グループ面接とは何か
就職活動で選考が進んでいくと必ずといっていいほど面接があります。面接には大きく分けて2つの種類があります。
1つは皆さんもよくご存知だと思います。面接官と志望者が1対1あるいは多対1で行われる個別面接といわれるものです。そしてもう1つが、面接官と志望者が1対多もしくは多対多で行われるグループ面接(集団面接ともいいます)といわれるものです。
どちらも同じ面接であり基本的な準備は同じなのですが、個別面接とは少し異なる対策が必要となります。そこで今回はグループ面接の攻略法をご紹介いたします。
採用者からみたグループ面接
少し古いお話になりますが、私自身も十数年前にグループ面接を経験しました。私自身はしっかり話したつもりでしたが、周囲の志望者の姿や話す内容を目の当たりにして、「これは落ちたな…」と思っていました。が、その予想に反してグループ面接を通過していました。当時は通過した理由もよく分かりませんでしたが、採用経験や社会人としての経験などを通じてなぜ、あの時私自身がグループ面接を通過できたのかという理由がわかるようになってきました。
それでは具体的なポイントをいくつか見ていきましょう。
個別面接よりも基本に忠実に
個別面接と集団面接で異なる点は、志望者がひとりなのか複数人なのかという点です。当たり前のことではありますが、実はこの点は重要なポイントです。なぜなら志望者が同じ空間に複数人いるということは、その一挙手一投足が他の志望者との比較対象になってしまうからです。
そもそも面接というわずか数分間で志望者の魅力を全て把握することなど不可能なのです。長い間一緒にいないとわからない魅力というものもあるでしょうし、人は様々な面を持っているために簡単に判断などできないからです。それでも選考に費やすことができる時間は決まっており、採用担当はその時間で最善の採用活動を行う必要があるのです。
限られた時間であっても、できるだけ多くの志望者と接して、その人の雰囲気や人柄を判断する方法として、グループ面接が採用されているのです。そのため、周囲と比較してできていない点があると、当然目立ちますし、そういった基本的な部分がなっていないとみなされ、結果的に不利になってしまうのです。面接の基本をもう一度復習し、しっかりと準備しましょう。
回答の長さを意識しよう
グループ面接では、ひとりの回答時間が限られています。厳密に「〇分まで」といったものはないのですが、個別面接よりも、より簡潔に答える必要があります。私がグループ面接に参加したとき、聞かれた質問についてしっかりと話している方がいらっしゃいました。同じ志望者といった立場で見ても、その内容は選考通過にふさわしいと思える内容でした。
ただ、その人はそれ以降の選考において姿をみる事はありませんでした。もちろんその方が選考を辞退した可能性もあるため、一概にはいえませんが、よくよく思い出してみると、その方の回答にかかる時間は長く、グループ面接の特性を意識していないものだったように思います。グループ面接では回答の内容などもさることながら、その場で必要とされる行動などに気づき、臨機応変に対応する力といった面も見られているという事は念頭に置いておきましょう。
「被り」を怖がるな!おもしろエピソード競争ではない
グループ面接で一番困ってしまうのが、回答が前の人と重複してしまうことです。
「あなたは学生時代に何を頑張りましたか?」といった質問は、よく問われるものですね。これにあなたは何と答えますか?おそらく「サークル」「バイト」「学業」と答える人が多いのではないかと思います。
よほど特殊な大学生活を送っていない限りは、皆さん同じようなものになってしまうのは避けられないでしょう。とはいえ、直前の人と回答が被ってしまうと、焦ってしまうでしょうし、別の事を言わないと選考を通過できないと思ってしまいがちです。
ですが、グループ面接とは面白エピソードを競い合うところではありません。上記の質問でいえば、「バイト」を頑張ったという回答でも、何をどのように考え、実践したかという点は全く別のものになると思います。
語弊を恐れずに言うと、面接官は頑張りの対象が何か(サークルなのかバイトなのか学業なのか)についてはあまり興味がなく、その背景にある志望者の考え方や行動にこそ興味があるのです。
自宅につくまでが面接
個人面接の場合、面接中は面接官と常に対峙しているため気を抜く暇がありません。また、面接が終了次第バラバラに解散するため、他の志望者とあまり話す機会もなく面接会場を後にすることになるでしょう。
グループ面接との違いがここにあります。まず面接中に自身の回答が終わるとどうしても気が緩んでしまいます。ですが、他の志望者の回答に興味が無い素振りを見せると選考の通過は難しくなるでしょう。
また、グループ面接が終了すると不思議と志望者間で一体感が生まれ、待合室などで会話が逸れた方向に盛り上がってしまうこともあります。ですが、少なくとも面接会場の建物を出るまで、可能であれば自宅につくまでは選考が続いているという気持ちで行動しましょう。
就活生というのはとても目立ちます。実はその企業の担当者が同じ電車で…というのは割とよく聞く話です。その数十分〜数時間の行動があなたの人生の岐路となる可能性があることは忘れてはいけません。
まとめ
今回はグループ面接の攻略法をご紹介しました。グループ面接であれ個別面接であれ、面接という意味では同じものですが対策は少し異なってきます。
特に複数人の志望者がいる場合は、「目立てばよい」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、面接官の視点はそこではありません。もし、グループ面接の予定がある方は、今回ご説明したようなポイントを意識して臨むことをおすすめします。
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