SES営業に関する悪い評判が気になる
IT業界で営業として働きたいと調べている中で、このような悩みや疑問を抱いたことはありませんか?
本記事では「SES営業はやめとけ」という言葉の真実について解説しています。
言われる理由や活躍するためのポイントもしっかりと解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
- SES営業がやめとけと言われる理由は5つ存在する
- SES企業が下請け構造の下層にいることからSES営業が「底辺」と言われることもある
- SES営業を目指すメリットもある
- SES営業として活躍するには企業を見分けるポイントについて知っておくことが大切
SES営業がやめとけと言われている理由
なぜSES営業はやめとけと言われているのでしょうか?まずはそう言われてしまう理由について解説していきましょう。
具体的な内容をまとめると以下のようになります。
各項目についても解説していきます。
エンジニアの能力を重視した営業活動がやりにくいから
SES企業が売上を出すための近道は、提供するエンジニアの数を増やすことです。ゆえにSES営業も、派遣するエンジニアの数にこだわることを求められます。
企業のニーズとマッチするエンジニアを提供するのがSES営業の仕事ですが、派遣人数にこだわっているとSES営業本来の営業活動は難しくなる傾向です。
エンジニアの能力を重視した営業活動がやりにくいことから、SES営業はやめとけと言われています。
サービスを売り込む営業スキルが身に付かない
SES営業は企業と人材をマッチングする仕事ですから、サービスを売り込む営業スキルはあまり身に付きません。
売上アップを狙って人数のみにこだわった営業を続けていると、SES営業に必要なマッチングスキルさえ習得しにくくなります。
ほかの営業職と比較して、異業種・異職種に流用できるスキルが身に付きづらい点もやめとけと言われている理由です。
自社エンジニアから高圧的な態度をとられるため
SES企業が得る利益の中核は、プロジェクトにアサインしているエンジニアの働きによります。
またSES営業への評価についても、派遣されたエンジニアの能力によるものと認識されやすい傾向です。
このような背景が理由で、SES営業は自社エンジニアから高圧的な態度をとられるケースがあります。
すべてのSES企業に当てはまる現象ではないですが、このようなケースもSES営業がやめとけと言われる理由のひとつです。
煩雑なトラブル対応も業務のうちだから
SES営業の業務はエンジニアを派遣することだけではありません。プロジェクト参加に伴うトラブル対応も担う必要があります。
派遣先企業とアサインしているエンジニア双方を起点としてトラブルが発生する可能性がありますが、SES営業の立場からするとどちらの意見も考慮しなければなりません。
煩雑なトラブル対応も含んだ業務内容を理由として、SES営業はやめとけと言われています。
年収アップに期待できないから
SES営業が属するSES企業は、IT業界の多重下請け構造における最下層に位置します。
SES企業が受注している案件は4次請け以下の深い商流となるため、最終的な利益も少なくなる傾向です。
企業としての利益が少なければ年収アップの期待値も低くなります。このような現状もSES営業がやめとけと言われる理由のひとつです。
SES営業が底辺だと言われてしまう理由
SES営業は「やめとけ」とは別に、もうひとつ言われていることがあります。それは「底辺」という言葉です。
ここからはSES営業が底辺だと言われてしまう2つの理由について解説していきます。
技術知識に乏しく最適な提案ができないケースがあるため
SES営業はエンジニアの能力を重視した営業活動がやりにくいと解説しました。
それどころか企業のニーズやエンジニアの能力をまったく理解せずに、派遣実績だけを求めて営業活動を続けている悪質なケースもあります。
このようなSES営業は本質的な営業スキルに乏しく、企業に対して最適な提案ができません。
要請を出した企業側の評価が「底辺」となってしまうのも、仕方のないことでしょう。
SES企業が下請け構造の下層に位置するから
もうひとつの理由は、実際にSES企業が多重下請け構造の底辺に位置するからです。
IT業界は建設業界のような多重下請け構造になっていて、現状は中小のSES企業が最下層とされています。
SES企業のポジションを指して、そのままSES営業が底辺と言われている現状です。
SES営業を目指すメリット
やめとけと言われているSES営業ですが、次から解説するような明確なメリットも存在します。
自分にとって有益なメリットなら目指す価値は十分ありますので、マイナスな情報だけにとらわれずしっかりと判断すべきです。
未経験からでも挑戦しやすい
SES営業は未経験からでも挑戦しやすいというメリットがあります。
基本的に求められるのはコミュニケーション能力になるので、人の話をしっかり聞けて情報を正しく伝えることができればOKです。
20代であればポテンシャル採用にも期待できるため、未経験でもチャンスは多いと言えます。
大手SESやSIerへの道が開かれる
SES営業として経験を積んでいくことで、大手SESやSIerへの道も開かれる点も大きなメリットです。
SES営業は日頃の業務を通して、IT業界のトレンドやニーズ・エンジニアのスキルについて理解を深めることができます。
SES営業の業務で得た知識・経験は、大手SESやSIerへの転職において強力な武器となる傾向です。
これまで気付いてきた人脈もそのまま活かせる可能性があるので、転職の有利さはさらに上昇するでしょう。
SES営業として活躍できる人の特徴
確かにSES営業はやめとけと言われている職種ですが、大手SES企業の充実した環境で精力的に活動しているSES営業もいます。
そういったSES営業はどのような特徴を持っているのか、以下にまとめてみました。
コミュニケーション能力が高く相手の要望をくみ取れる
SES営業を目指すメリットの項で解説したとおり、企業が求めている高いコミュニケーション能力を持った人は、SES営業として活躍できる可能性があります。
企業とエンジニア双方の要望をしっかりとくみ取るためにも、コミュニケーション能力は必須とも言えるスキルです。
企業とエンジニアだけでなく上司や同僚とも円滑にコミュニケーションが取れれば、SES営業の業務はもっとスムーズに進みます。
コミュニケーション能力が高く、相手の要望をくみ取れる人材が活躍するのは想像に難くないでしょう。
IT業界に関する情報のキャッチアップを行える人
IT業界の技術進化は早く、トレンドもすぐに移り変わっていきます。ゆえに情報のキャッチアップがしっかり行える人は、SES営業でも活躍できるでしょう。
知識レベルが高ければ企業やエンジニアとの会話にもしっかりと対応ができるため、良い関係性を維持させることにもつながります。
SES営業やエンジニアに限らずIT業界で活躍し続けるには、最新の情報に敏感でなければなりません。
エンジニアとクライアントからのクレームに耐えられる人
SES営業の業務であるトラブル処理には、いわゆるクレーム対応というものも含まれます。
エンジニアとクライアントの両方からクレームが入る恐れもあるため、そういった状況に耐えられる人でないとSES営業として活躍するのは難しいでしょう。
苦難や逆境を乗り越える精神的強さを備えていれば、SES営業に向いていると言えます。
丁寧で細やかな対応ができる
SES営業の業務には企業やエンジニアへのフォローも含まれますので、丁寧で細やかな対応ができると活躍できる可能性も高まります。
やり取りや意思疎通が早くできることから相手に安心感を与え、短期間で信頼を得ることが可能になるからです。
信頼が得られればトラブルが起きても早い段階での対処が可能になり、さらに手厚いフォローができるようになります。
SES営業として活躍できる企業を見分けるポイント
SES営業を目指すメリットに魅力を感じて転職を決意したとしても、ブラックな企業に入ってしまえば意味がありません。
ここではSES営業として活躍できる企業を見分けるポイントについて解説していきます。具体的な内容は以下のとおりです。
チーム体制で稼働しているか?
最初に確認したいのはチーム体制で稼働しているか?という点です。実際に優良企業と呼ばれる企業の多くは、個人ではなくチームで動いています。
チーム体制で動いていればお互いをフォローしあえる上に、未経験からの転職であっても積極的に経験を積んでいくことが可能です。
SES営業として活躍できる企業とは、トラブルが起きても皆で対処できる環境を構築している企業だと言えます。
未経験者を除いたエンジニアの数は増加しているか?
次に注目したいのは未経験者を除いたエンジニアの増加数です。
ある程度経験のあるエンジニアが集まり、すぐに辞めていくことがないSES企業は優良企業の可能性があります。
離職率の高いSES企業は常に未経験者を募集しているケースも多いので、単純なエンジニアの増加数で判断するのは危険です。
経験のあるエンジニアが長く働いていたいと思う環境は、SES営業が活躍できる環境でもあります。
エンジニアへの還元率は高いか?
転職が決まる前に詳細を知るのは難しいですが、エンジニアへの還元率も見極めるポイントになります。
エンジニアへの還元、つまり給与面が良ければ優良企業の可能性は高いと言えるでしょう。
待遇が良ければ働くモチベーションもアップし、それがエンジニアの評価にもつながります。
評価の高いエンジニアを派遣するSES企業であれば、営業としても活躍できる可能性も高いです。
SES営業以外でおすすめのIT営業職種4選
IT業界で営業職を目指したいのなら、SES営業以外の選択肢もチェックしておきましょう。
ここではSES営業以外でおすすめとなる、以下のIT営業職種について紹介していきます。
SIer営業│システムを提案して顧客の課題を解決
SIer営業とは、システムの受注開発を担うSIer(システムインテグレーター)に所属する営業職を指します。
SIer営業の業務は、顧客とのヒアリングを介して課題解決が可能なシステムを提案することです。
求められるスキルとしては、提案力・ヒアリング力・管理能力などがあります。システムを提案するため、技術的な知識やトレンドへの敏感さも必要です。
ハードウェア営業│顧客との関係性がポイント
ハードウェア営業は文字どおり、ハードウェア系機器を企業へ販売する営業職となります。
ハードウェアとはPCやスマホ、サーバーやネットワーク機器などを指すもので、大企業で取り扱っているケースが多い傾向です。
差別化が難しく価格競争にもなりやすいため、顧客とのつながりが重視される営業活動が必要になります。
パッケージソフトウェア営業│自社商品への理解が強みに
パッケージソフトウェア営業とは、パッケージ化された既製品のソフトウェアを商材とする営業職です。
課題解決という方向性ではなく、自社の製品を売り込む点がこれまでの営業職と違います。
他社の製品を押しのけて購入してもらう必要があるため、自社商品への理解が営業としての強みにつながる傾向です。
顧客のニーズを正しく判断しないと営業活動が成功しない点は、ほかの営業職と同様となります。
クラウド営業│プランニング力が重要
クラウド営業の商材はパブリッククラウドサービスと言われるものになります。
パブリッククラウドサービスとは、一般的なユーザーや企業を対象に、インターネットを使ってクラウドコンピューティング環境を提供するものです。
代表的なサービスとしては、AWS(アマゾンウェブサービス)やMicrosoft Azure、Google Cloudなどが存在します。
顧客のニーズを正しく判断し、サービスの活用方法や導入プランを提案する営業職です。
SES営業を目指している方におすすめの転職エージェント
最後にSES営業を目指している方におすすめの転職エージェントを紹介します。今回ピックアップしたのは以下の3つです。
マイナビエージェント│初めての転職でも安心
運営元 | 株式会社マイナビ |
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公開求人数(2024年4月) | 57,237件 |
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運営元 | 株式会社Geekly |
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公開求人数(2024年4月) | 21,973件 |
対応可能地域 | 東京23区 |
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doda│エージェントサービスやスカウトサービスも選択可能
運営元 | パーソルキャリア株式会社 |
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公開求人数(2024年4月) | 238,889件 |
対応可能地域 | 全国 |
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SES営業はやめとけの真実!まとめ
SES営業は確かにインターネット上で「やめとけ」と言われており、その理由も複数あるのが現状です。
また所属するSES企業が下請けの最下層に位置することから、「底辺」と言われることも珍しくありません。
しかしながら未経験からでも挑戦しやすいことや、大手SES企業やSIerへの転職が可能になることなど、目指すメリットも間違いなく存在します。
優良SES企業に入ることができれば、しっかりと活躍していくことも可能です。SES営業以外の選択肢も含めて、自分に合ったIT営業職を選んでみてください。