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成城大学の小具龍史先生にインタビューさせていただきました!

成城大学_外観

今回は成城大学経済学部で教授を務める小具龍史先生に、「キャリアにおける意思決定と自己理解の重要性」についてインタビューをさせていただきました。イノベーション、マーケティング論をご専門とされている小具先生に、キャリアの転機における考え方や効果的な意思決定のプロセスについてお伺いします。

現在の研究されている分野・具体的なご活動内容について

インタビュアー
インタビュアー
改めて、今回のインタビューをお受けいただき誠にありがとうございます。はじめに、現在ご専門とされている分野や担当されている授業について教えてください。

私の専門はイノベーション、マーケティング論になります。特に、新規事業開発や新製品開発といったイノベーション領域と、それを活用して市場を創造していくマーケティングの“中間領域”を研究しています。

国内メガバンク系シンクタンクで約20年間、企業の経営コンサルティングや官公庁の調査研究業務に多数携わってきました。その経験を通じて、経営学の理論だけでなく「現場で実際に起きている課題をどう解決するか」という視点を大切にしてきました。

授業では、マーケティング論や商品開発論といった科目を担当し、特に企業との産学連携PBL(Project Based Learning:課題解決型学習)を通じて、理論を学ぶだけではなく実際の課題を解決していく、実践型の学びを重視しています。

小具先生
小具先生
インタビュアー
インタビュアー
マーケティングとイノベーションの両方をご研究されていますが、二つの視点を持つことで、キャリアや仕事の見え方にはどのような変化がありますか。

マーケティングは「市場や顧客をどう理解するか」、イノベーションは「まだない価値をどう生み出すか」を考える視点です。この二つの視点を併せ持つことで、物事を単一の視点ではなく、複合的に捉えられるようになります。

例えば、既存市場の中でどう選ばれるかを考えるだけでなく、「そもそも新しい市場や価値を生み出せないか」という視点が加わるため、キャリアや仕事の可能性をより広く見られるようになります。結果として、仕事を単なる職種選びではなく、「誰のどんな課題を解決し、どのような価値を社会に届けるのか」といった観点で考えられるようになり、自分の経験や専門性も新しい形で活かせる資源として捉え直せるようになってきます。

さらには、一つの専門だけでは見えにくかった選択肢にも気づきやすくなり、自分自身のキャリアの幅を広げることにつながります。

小具先生
小具先生

キャリアのきっかけと意思決定

インタビュアー
インタビュアー
「実務」から「研究」へとシフトした転機には、どのようなきっかけや動機がありましたか。

経営コンサルタントとして、新規事業開発や新製品開発などのイノベーション、マーケティング領域に長く携わってきました。現在も企業の顧問やアドバイザーとして実務に関わりながら、研究・教育活動を行っていますので、実のところ「実務から研究へ転じた」という感覚はあまりありません。

そんな自身のキャリアを形成する上で大きな転機となったのは、仕事をしながら通ったビジネススクール(社会人大学院)で学んだ経験です。実務で自分が行ってきたことを体系的に整理する中で、現場で抱えていた課題をより学術的に研究したいという思いが強くなり、博士課程へ進学しました。研究を進める中で、実際のビジネスの現場で起きている現象を理論的に捉える面白さを感じ、現在に至っています。

私の中では、実務と研究は切り離されたものではなく、実務の中から生まれる課題を研究テーマとし、その成果を再び実務へ還元していく、その往復こそが、自身の実務家および研究者としてのスタイルであると考えています。

小具先生
小具先生
インタビュアー
インタビュアー
コンサルタント・研究者・教育者などの役割を担う際に大切にしてきた判断基準や軸のようなものはありましたか。

コンサルタント・研究者・教育者のどの立場でも共通して大切にしていることは、「相手の課題を深く理解し、一緒に価値をつくる」という姿勢です。コンサルタントであれば企業の課題を解決すること、研究者であれば現象の原因を究明して理論化すること、教育者であれば学生の成長を支援することが主な役割になりますが、これらの根底には「人や社会の課題に向き合う」という点が共通してあります。

また、私は自身が一方的に答えを導くよりも、対話を通じて共に解決していくことを大切にしてきました。現在のような生成AIが普及する時代であるからこそ、課題と深く向き合い、より人と協働しながら新しい価値をつくる力が必要になるのではないかと考えています。

小具先生
小具先生

職業選択・新しい価値を生みだすキャリアの築き方

インタビュアー
インタビュアー
市場創造・イノベーション研究の視点から、「自分にしかできない仕事」や「新しい価値を生み出す働き方」を目指す若者へのヒントがあれば教えてください。

新しい価値を生み出す人というのは、最初から特別な才能を持っている人だけではないと思います。むしろ、さまざまな経験を通じて「なぜだろう」という問いを持ち続けられる人が、新しい価値につながる発想を生み出していくのではないでしょうか。

イノベーション研究でも、既存の延長線上ではなく、異なる視点や組み合わせから新しい事業や製品が生まれることが多くあります。そのため、特定の分野に限定せず、多様な経験をすることが重要ではないかと考えています。

また、最初から独自性、オリジナリティを求めすぎる必要はありません。まずは優れた人の考え方や方法を学び、真似をすることから始めればよいと思います。その過程で、自分なりの視点や問題意識が少しずつ形成され、「自分にしかできない価値」が育っていくのだと思います。

小具先生
小具先生
インタビュアー
インタビュアー
「個人のブランド」という観点から、若者がキャリアの早い段階で意識しておくべきことはありますか。

「個人のブランド」というと、よく特別な実績や目立つ個性をイメージする人が多いですが、本来的には「この人はどういう価値を提供する人なのか」という信頼の積み重ねであると考えます。個人のキャリアでも同じことが言えると思います。

学生や若手社会人の段階では、すぐに“自分らしさ”を確立しようと焦るよりも、目の前の仕事や学びに真摯に取り組み、信頼を積み重ねることが大切であると考えています。ブランド研究の観点から見ても、ブランドは一度の発信ではなく、行動の一貫性とその蓄積によって構築されますから、小さな成果や周囲への貢献を継続することが、将来の独自性にもつながります。

小具先生
小具先生

転職者・キャリア形成中の方へのアドバイス

インタビュアー
インタビュアー
最後に、これからキャリアを築いていく学生や若手社会人に向けてのメッセージをお願いします。

これからの時代は、AIやデジタル技術によって、多くの知識や情報が簡単に手に入るようになります。その中で重要になるのは、「何を知っているか」だけではなく、「どんな問いを立てられるか」「どのように人を巻き込み、協働しながら価値を生み出せるか」ではないかと思います。そのために学生や若手社会人の皆さんには、失敗を恐れず、まずは多くの経験をしていただければと思います。

古来から「守破離(しゅはり)」というフレームワークがあるように、最初は優れた人をまねる「守」からで構いません。やがて自分なりの工夫を加える「破」、そして独自性を発揮する「離」へと進んでいきます。キャリアは一度で完成するものではありません。現場で感じた違和感や好奇心を大切にし、それを学びと行動に繋げていって頂きたいと思います。

そして、学生や若手社会人の皆さんには、失敗を恐れず、とにかく行動してみてほしいと思います。

最初から完璧である必要はなく、様々な経験を通じて、自分が面白いと思えるテーマや社会に対して感じる違和感を大切にして下さい。そうした小さな問題意識の積み重ねが、将来的に自分自身の専門性やキャリアを創っていくことにつながっていくのだと思います。

小具先生
小具先生
インタビュアー
インタビュアー
今回はとてもためになるお話を聞かせていただきありがとうございました。転職には不安や迷いはつきものですが、失敗を恐れず様々な経験を通じて感じたことを大切にしながらキャリア選択をしていきたいと思いました。

成城大学の基本情報

 

名称 成城大学
所在地 〒157-8511 東京都世田谷区成城6-1-20
大学HP https://www.seijo.ac.jp/
今回インタビューにご協力いただいた先生 小具龍史先生(教授)

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