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IT系の資格はどこまで取った方がよいの?

序文

「資格ってとった方がいいのか?」だれもが1度は気にしたことがあるのではないでしょうか。中学生のときに英語検定や漢字検定を取って内申を上げるという行為に励んだ方も多いでしょう。

今回は、IT系の資格について、いつ、何をとった方がよいのか。IT系資格を保有することのメリットについて、お話しいたします。今回はIT系の資格の中で、最もメジャーな国家資格を取り上げます。情報処理推進機構(IPA)が設けている資格群です。

いくつも種類がありますので、ここでは簡単に特徴、位置づけを紹介しつつ、就活生に資格とどう付き合っていったらいいのかのイメージをもっていただければと思います。

IT系の資格にはどのようなものがあるの?

Oracle社が設けている「オラクルマスター」だったり、Windows Officeの検定だったり、IT系にもさまざまな資格が存在します。先述の通り、今回は、IPAが実施する国家資格をご紹介。詳しい説明や、全体像はIPA公式HPをご参照ください。

正しい紹介は公式HPにお任せして、以下では、厳密な定義ではなく、得られる知識やメリットについて触れながら説明いたします。

1.基本情報技術者試験

「基本」とついているだけあって、基本的なITに関する知識を網羅した試験です。ビット演算、ハードウェアの名称や役割、アルゴリズムに対する理解など。浅く広く全体的な知識が得られます。

試験は午前と午後にわかれていて、上記の知識系問題が午前。午後は、アルゴリズムを解くような問題(通称、午後問題)が用意されています。いくつか問題があって、自分が解けそうな問題を選択して解くことができます。

午後問題は、たとえば、「図1は、学生の名前から現在住所と、出身地のデータをまとめて出力するプログラムである。空欄に穴埋めせよ」のようなものです。プログラミング経験があるほうが有利ではありますが、未経験でも解ける配慮はされています。

2.応用情報技術者試験

こちらも、午前と午後にわかれています。「応用」とついているので身構えてしまいますが、午前の知識系問題は、基本情報技術者試験と大きく変わりはありません。ITの全体的な知識を網羅します。手応えとして、やや難しさを覚えた記憶はありますが、ほとんどおさらいです。

午後問題は面白いです。問題をいくつか選択して解くのですが、データベースやネットワークなど専門的な知識を使って、解きます。実際の仕事で携わるような体験が得られるのです。たとえば、「PC(a)のIPアドレスを答えよ」とか「SQL文にある空欄を埋めよ」など。

知識だけでは受かりません。まさに「応用力」が試される試験です。午後問題を解くことで、やや実践的な考え方が身につきます。

3.高度で専門的な資格試験(高度試験)

応用情報技術者試験までは、ITの全体的な知識を試されましたが、専門性のある資格試験もあります。

  • ITストラテジスト試験
  • システムアーキテクト試験
  • プロジェクトマネージャ試験
  • ネットワークスペシャリスト試験
  • データベーススペシャリスト試験
  • エンベデッドシステムスペシャリスト試験
  • 情報セキュリティスペシャリスト試験
  • ITサービスマネージャ試験
  • システム監査技術者試験

これらも、一応、実務経験はなくても合格することは可能ですが、どうしてもスキルが求められるので、不利にはなります。

逆に言えば、業務遂行の練習になるともいえます。

たとえば、データベーススペシャリスト試験では、ER図というものを書く問題が出題されます。ER図とは、データベース設計の元となるものです。現実では、システム化する対象の何をデータとするのか。また、どのようにデータベースに情報を整理して格納するのかを考えることがあります。

ER図は、対象のデータを明らかにする役割が大きいです。

このように、試験勉強を通して、実践的体験を積めるのが、高度試験の特徴だと考えています。

結局、資格は取ったほうがいいの?

IT系資格に関しては、取ったほうがよいと私は考えています。

特に、応用情報技術者試験以降は、より実践的なスキルまで身につくチャンスがあります。よく「資格があっても意味がない」と聞くことがあると思いますが、それは、理論と実践でいう、理論によりすぎている資格のことをいっているはずです。

ことIT系資格に関しては、これまでみてきたように、実践的なスキルを試されるように設計されている部分があります。なので、高度試験の資格を持っているのであれば、それは業務ができるとみなして差し支えないのです。

仮に合格できなくても、勉強したことは糧になります。あるいは、どんな仕事をするのかという具体的な業務イメージをもつために勉強してみるという使い方もありです。

各資格の取得推奨時期

学生のうちにとった方がよいのか。就職してからだと遅いのか。気になる方もいると思います。

基本情報技術者、応用情報技術者試験については、もっていて損はないので、ITを志している学生さんはぜひ目指してみてください。

ちょっと出遅れたと感じている方は、基本情報技術者を飛ばして、いきなり応用を受けるのも手です。実際に社会人1年目で応用をいきなり受験して合格している人もいます。

高度試験については、自分の道が定まってからでも遅くはありません。もちろん、先ほど述べた通り、逆にお試しで早くから勉強してみるということもよいと思います。ただし、学業や業務に差し支えのでるような勉強の仕方ですと、本末転倒です。優先順位は間違えないようにしましょう。

まとめ

今回は、IT系の資格試験について、各種国家資格の簡単な紹介、位置づけから取得時期まで、意見を混じつつ述べてきました。

補足ですが、スーパーエンジニアを目指しているような方は、座学でなくプログラミングを実践することの方を推奨しますし、デザイナーになりたい方は、作品をつくりためることの方を推奨します。

いずれITコンサルタントを目指す方は、全般的に知識があった方が好ましいので、受けておきましょう。

資格も目的次第です。どのような人でも、保有している方がよい、と思われがちですが、自分が今、希望している道があるのであれば、よりその道に直結した時間の使い方を選択していただければと思います。

今のところ特に無いのであれば、やってみないとわからないことも多いので、勉強・受験をしてみてください。

なんとなく受けた方がよさそうという思いから受けても得られることはあるのでよいですが、この機に目的を再考しておくと、面接官に問われたときにもしっかりした受け答えになるでしょう。

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