からSEを目指す就活生が、入社前にどんなIT知識を・どの順番で・どこまで身につけておくべきかを、採用担当者の目線から具体的に解説します。

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文系就活生がSEになれる理由:IT業界が文系人材を求める構造的な背景

IT業界において、文系出身のSEが積極的に採用される背景には、業界全体の人材不足という構造的な理由があります。経済産業省の試算によると、2030年にはIT人材が最大約79万人不足すると見込まれています。この規模の不足を補うには、文系・未経験人材の活躍が不可欠であり、それがIT各社が文系採用を積極化している背景です。

さらに、SEの仕事は技術力だけで完結するものではありません。顧客への要件定義・提案・プロジェクト管理など、コミュニケーション能力や論理的思考力が求められる業務が多く、これらは文系が培ってきた強みと直結します。

出典:IT人材需給に関する調査・概要(経済産業省、2019年)

文系の強みが活きる業務領域

📝 要件定義 🤝 顧客折衝 📄 ドキュメント作成 📊 プロジェクト管理
クライアントの要望を正確に言語化する力(文系の読解・作文力と直結) 相手の立場を汲んだ提案・調整(コミュニケーション・共感力) 誰でも理解できる設計書・マニュアルの作成(論理的文章構成力) スケジュール管理・リスク把握・チームへの指示出し(段取り力)

「文系だから技術がない」ではなく、「文系だからこそ強い領域がある」という視点でIT就活に臨むことが重要です。

文系就活生がSEを目指す前に一番必要なのは「知識」より「マナー」

IT企業で働くのもメーカーで働くのも、仕事の基礎知識やマナーは同じです。特に客先に出向いて顧客に失礼がないように振る舞うためには、営業職ではなくとも社会人としての最低限のマナーや接客態度が必要不可欠です。

SEなどの技術職にせよ、IT企業では「チーム単位」で働くことがほとんどです。1人だけで完結できる仕事というのは、まずないと言ってよいでしょう。そのためチームで仕事をするためには、進捗会議で正確に仕事の進捗具合を報告し、上司への報告・連絡・相談の「ほうれんそう」ができなければなりません。上司への報告書や顧客に提示する資料を作成するために、文書作成能力もいります。

その上で、ITシステム開発のプロフェッショナルとしての力量が必要になってくるということです。

ビジネスマナーは「就職前」に身につけておく

ビジネスマナーの習得は入社後の研修に委ねることもできますが、就職活動そのものでもマナーは問われます。面接・選考中の立ち振る舞い・メールのやり取り・敬語の使い方——これらが採用担当者の評価に直結します。特に文系就活生がIT企業を志望する場合、「技術面の不足を、コミュニケーション力・誠実さで補える人材か」という視点で見られていることを意識してください。

マナー項目 なぜSEに必要か
報告・連絡・相談(ほうれんそう) プロジェクトは複数人で進むため、進捗を正確に共有しないと全体が止まる
敬語・メールマナー クライアントとのやり取りは文書・メールが中心。言葉遣いひとつで信頼が変わる
文書作成能力 設計書・報告書・提案書など、SEの仕事の大半はドキュメント作成
客先での振る舞い IT企業はクライアント先に常駐するケースも多い。第一印象が仕事の受注に影響する

文系就活生がSEを目指す前に勉強しておきたいIT知識ロードマップ

「何から勉強すればいいか」という問いへの答えを、ステップ形式でお伝えします。

STEP 1:Office系ソフト(Excel・Word・PowerPoint)の実務レベル習得

システムエンジニアとして就職するなら、パソコンで仕事をするのは当たり前のことです。ただし仕事をする上で、ほとんどの企業で使われるアプリケーションであるExcel・Word・PowerPointの操作は、「使える」と「仕事で使いこなせる」の間に大きな差があります。

アプリ 入社前に身につけておきたい操作
Excel 数式の組み方・グラフ作成・基本的なマクロの概念把握
Word 文字列の一括置換・段落の自動付与・図形描画機能による図表作成
PowerPoint 一通りの資料作成・アニメーションの適切な活用・画像や図形を使った視覚的な資料作成

WordやExcelのスキルを問うMOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)という資格がありますが、意外と受験料が高いですし、ある程度使いこなせれば良いので取得は必須ではありません。どうせ資格を取得するなら、次でご紹介する「基本情報技術者試験」を受けてもらった方が、採用担当者としてはありがたいです。

スキル区分S0の方はまずここから。無料のYouTube講座や、図書館で借りられる実務書を活用するのが最も効率的です。

STEP 2:「基本情報技術者試験(FE)」の知識習得

基本情報技術者試験は、IT企業で働くなら初めに取っておきたい資格です。試験で問われる内容は、基本的なコンピュータアルゴリズムや知的財産権などに関する知識、C言語などのプログラミング言語に関する知識などです。午前は基本知識を択一式で答える問題で、午後はプログラミング言語を選択して穴埋めや択一式・記述式で答える問題です。

企業によっては、この試験を突破しなければ昇格・昇進はないというところもあります。理系の就活生はすでに取得してから就職する場合がほとんどです。文系の就活生もほとんどの場合で取得を求められますから、先に取っておくことで後が楽ですし、アピールポイントにもなります。

スキル区分S1相当。合格することよりも「受験に向けて勉強している」という事実と姿勢が選考でのアピールになります。S2以上を目指す場合は、プログラミング学習と並行して取り組みましょう。

STEP 3(余裕がある方へ):プログラミングの初歩体験

いきなりプログラミング言語を習得するというのは難しいですが、就職する前にIT知識の初歩的なことは勉強しておくと良いでしょう。プログラミングを全く触ったことがないS0の状態より、何かを少しでも作ったS1・S2の状態で入社した方が、研修でのスタートが圧倒的にスムーズです。

おすすめの方法はTECH-BASEのような、成果物(ポートフォリオ)を作ることまでサポートしてくれるプログラムです。完全無料・オンライン完結で、専任メンターが学習をサポートしてくれます。

スキル区分 次のアクション
S0(未経験) まずOfficeスキルとFE試験勉強を優先
S1(参考書1冊終えた程度) TECH-BASEで成果物づくりへ
S2(成果物あり) FE合格+GitHubでポートフォリオ公開が目標

スキル区分(S0〜S4)の詳細はこちらの記事で確認できます。

スキル

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【特別コラム】採用担当者が見た「文系SEで出世した人・うまくいかなかった人」のリアル

IT企業では、理系就活生が必ず活躍できる、文系就活生は活躍できないというわけではありません。むしろ、逆のケースもあります。筆者が採用担当として実際に見てきたAさんとB君のケースをご紹介します。

IT企業で出世した文系就活生Aさんのケース

Aさんは英文科卒業のバリバリ文系の女性です。留学経験もあり外国語スキルが高く、高いコミュニケーション能力も持ち合わせており、高評価で採用されました。

IT系の知識や技術はありませんでしたが、地頭が良いのか就職後の研修に前向きに取り組み独学でもしっかり勉強してメキメキと実力をつけていきました。1年ほど経った頃には先輩社員の手を借りながら仕事をこなせるようになり、3年後にはチームに欠かせない戦力になり、その後出世していきました。

外国語に堪能なので、英語のマニュアルを読むことができます。海外製品のサーバーやネットワーク機器はかなり多く、英語のマニュアルを読めなければ仕事ができません。Aさんは、今では若くして管理職に上り詰め、チームメンバーの評判も上々で良い仕事をしています。

IT企業でうまくいかなかった理系就活生B君のケース

B君は理系の有名大学を卒業し、プログラミング言語の知識や技術をバッチリ持っている優秀な就活生でした。そのスキルに期待され、Aさんと同じように高評価で採用されました。

しかし、彼には人とのコミュニケーションを取ろうという気持ちが皆無でした。頭が良いのですが、人の気持ちがわからないタイプと言えば良いのでしょうか。

例えば、ミーティングで進捗確認を行う際に、進捗を説明しろと言っても「資料に書いてある」などという態度です。B君がコーディングしたモジュールについて確認しても、「コードにそう書いてあるでしょう。なぜそんなことを聞くのか」などと人を小バカにした態度を取るため、誰もB君に話しかけなくなってしまいました。

しかし、いくら優秀とはいえ、就活生レベルで優秀というだけの話です。B君の同期はどんどん力をつけていき、先輩と仲良くなって人脈も手に入れ始めます。そんな中、B君のスキルレベルを追い越す同期も現れ始め、B君は完全に孤立し必要とされなくなっていきます。そして、ついに3年程たった頃、B君は会社に来なくなってしまいました。

▶ このエピソードから読み取れること

Aさんが評価された理由は、語学力や文系スキルそのものよりも、入社後に前向きに学び続ける姿勢でした。B君のケースが示すのは、技術力がいかに高くても、チームで働く以上はコミュニケーション能力が不可欠だということです。文系・理系の別より、「入社後も学び続けられる人材か」「チームで協力できる人材か」が、採用担当者として最も重視する観点です。

番外編:「学歴フィルター」と「スキルフィルター」を混同しないために

文系就活生からよく聞く悩みに「学歴フィルターがあって、文系だと書類選考で落とされる」というものがあります。しかし、採用担当の経験から言えば、書類選考で落とされる多くのケースは「学歴」ではなく、応募時のスキルレベルが企業の求めるラインに届いていないことが原因です。

各社の選考では、応募者に対してスキルチェックシートや事前課題を課すケースが増えています。「文系だから受からない」ではなく、「まずS1〜S2レベルを目指すことで、受けられる求人の幅が格段に広がる」という視点に切り替えることが重要です。

スキル区分早見表

スキル区分 定義 採用担当者視点での目安
S0 未経験(ITの知識・経験ゼロ) 研修充実企業・未経験歓迎求人が対象。文系就活生の多くがここからスタート
S1 初歩レベル(参考書1冊・FE学習中) 多くのIT企業の選考エントリーが可能。勉強中であることをアピールできる
S2 成果物あり(GitHub等で提示可能) 一般的なIT企業の選考突破ラインの目安。ポートフォリオがあると面接で話が広がる
S3 応用実装レベル 人気企業・大手SIer・メガベンチャーの目安
S4 実践・常用レベル 即戦力として評価される水準
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まとめ:文系からSEを目指す就活生へ

IT系の知識や技術がIT企業に入るための「必要十分条件」ではありません。「必要」ではあるけれど、それがあれば「十分」ではないのです。

他にも必要なスキルはたくさんあります。ただしその中で、就職前に準備できる知識・スキルは明確にあります。

・Officeソフトのビジネスレベルでのスキルアップ(STEP1)
・基本情報技術者試験の学習(STEP2)
・余裕があればプログラミング初歩体験(STEP3)

この順番で準備を進めながら、「入社後もしっかり学び続けられる人材である」という姿勢を選考の場で示すことが最も重要です。

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