SQLとは何か
皆さんはSQLという言葉を聞いたことがありますか?
IPAが実施している基本情報技術者試験等の勉強をしたことがある方はご存知かもしれません。ITエンジニアなら必須の知識ともいえるSQLについて、初めての方でもわかるようにご説明します。
SQLという言葉を理解するためには、まずはデータベースというものを知っておく必要があります。データベースという言葉は普段の生活、例えばニュースやドラマ等でもよく耳にするのではないでしょうか。
一言でいうと「整理された情報の集まり」を指します。身近なものでいえば、スマートフォンの電話帳をイメージしてみましょう。
最近ではLINEなどのコミュニケーションアプリに取って代わられつつある電話帳ですが、まだまだプライベートで使用している方も多いと思います。
スマートフォンを購入した直後は、電話帳には何のデータも存在しません。その後、スマートフォンで連絡先を追加すると、電話帳に1つの連絡先データが登録されます。
この連絡先データですが、名前が間違っていれば修正したり、不要となれば削除することもあるでしょう。そして実際に電話をかける際に、たくさんデータが存在すれば、名前などで検索をかける必要があります。
この電話帳がデータベースであり、そのデータベースに対して登録・修正・削除・参照(検索)といった操作をする専用の言葉がSQLなのです。
SQLの重要性
では、なぜITエンジニアにとってSQLが重要なのでしょうか。これには2つのポイントがあります。
まず1つ目は多くのプロジェクトで使用されているためです。個人や零細企業の公式ホームページであれば、画像や固定のテキストのみを表示するサイトも少なくないでしょう。こういったサイトは動きがないため静的なサイトとも呼ばれますが、静的なサイトであればデータベースはほとんど使用しません。
ですが、IT企業が構築しているシステム・サービスは、様々な情報を登録したり、表示する必要があります。こういったものを動的なサイトといいますが、これらはたくさんの複雑なデータを取り扱うものが多いです。
例えば、Yahoo!であれば一日に何百という記事をデータとして登録し、トップページに表示していますし、スマホゲームなどでは、ログイン機能、各ユーザーのプレイデータ、イベントの情報などあらゆるデータを扱う必要があります。
このようにシステム・サービスとデータは、切っても切れない深い関係であり、そのデータを扱うSQLの知識はエンジニアにとって必要不可欠な知識なのです。
2つ目は、システム・サービスの性能に著しい影響を及ぼす可能性があるためです。企業が扱うデータベースには、時として数万〜数千万というデータが登録されていることがあります。そのデータはいくつもの箱に分かれており、システムが使いたい情報を取得するためには複雑なSQLを必要とするケースがあります。
このような複雑なSQLには注意が必要です。SQLの実行結果が全く同一であったとしても、SQLの内容によってはパフォーマンスに大きな差がでるケースがあるからです。
そのためエンジニアは常に効率的なSQLを書く意識を持っておく必要があるのです。
入社前に最低限知っておくべきこと
そんなに重要なもののであれば、入社前にSQLの勉強をしようと思う方も多いかもしれません。ですが、いざ勉強を行おうとした時、SQLの知識は広く深いため、入社前にどこまで知っておくべきか悩まれるでしょう。
ここまでSQLと一言でいってまとめてきましたが、詳細には「DDL」「DCL」「DML」という3つに分かれます。
「DDL」は「情報の箱」を操作するもので、箱自体を作る、変更する、削除することができます。
「DCL」は「情報の箱」に対して、誰が使用できるかなどの権限操作などができます。
そして「DML」は「情報の箱」に対して、データの登録、変更、削除、検索などを行うものです。
入社前に最低限知っておくべき知識としては、この「DML」の基本的な知識であるINSERT、SELECT、UPDATE、DELETEといった構文を身に付けておくと良いでしょう。
SQLの学び方
では、実際にどうすればSQLを学べるでしょうか。
少し遠回りだと思うかもしれませんが、最も良い方法は実際に手を動かしてSQLを書き、SQLを実行することです。
もちろん書籍などで知識を付けることも大事なのですが、最終的にはSQLを書いて慣れていく必要があると感じています。
データベースというソフトウェアは使用するために金銭の支払いが必要なものもあれば、無料で使用できるものもあります。たとえばMySQLというデータベースはビジネスの場でも非常によく使用されていますが、オープンソースソフトウェアでもあるため、無料で使用することができます。
ただし、データベースの実行環境を構築するということは、少しハードが高い作業でもあるため、ここで挫折してしまう方も少なくありません。
もう少し簡単にデータベースに触れるために、以下のサイトがおすすめです。
残念ながら日本語対応が中途半端な状態となっていますが、直感的に操作できるためSQLの学習も捗るのではないでしょうか。
これからのSQL
SQLの重要性はこれまでにご紹介してきた通りですが、最近ではSQLを使用しない「NoSQL」と言われるソフトウェアも増えています。
厳密にいうと今回ご紹介したデータベースはリレーショナルデータベースと言われるものであり、あらかじめ「箱の形や性質」を定義する必要があるものでした。
NoSQLとはこういった「箱の形や性質」を定義する必要がなく非常に柔軟に扱えることと、パフォーマンスに優れているというポイントがあるため、パフォーマンスを必要とし、頻繁に箱を変更する必要があるシステムやサービスによく採用されています。皆さんがイメージしやすいものですと、スマホゲームなどがあります。
このNoSQLを扱う際に直接SQLを必要としないのですが、「SQLでこういうことをやりたい場合、NoSQLではどうすればよいか」という思考が必要となるため、最低限の知識は押さえておく必要があります。
また、現場でもリレーショナルデータベース自体が廃れているわけではなく、そのプロジェクトに求められるものを総合的に判断しリレーショナルデータベースまたはNoSQLを選択しています。
そのため、これから先の時代を生きるITエンジニアにとっても、SQLとは知っておくべき知識の1つだといえます。
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