就職活動の本格化に伴い、スーツを着て企業の説明会に参加してきたという人も徐々に増えてきているのではないでしょうか。ただ、企業説明会に参加する上でどうしても気になってしまうのが交通費やかかる時間、そして参加する手間です。業界によっては説明会や選考でも私服OKという所もありますが、1日の予定の中にそうではない企業が一社でも混じってしまうと、その1日はスーツを着て過ごさなければいけません。
また、首都圏でも企業の本社の場所は点在しており、どれだけ近くに住居があっても電車移動による交通費は重くのしかかってきます。地方から就活のために上京している方ならなおさらです。
最も深刻なのは、昨今のインターンシップの流行により、業界全体のビジネスモデルや会社の概要といった基礎的な話を3月以降改めて直接聞きに行くメリットが薄くなっていることでしょう。とはいえ、選考に進むためには説明会参加が必須であるケースもまだまだ多く、説明会との距離の取り方は深刻な問題です。
そこで今回は「なるべく効率的に就職活動を進める」「エンジニア職の内定を最短で獲得する」という視点から、企業説明会に参加せずに選考を進めていく方法についてまとめていきます。
説明会で得られるメリットが他で代用できればOK
選考上必須であれば仕方ありませんが、実は就活における説明会がはたす役割は意外にも他の手段で埋め合わせることが可能なのです。説明会参加にかけていたコストを見直せると、かなり就職活動に余裕ができるのではないでしょうか。改めて企業が開催する説明会に参加する目的と得られる情報とメリットについて整理します。
【企業の説明会】
(参加することで得られる情報)
・企業の沿革/理念
・企業のビジネスモデル
・社員の働き方や仕事のやりがい
・今後の選考についての情報
(参加するメリット)
・全くその企業の情報を知らない段階からでも参加できる
・座学ではあるが、丁寧に社員の方から説明してもらえる
・その場で質問をすることもできる
もちろん企業によって内容は異なる、というのは前提としますが、一般的な企業説明会については概ねこのような感じですね。
上述の通り、ここで得られる情報やメリットを代わりに得る手段があり、なおかつ選考において必須ではない場合、説明会に参加しないという選択肢もとることが可能になります。なるべく説明会に参加しない最大の利点は時間を有効に使えることです。特に3月~6月は非常に多くの企業が初期選考を行う激戦区。どの企業にどれだけ時間を割いて仕事研究をするかという部分はとても重要です。
取捨選択のために説明会に参加するのはエンジニア職の就活では一長一短
企業説明会に参加した方がいい、という意見の中には「オフィスに行くことで会社の雰囲気を知ることができる。話を聞いてイマイチだと思ったら選考へ進むのをやめればいい」という主張もあります。もちろん通常の就職活動においては非常に有用な考え方ですし、実際に働く場所の雰囲気が気になるという方もいるでしょう。
ですが結論から言うと、就活でエンジニア職を目指していく上ではあまり優先度は高くありません。まずオフィスを訪問するタイミングは必ずしも説明会だけではないことが一つ。より重要なのが、エンジニア志望者にとって必要な情報が手に入るとは限らない、そして企業選択はある程度事前にわかる情報で絞り込みができている場合が多いという部分です。
エンジニア志望者、とりわけ多少のプログラミング経験がある方にとって重要なのは開発環境や周囲のエンジニアの雰囲気、使用言語と使用可能ツールといった実務寄りの情報です。エンジニア職のみを採用している企業の場合は現役のエンジニアが出てきてこの辺りの疑問を解決してくれる場合があります。その場合は参加する意義も多いのですが、総合職とエンジニア職を同時募集しているような企業の場合、基本的な説明会の流れは総合職志望の学生に合わせて構成されていることが多いです。
あるいは未経験からエンジニア職を目指す場合、研修環境等が気になると思います。しかしこれも、採用担当者からの一義的な説明よりは、実際に未経験で入社した人とコンタクトをとり、研修を経てどのような業務につくことができているのか、という部分を詳しく聞く方が有用な可能性はあります。未経験者を多く採用している企業はこの辺りの配慮がなされている場合もありますが、業務に関するイメージが湧き、それを志望動機に昇華できるのであれば必ずしも説明会というスタイルを経由する必要はありません。
かたくなに参加しないことを主張するほどではありませんが、何か代わりの方法が見つかるのであれば、無駄な消耗を避けられる可能性は大きく眠っています。
合同企業説明会はエンジニア職に絞るのであれば無駄足になる可能性大
3月~4月にかけては、企業の個別説明会の他にも就職情報会社が主催する合同企業説明会が開催されることが多いです。3月に大型のものが開催されるイメージが強いですが、実は中規模の会場で4月以降も定期的に開催されています。
就活をはじめたらまず合説へ行くべきだ、というような言説もありますが、ことエンジニア職を目指す、あるいはIT系企業を視野にいれているという場合は参加するメリットが極端に低くなるためあまりお薦めできません。
それは言わずもがな、合同企業説明会の最大のメリットが「業種・職種を問わず一日で様々な企業を訪問できる」ことだからです。これは、全く何の準備も出来ていない就職活動初期段階や、ある程度自己分析が進み、軸がうっすらと見えてきた段階でそれをより強固にするのに効果的です。また、総合職志望者にとっては様々な働き方に触れることのできる良い機会でもあります。ところが、IT系企業志望者の場合、業界研究を進めていく過程でなりたいエンジニア像が比較的固まってくることが多いです。
その段階まで来てしまうと、志望するITとのかかわり方に関連する職種や企業の情報をピンポイントで取得した方が良いということになるため、数十社のうち数社しかIT系(エンジニア系)の企業が出展していないという状況も考えられる合同企業説明会は総合的に無駄の多いイベントとなってしまいます。特に4月以降は合説に参加することでプレゼントや金券がもらえることもありますが、どう考えても時間の方が貴重ですので、ある程度志望を固めた方は企業研究にシフトした方が得策です。
積極的に繋がりを作れるタイプの人なら社員訪問を取り付けにいくのも有効
あえて説明会に参加しに行く大きな目的を考えるとすると、その企業の社員の方とのつながりを作る(その後OB訪問に繋げる)、社員の方と直接会話できるタイミングを有効活用する、といったものがあげられます。
説明会は「選考の一行程だから」という理由で思考することなく参加するのが一番マズいです。その先にひかえているのはあくまで選考、つまり自己分析の結果と企業研究の成果、これらを万全な状態で自己PRや志望動機に昇華させたうえで面接に臨む、その前準備だと捉える必要があります。
企業を志望する上で最も重要なのは、具体的にどのように働いていきたいのか、どのように企業に貢献できるのか。これは単に採用ホームページを眺めるだけではイメージできず、自分で立てた仮説を実際に働いている方にぶつけ、修正したうえで志望動機に組み込むという流れが必要です。
この後にも解説していますが、具体的にはOB訪問等を活用することになります。しかし、都合よくその志望企業に勤めるOBの知り合いがいる、ということばかりではないでしょう。そこで説明会が終了した後人事の方に「より詳しく御社のことを知りたいので、社員訪問の機会を設けていただくことは可能でしょうか」と交渉してみましょう。ここまで突っ込んだことが出来る人であれば、説明会を有効活用できるといえるでしょう。
説明会をスキップする3つの方法
では具体的に、説明会参加をうまくスキップしながら企業研究を進め内定をもらう方法を解説していきます。具体的には以下の三つです。
・OB訪問等を活用する
・WEB説明会や選考一体型を活用する
・別ルートで選考に参加する
それぞれ順に解説していきますね。
OB訪問等を活用する
まずはOB訪問の活用です。特に技術を追及するエキスパートタイプのエンジニアを目指したい方はできれば採用後配属見込みの現場で働くエンジニアと話す機会を何とかして取り付けた方が良いでしょう。近い年代に大学のOBが在籍していないということも考えられ、多少ハードルは高いです。しかし、現場での実際の仕事等について直接確認することで、あなたの志望動機は飛躍的に現実味を増します。つまり選考通過や内々定に大きく近づきます。
説明会では得られない深い現場の状況まで触れることができればベターですね。これであれば、説明会に参加せずとも非常に説得力のある志望動機を構築することができます。もちろん、説明会で教えてもらえるような基礎的な会社情報についてはおさえてあるという前提です。志望度がとても高いIT系企業がある場合は真っ先に検討しても良い方法ですね。
WEB説明会や選考一体型を活用する
続いて、WEB説明会や選考一体型の説明会(一次面接が同時開催されるようなもの)を活用する方法です。説明会に参加しない方法なのになぜ説明会の話を、と思った方もいるかもしれません。基本に立ち返ると「説明会に参加することで得られるメリットや参加するためにかかるコストを代替できる手段」が見つかれば良いというのが趣旨です。
そこで、WEB説明会を導入している企業を探すのは非常に理にかなっています。WEB説明会は通常の会社説明会同様、日時が指定されているものだけではなく、エントリー後にアーカイブが視聴可能なURLが送付されてきて、一度目を通しておくように言われるものもあります。何よりも、通常の説明会同様、そこに参加したという履歴はきちんと記録されるため、場所(あるいは時間)を選ばずに情報を得ることができます。
参加のためのコストである移動時間やお金、そしてスーツを着用する手間をカットできる点で非常に有用です。アーカイブタイプの場合はかいつまんで視聴したり繰り返し視聴したりできる点も良いですね。ただし、全ての企業が対応しているわけではありません。志望度の高い企業が導入していたらラッキー、という心持ちでいると良いかと思います。
選考一体型は、こういった呼び名が確立されているわけではありません。しかし、説明会参加と同時に一次面接を行うというスタイルには比較的なじみがある方も多いのではないでしょうか。このタイプの説明会を行っている企業は実質的に説明会参加が必須だといえます。その場合は説明会と一次選考で二度足を運ばなければならない所を一度に圧縮できている、という点でお得ですね。
もちろん、あくまで就活を進めていく上での副次的な話なので「選考一体型の説明会をしているから選考を受ける」というのでは因果が逆転してしまっています。興味を持ってエントリーしていた企業がこういった形の説明会を実施していたらうまく利用しよう、という主旨で捉えてください。
別ルートで選考に参加する
別ルート、というと裏口入学のような雰囲気を感じますが、決してイリーガルなものではありません。自由応募だけではなく、就職エージェント経由での応募だと圧倒的に時間効率が上がる場合がある、という話です。
就職エージェントについて良く知らない方のために、企業から内定をもらうまでの流れをおさらいしておきましょう。
・エントリー
・会社説明会(個別/合同)
・エントリーシート提出
・筆記試験
・一次面接
・二次面接
・最終面接
・内々定
これは一般的な就職活動におけるエントリーから内定を獲得するまでの流れを順番にな食べたものです。概ね上から順番に進行していくわけですが、実はこれらを実施していくだけが就活の進め方ではないのです。
上にあげたエントリーから内々定獲得までの流れは全て自由応募というスタイルで、応募からその応募した求人管理までを全て自分で管理していく場合の進め方になります。それ以外の方法として就職エージェントに相談しながら応募する方法というものがあります。
エージェント経由の応募は選考フィードバックが便利
就職エージェントとはいわゆる就活のプロで、あなたの就活の進め方を1対1でサポートしながら企業への応募等の代行をしてくれる職業です。利用はナビサイトと同じく何度相談しても無料とお得ですね。
ポイントはサポートを受けられることだけではありません。あなたが応募できる求人はそのすべてがサイトに掲載されているわけではなく、いわゆる非公開求人という状態の求人もあります。これに応募できるのはエージェント経由で申し込んだ場合のみです。
エージェント経由での応募は書類通貨の後即面接となるケースも多く、選考の行程が圧縮されていて便利です。仮に説明会がある場合も少数での開催となるため、比較的ざっくばらんに質問等にも答えてもらえます。自由応募で説明会に参加するよりも実り多い時間にしやすい環境ですね。
就職エージェントが面談をした上で本人の志向性に合致していると思った場合、本人同意の上で申し込みをします。エージェント経由での応募の利点を以下まとめてみたので参考にしてみてください。
【エージェント応募のメリット】
・非公開求人への応募が可能
・説明会をスキップし、いきなり選考に進める場合がある
・選考ごとにエージェントが対策をしてくれる
・通常は受けることのできない、本番の面接におけるフィードバックがもらえる
特に注目すべきは一番下の選考フィードバックがもらえる点です。また、フィードバックだけでなく、次回の面接対策もかなり突っ込んだ内容で実施してくれます。具体的には、二次面接の前に面接官の特徴や人柄、聞かれやすい質問を教えてくれることがあります。そこまでしていいのか、と思うほど親身に教えてくれますし、面接が終了し結果が返ってきた場合、担当者からのコメントと共にフィードバックを受けることができます。
これは一人で就職活動を進めていく上ではほとんどあり得ない状況であり、就職活動の中で自己を振り返り次につなげていくサイクルを回す上での大きな推進力になってくれます。大量エントリーから大量の初期選考に応募、という就活をしたくない効率重視の方こそ、是非自由応募と並行して活用してみてください。
様々な方法で効率よくIT企業への内定を目指そう!
なるべく説明会に参加する時間を削り、その分効率よく就職活動を進める、というテーマでいくつかの選択肢を解説しました。あくまでメリットとコストの両者を天秤にかけた上での話ですし「面倒だから説明会に参加しないし特に他の行動もしない」という状況は良くありません。自分のおかれた状況を鑑みながら、是非なるべく効率的に就活を進めていくヒントにしてみてはいかがでしょうか。
今すぐ、IT専門の採用エージェントに相談しよう
エンジニア就活には、IT業界・SEに強いエージェントがいます。彼らに話を聞いてもらうことで、自分が何をやりたいのか、自分が大切にしているのが何なのか、就活するうえでの軸が見えてきます。さらに、各人に合った未公開の求人情報も紹介してもらえるので、まずは気軽に相談してみましょう。会員登録や相談・セミナーなど、すべて無料で活用できます。