就職先選定において欠かせないインターンシップへの参加ですが、実施期間以外に、給与についても様々なケースがあるようです。そこで、インターンシップの給与相場を見てみましょう。
1日完結型の短期インターンシップの場合
まず1日完結型の場合は、無給の場合が殆どです。交通費も出るところ出ないところがあるようです。無給になる理由は、その内容にあります。
1日完結型のインターンシップは、実際に戦力として、何か会社の利益になるようなことに取り組む、というタイプではなく、企業の紹介や職種への理解が目的となっている、いわばセミナーに近いものが多いためです。実際に、手や頭を動かす場面があったとしても、シミュレーションやロールプレイ程度に留まるため、そこで生まれたものが直接会社に貢献するというようなことは、基本的に無さそうです。
1ヶ月以内の短期インターンシップの場合
次に1カ月以内のインターンシップですが、ここが一番、実施企業や内容のバリエーションが豊富です。期間も2日程度~20日などと様々で、かつ給料の相場も内容に応じて変わってきます。
例えば、3日間のワークショップの場合交通費も給料も支給無しですが、IT技術のインターンシップであれば1日当たり1万円の支給があり、かつ交通費や遠方の場合の宿泊費補助なども出る、というような、同一企業であっても内容によって報酬が全く異なる、というケースもあるようです。
全般的には、ある程度の期間をかけて実施するため、学業に支障が無いよう夏休みや春休みといった長期休暇中の開催が一般的となっています。また、先に紹介した例のように、交通費のみならず宿泊先(宿泊代)を用意する企業も多数あるようですので、都市部の企業への就職を検討している地方の学生は要チェックですね。
1ヶ月を超えてくる長期インターンシップの場合
更に長期のインターンシップの場合、より実践的な内容となります。
日当とは別にインセンティブが出るケースがあったりと、単なる体験ではなく会社への貢献度が重要になってきます。より生の仕事に触れることができるので、就職後のイメージが最もつきやすいともいえるでしょう。このパターンのインターンシップは、アルバイト、もしくは業務委託などの雇用契約に基づいて行われることが多く、100名以下の比較的小規模な企業での実施が多いというのが特徴です。
ただしこんな多額の報酬をもらえるインターンシップも!?
例えばLINEは、2014年にサマーインターンシップを初めて実施しましたが、その時の報酬が月額40万円ということで、世間の注目を集めました。LINEも総合職は2日間の体験で交通費の支給のみですので、やはりエンジニアのインターンシップの給与水準は、他と比較して高いと言えそうです。
またワークスアプリケーションズは、20日間のインターンシップで日当8000円。更に成績優秀者には450,000円もの特別報奨金が支給されるそうです。
更に、IT業界で特に高い人気を誇るDeNAのインターンシップは、4日間で10万円が賞金として支給されることに加え、優勝チームにはシリコンバレーツアーに参加する権利が与えられます。期間は短いですが、ここで検討された事業計画がその後もDeNA社内で継続検討されるなど、非常に実践的な内容であることも、人気の理由のようです。
さらにアメリカのエンジニアインターンシップに目をむけてみると…
特に注目企業であるFacebookやGoogleの相場を調べてみると、Facebookは50万円、Googleは60万円と非常に高額の報酬となっています。
但しアメリカではこういった大手企業に新卒で就職する場合には、まずインターンシップとして参加しておくことが定石です。そのためインターンシップの選考は、採用のための大きな関門であることから、倍率も選考内容も非常に厳しいことは言うまでもありません。
日本人でアメリカのエンジニアインターンシップに参加した人の感想を紹介
Appleでのエンジニアインターンシップに参加した日本人の方によると、渡航費や滞在費をすべて会社側が負担した上で、更に給料が支払われるとのこと。しかし当然ながら、「日本人だから」という特別扱いは一切無いため、専門的な会話を行いチームで円滑にプロジェクトを遂行できる、高度な英語力が必須となるそうです。
そもそもの応募も、英語での経歴書などのレポート作成に始まり、電話面接などをこなしていく必要があるので、ネイティブ並みの英語力がまず大前提となるようですね。これはAppleのみならず、他のアメリカ企業でも同様と考えるべきでしょう。
アメリカにおいて、インターンシップへの参加が新卒採用への大きな一歩であることは先に述べましたが、インターンシップに参加したから新卒採用は安心!などということは全くありません。インターンシップに参加していることは次の選考に進む可能性を高くするに過ぎず、最終的にはほんのわずかな人数しか採用されないとのことです。
Google、Facebook、Appleなど名だたるアメリカ企業は、世界に向けてインターンシップの募集をしていますので、チャンスは等しく世界中の学生に与えられています。しかしそれは同時に、世界中のライバルに打ち勝つ必要があることを意味しますので、非常に厳しく狭き門であると言えるでしょう。
アメリカのエンジニアインターンシップ事情については、「アメリカのエンジニアインターンシップ事情とは?」の記事を合わせてご覧下さい。