「年収1,000万円」
みなさんの周りには、プログラマーとしてどのぐらいこの額を稼いでいる人がいますか?
また、プログラマーが年収1,000万円を勝ち取るためには、どのようにするのが良い方法なのか知っていますか?
ひとえにプログラマーと言っても経験や会社、スキルなどによって収入の差があることは容易に考えることが出来ると思いますが、実は他にも多くの要素が存在します。
この記事では、プログラマーとして年収1,000万円を越えるために必ず意識して欲しいポイントを5つご紹介します。
特に、就活生などや駆け出しプログラマーの方向けに記事を記載しましたので、将来大きく稼ぎたいと思う方は、これらのポイントを意識して仕事に従事してみて下さい。
①トッププログラマー(スペシャリスト)を目指す
大手企業、もしくはある程度利益がある会社に属している前提となってしまいますが、所属企業のトッププログラマーになることができれば、年収1,000万円を越えることが可能です。
スペシャリストになるのは簡単ではございませんが、学習意欲が高く、また純粋にプログラミングを楽しいと思える方は是非目指してみるべきです。
では、詳しく見ていきます。
ゼネラリストとスペシャリスト
ご存知の方も多いと思いますが、スペシャリストとゼネラリストの違いについて簡単にご説明させて頂きます。
まずゼネラリストとは幅広い知識やスキル、経験を活かして仕事ができる人のことを指し、会社側からすると比較的色々な業務を任せることができる柔軟な人材です。
それに対してスペシャリストとは、特定領域に特化して高い専門性を持って仕事ができる人のことを指し、会社側からするとその人が居ないと特定分野に関しては業務が進まない可能性も出てくるという人材です。
高度経済成長期やバブル期までは、数としての労働力や柔軟性が重視されていたためゼネラリストの価値が高い傾向にありましたが、時代が大きく変わり、近年では高度な知識やスキルを求める会社が増えたことで、スペシャリストの価値が大きく高まりました。
具体的には終身雇用制度の崩壊で転職市場が活発化し、「自社でスペシャリストを育成する」よりも「高い報酬を提示して優秀なプログラマーを採用する」という企業の動きが盛んになってきているため、専門性の高いトッププログラマーにとって稼ぎやすい環境となっています。
トッププログラマーになる方法
では、トッププログラマーになるにはどうすれば良いのでしょうか。
拍子抜けしてしまうかもしれませんが、答えは至ってシンプルで「学び続ける」ことです。
もしあなたが本気でトッププログラマーを目指すなら、与えられた仕事を100点の完成度でこなすだけでは厳しいです。
なぜなら100点で卒なく仕事をこなす人間は山ほどいるからです。
もしかしたら120点の完成度でも厳しいかもしれません。
大変ですが
「仕事を完璧にこなし、なおかつプライベートでも勉強すること」
この一言に尽きます。
私の周りの優秀なプログラマーは、私生活でも情報のキャッチアップや勉強を必ず行っています。
というよりも、むしろプログラミングが趣味化しているため「頑張って勉強している」という意識はなく、「気づいたらプログラミングに触れている」と言った方が正しいかもしれません。
「プログラミングを趣味化して、プライベートの時間も学べるかどうか」
これができる人とできない人の差は非常に大きく感じます。
トッププログラマーの注意点
ここまでトッププログラマーの良い点ばかりを述べてきましたが、気をつけなければならないこともあります。
それは、一つの言語しかできないと時代遅れになって需要が減ってしまうという点です。
IT技術の移り変わりは特に激しいため、トッププログラマーになれたからと言って一生安泰な訳ではありません。
むしろ仕事が忙しくなって他の言語の習得を疎かにしてしまう傾向が強いため、気づいた時には保有するスキルの市場価値が大幅に下がっていたという事象も大いに有り得ることなのです。
未知の分野に対しても、学習意欲が強いトッププログラマーが最強だと言えそうです。
②複数の言語を習得する
周りに優秀なプログラマーが多く、どうしてもトップになれそうもない方は、専門性の深さではなく専門領域の幅を広げましょう。
他言語を習得することで差別化を図ることができます。
複数の言語を習得するメリット
プログラミング言語は世の中に大量に存在し、それぞれに特徴と得意な領域があります。
ハードウェアやOSの開発をするならC系言語、Webアプリケーション開発ならRubyやPHPといった具合です。
そしてこれらを知れば知るほど、業務に応じてどの言語を使用するのが一番効率が良いかを選択できるようになり、より要件に沿ったシステム開発を行うことができるようになります。
また言語によって異なった手法を勉強する必要があり、結果的にプログラミング全体の知識を向上することにも繋がります。
一般的に、年収が高いプログラマーは複数の言語を扱える場合がほとんどです。
複数言語を習得して汎用性が高い人材になり、自分の市場価値を高めていきましょう。
他言語を効率的に習得する方法
既に1つ以上の言語を扱えるプログラマーが他言語を習得する際のおすすめ方法は以下の3ステップとなります。
①言語の全体像を捉える
「その言語はどういうものを作るのに向いているのか」
「どういう処理ができるのか」
まずはこのような全体像を把握することが重要です。
具体的な方法としては、入門書を1冊買ってきて流し読みすることをおすすめします。
どの本を買えば良いか迷った時は、アマゾンで評価が高いものを購入すれば間違いありません。
途中分からない部分があっても、そのまま読み飛ばして構いません。
最後まで読み進めると、自分が扱える言語との記述方法や考え方の違いが理解できると思います。
②簡単なものを作ってみる
なんとなくでも、全体を把握できたところで早速コードを書いて開発していきましょう。
いざ0から開発するとなると、恐らく何回も何回も本を読み返しながら作業する必要があるため大変ですが、ここは我慢です。
この段階では、とにかく動くものが作れればいいので、実務で使えるほどの高度なテクニックを織り交ぜる必要はありません。
その言語を使って簡単なものは開発できるレベルで十分です。
③作りたいものを作る
基礎がある程度理解できたところで、自分が作ってみたい制作物を作ってみましょう。
①、②と順調にこなせることができても、この段階で挫折する人は非常に多いです。
ここでのポイントは①で把握した全体像を元に、その言語が向いていそうな制作物を作成することです。
そのような制作物は、過去に同じような物を作った方が多数おり、本に情報が乗ってなくてもインターネット上で情報が拾いやすくなるためです。
情報が多いとモチベーション維持にも繋がり、挫折率を下げる効果が見込めます。
試行錯誤して完成させることで、その言語の応用的な使い方も身につけることができ、ここまできてやっと「この言語も使えます」と言えるレベルです。
積極的に習得するべき言語
人材会社ビズリーチ社が2018年6月30日に実施した調査の、年収中央値と最大提示年収を元におすすめの言語を3つご紹介します。
1位 Go
Googleが開発した言語で、近年非常に流行しています。
Webサーバー構築やスマホアプリ開発など、用途は広範囲に渡ります。
年収中央値が600万円、最大提示年収が1,600万円という調査結果でした。
2位 Scala
かの有名なTwitterやLinkedinでも使われている言語です。
Scalaを扱えるプログラマーはまだまだ少ないため、学習するなら今がチャンスと言えますが、難易度が少し高めです。
年収中央値がGo言語と同じ600万円、最大提示年収が1,300万円という調査結果でした。
3位 Python
Pythonは人口知能やビッグデータの解析、IoTソフトの開発現場でよく使われるプログラミング言語です。
同調査によると前述のGoやScalaと比べ、求人数が数倍多いのも特徴です。
年収中央値が575万円、最大提示年収が1,499万円という調査結果でした。
あくまでも稼ぎやすやに着目しての紹介ですので既に進みたい分野や、やりたいことが決まっている方はこの限りではありません。
一つの参考にしてみて下さい。
③プログラミング以外のスキルを身につける
プログラマーが年収1,000万越えを達成する条件は、なにもプログラミングスキルの高さだけではありません。
この章からは、プログラミングスキルを高める以外で年収を上げる方法をご紹介します。
マネジメント能力
ある程度のプログラミング知識やスキルは必要ですが、マネジメントできる能力も身につけると年収を上げることが可能です。
特に年齢を重ねた方に対し、会社が求めることは「コードを書いて割り当てられた開発を滞りなく進行させる」ということから「部下をマネジメントしてチームとして納期通りプロジェクトを進める」ということへ変化していきます。
スキル的には一流のプログラマーと言われる人も、実はコミュニケーションが苦手であったり、組織のマネジメントをやりたがらない人も多いのがこの業界のため、ある程度のプログラミングスキルとマネジメント能力を兼ね備えた人材は希少価値のある人材と言えます。
コミュニケーション能力
「プログラマーにコミュニケーション能力は必要ない」との意見も多数ありますが、個人的にはプログラマーこそ高度なコミュニケーション能力が必要だと位置づけています。
なぜならば、プログラミングのことが全く分からないクライアントや営業からの要望を正確に受け止めたり、自分が制作した開発物の構造や仕組みなどを分かりやすく説明することが求められるからです。
どんなにプログラミングスキルが高くても、相手からの要望をきちんと理解できないと、無駄な開発を行う羽目になりロスが生じてしまいます。
それだけではなく、相手から「話を聞いていない人」という印象を持たれる可能性があり、人間関係の面でもマイナスになり得ます。
その半面、相手の要望を的確にヒアリングできれば、そこにプログラマーならではの意見を織り交ぜることでより良いサービスが生まれやすくなります。
そうすることで、クライアント・営業・会社の3方からの評価が上がり、出世のしやすさにも大きく影響すると言えるでしょう。
営業力
上述したコミュニケーション能力の応用です。
余談ですが私はプログラマーになる前、営業職を5年経験しています。
転職活動の面接時、必ずと言っていいほど企業の役員クラスから言われたのが「営業もできるプログラマーは貴重である」ということでした。
自分が開発したサービスを売るのですから、そのサービスについて営業より詳しいのは当然ですし、より詳しい説明をクライアントにすることができます。
なかなか難しいかもしれませんが、クライアント先で営業の手助けができるプログラマーは会社からすると貴重な人材ですし、前述した私の経験から、他の企業からも引っ張りだこになる可能性が総じて高いと思います。
自己アピール次第では、かなり高額な価格提示のオファーが貰えるかもしれません。
④情報発信を習慣化する
意外かもしれませんが、プログラマーとして年収1,000万円を越えるには、情報発信は最重要項目と位置づけて良いと思います。
この章では、情報発信のメリットや主なツールをご紹介します。
簡単に始められるものばかりなので、気になるものがあれば早速試して見て下さい。
情報発信するメリット
いきなりですが、会社に所属するプログラマーの年収が一番上がるタイミングをご存知でしょうか?
よく考えられているのが以下の3つのタイミングです。
「出世する時」
「他の言語を習得した時」
「大型のプロジェクトを達成した時」
残念ながら、全て間違いです。
正解は「転職する時」です。
(※一般的な話なので全て当てはまる訳ではありません)
高い報酬を出してでも、優秀なエンジニアを採用したいと考える企業は数えきれないほど存在し、そういった企業に転職することで大幅な年収増加が見込めるのです。
情報発信、特に技術に関する情報発信をすることで、転職する際に採用側に保有スキルを把握してもらいやすくなり、またプログラミングに関して積極的に学ぶ意欲がある人だという印象を与えることができるため、転職活動を優位に進めることができます。
さらに近年ではツイッター採用(ツイッターで求人の募集をかけて採用活動をすること)という文化も根付きつつあり、こういう点でもSNSで情報発信するメリットの大きさが理解できるかと思います。
実際にツイッターで#hiyokonitsudukeというハッシュタグで検索してみて下さい。
求人情報やプログラマーへ転職したい方の投稿が沢山出てくるかと思います。
またブログなどでの情報発信を続けることで、副業としてアフィリエイト収益も得られることができます。
プログラミング関連のアフィリエイトは単価が高額な案件が多いため、稼ぎやすいジャンルであることも魅力の一つです。
情報発信するツール
エンジニアの情報発信でおすすめしたいツールは3つあります。
①SNS(ツイッターやFacebookなど)
前述した通り、SNSでの情報発信は非常に有効です。
私の周りにも、採用担当からオファーのDMが送られてきたり、仕事の依頼が入ったりする人が実際にいます。
無料で簡単に始められるので、情報発信を何のツールで行うか迷っている方は、まずはSNSから始めて見るのがいいでしょう。
②ブログ
SNSよりは難易度も上がり、場合によっては1~2万円の初期投資が必要ですが、文章を書くのが好きな方にはこちらをおすすめします。
ブログのアクセス数を増やすことができれば、それに比例してアフィリエイト収益も増加させることができ、中には本業以上に稼げるようになったという人もいます。
スキルがあれば職に溢れることはないと言われているエンジニア業界ですが、この先状況が一変する可能性もゼロではないので、収入源の分散化はするに越したことはありません。
③qiita
qiita(キータと読みます)は、プログラマーの技術情報共有サービスです。
現役プログラマーや技術者が備忘録や共有目的で難しかったことや、つまづきやすいポイントなどを投稿しており、誰でも無料で閲覧することができます。
ブログのようにデザインなどのカスタマイズ性はありませんが、投稿も閲覧もプログラミングの情報発信に特化した作りとなっております。
グーグルなどで技術情報を検索すると、qiitaがトップに表示されている場合がほとんどなので、他の方の目に付きやすいことも特徴です。
qiitaで質の高い投稿をすることは、技術レベルが高いという証明になりますので、面接時などに積極的にアピールするべきでしょう。
⑤フリーランスを目指す
会社に所属する場合は転職時が年収を一番伸ばせるタイミングとお伝えしましたが、独立してフリーランスになるという方法でも大幅な年収増加が見込めます。
フリーランスになるメリット
フリーランスになるメリットは主に3つだと考えています。
①収入を増やせる
アナウンサーがフリーになった途端に収入が倍以上になることもあるように、プログラマーもフリーランスになることで収入が倍近くになるケースも多々あります。
その理由は受注した案件の報酬を100%自分が受け取れるようになるためです。
もしあなたが毎月100万円の案件をこなしていたとしても、会社に属している場合の給料はせいぜい高くても60~70万円ほどでしょう。
「独立したら継続的に案件を獲得できるか不安」という方は非常に多いですが、プログラマーは売り手市場であることと、フリープログラマー向けの人材エージェントサービスが活性化していることなどから、そこまで高いスキルを保有していなくても案件は受注できると考えるのが賢明です。
仮に独立して失敗したとしても、転職の受け入れ先は豊富にある状況なのでまた会社員に戻れば良いだけです。
また同じ会社で働き続けると、そこで使うスキルしか身につきませんが、フリーランスになって興味がある案件に参画することで新たなスキル習得に繋がり、さらなる年収増加が見えてきます。
②仕事を選ぶことができる
自分のポリシーや得手不得手、将来性などを考慮し、自分の軸で仕事を選んで稼ぐことができます。
嫌な仕事もやらなければならない会社員と違い、モチベーションも維持できることから学習意欲も高まり、スキルの定着もしやすいです。
逆に本当にお金を稼ぐことのみにフォーカスする場合、自分が対応可能な高額案件のみを狙っていくという方法も取ることができ、最短で年収1,000万円越えを狙うならこっちの方法を取るべきでしょう。
しかし将来も安定して稼げる人材になるには、新しいスキルを身につけなければならないため、あまりにも目先の利益にとらわれるのは得策ではありません。
稼げる案件と新しいスキルが身につく案件を区別し、両方バランスよく捌くのが理想的です。
③働く場所や時間を選べる
場所や時間が自由になることで、幸福度は一気に向上します。
効率よく仕事をする上で、集中できる環境に身を置くことは欠かせません
集中できるのはカフェなのか自宅なのか、ベストな作業時間帯は朝なのか夜なのかなど、自分の意思で自由に選択することができます。
フリーランスになるタイミング
最後にフリーランスになるタイミングについてのお話しをしたいと思います。
結論から申しますと「正社員で最低1〜2年間実務経験を積んだ後」がベストだと感じます。
第一に、実務経験が1年未満だとスキル不足である状態の人が多く、独立しても満足がいく案件を受注できる可能性が低いです。
逆に1年間の実務経験さえあれば、プログラマーの人材が不足している日本に置いて案件を見つけることにさほど苦労はしないでしょう。
仕事を依頼する企業側から見て、「実務経験1年以上」という経歴は、安心して仕事を発注できる一つの目安となっていると思っていいかと思います。
では、正社員として実務経験が5年・10年積んでから独立するのは良くないのかと言われると、そうではありません。
スキルも十分身についているので、案件も容易に獲得できるはずです。
しかし、長く正社員を続けると会社の重要なポジションに就くケースが多く、独立しづらくなるということは頭に入れておいて下さい。
いずれ独立することを決めているのであれば、人脈形成などの観点においても独立するタイミングは早ければ早いほど良いというのが私の見解です。
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まとめ
ここまで、プログラマーが年収1,000万円越えを目指すために意識すべき点についてご紹介しましたが、ポイントは以下の5つとなります。
・トッププログラマーを目指す
・複数言語を習得する
・プログラミング以外のスキルを身につける
・情報発信を習慣化する
・フリーランスを目指す
何となくでも将来稼げるイメージが付いて頂ければ幸いです。
まずは自分にはどんな市場価値があり、どんな求人があるのかを知ってから、具体的な手段を決めることをおすすめします。
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