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和光大学の平井宏典先生にインタビューさせていただきました!

和光大学_学舎

今回は、和光大学で教授を務める平井宏典先生に、「キャリアにおける意思決定と自己理解の重要性」についてインタビューをさせていただきました。産学連携実践論、競争戦略論、経営戦略論などを担当している平井先生に、キャリアの転機における考え方や効果的な意思決定のプロセスについてお伺いしていきます。

研究背景・専門領域について

インタビュアー
インタビュアー
ご専門の研究テーマや担当されている授業について教えてください。

私の研究テーマは「博物館経営」です。この分野は、経営学と博物館学が融合した学際領域で、非営利組織である博物館がその使命を果たすための経営手法について、理論と実践の両面からアプローチしています

さらにここから視野を広げ、文化芸術が私たちの生活や社会に与えるインパクトについても注目しており、こちらは主として実践を通じて取り組んでいます。

平井先生
平井先生
インタビュアー
インタビュアー
在学中から「社会とつながる」ために学生が今すぐできることはありますか。

授業では「産学連携実践論」を主担当とし、企業との協働を通して経営学を体験的に学ぶプログラムを展開しています。学生の皆さんには、ぜひこうした機会を社会とつながるきっかけにしてほしいです。

アルバイトやサークル等とはまた違う、本物のビジネスの現場で当事者として失敗や成功を経験することは、将来のキャリア形成において非常に重要な財産となります

平井先生
平井先生

キャリアの転機・意思決定

インタビュアー
インタビュアー
現在の研究テーマに出会った経緯や、転機となった出来事について教えてください。

大学生の時、好きなアートに関われる仕事を探す中で学芸員資格を取得しました。養成課程を通じて博物館経営の課題が見えはじめ、「このままでは日本の博物館はどうなってしまうのか」という危機感から大学院へ進学し、研究者として博物館業界に関わる道を選びました

大学院進学を後押ししたのは、指導教授からの「学芸員として就職しても変えられるのは自分の館だけ、研究者になれば俯瞰して課題と向き合える」というアドバイスです。その仕事・業界に携わる上で、現場に入るだけではなく、「外から現場を動かす」という視点を教えてもらったのが、私のキャリアの原点です。

だからこそ、研究者・大学教員という職は、私にとって課題解決のアプローチのひとつではありますが、それがすべてではないと考えています。

平井先生
平井先生
インタビュアー
インタビュアー
研究者、教育者、経営アドバイザーといった複数の役割を担われてきた中で、大切にしてきた判断基準や軸はありましたか。

現在は、アドバイザーとして展覧会や教育普及活動の企画から経営全般まで携わる館もあれば、各種委員として国立・都道府県立から地方の中小規模館まで関わる機会もあります。さらに地域のアートプロジェクトにディレクターとして参画することもあります。

役割が多様であっても、私が大切にしている軸は一つ、「経営学者である」ということです。アートディレクターとして現場に立つ時でも、経営学的な視点とアプローチが自分の武器であり、その立場から問題解決を図っています。

平井先生
平井先生

キャリア形成と専門性

インタビュアー
インタビュアー
キャリア形成の初期段階で「専門を一つにしぼる」ことと「領域を越えて広げる」ことのバランスについてアドバイスがあれば教えてください。

若いうちはまず一つの仕事や領域に腰を据えて向き合い、その後に広げていくことを勧めます。経営学に「吸収能力(Absorptive Capacity)」という概念があります。

これはコーエンとレヴィンサールが1990年に提唱したもので、もともとは企業が外部の新しい知識をいかに取り込み、活用できるかを説明する理論です。その核心にあるのは、「新しい知識を吸収・活用するためには、それに先立つ関連知識の蓄積が不可欠である」という考え方です。

この考え方は個人のキャリア形成にも応用できます。

平井先生
平井先生
インタビュアー
インタビュアー
若者が自分のキャリア戦略を考える上で意識することはありますか。

研究者であれば研究分野、営業パーソンであれば担当業界や顧客との関係、エンジニアであれば特定の技術領域—そうした「自分が深く関わってきた経験の蓄積」こそが、その人にとっての専門性です。その土台があるからこそ、新しい知識や分野と出会った時に、ただ表面をなぞるのではなく、自分の経験と結びつけて深く吸収し、新たな価値へと転換できる。

逆に、最初から幅広さだけを追い求めると、どの領域においても学びが浅いまま留まりやすくなります。まずは目の前の仕事に深く向き合うこと

その積み重ねが、その後の学びや挑戦の幅を大きく広げてくれると考えています。

平井先生
平井先生

先生からのメッセージ

インタビュアー
インタビュアー
最後に、これからキャリアを築いていく学生や若手社会人へメッセージをお願いします。

生成AIやロボティクスの進化によって、職種を問わず「手順がルール化できる仕事」は本格的に代替される時代が来ています。先行きが見えない時代だからこそ、私が皆さんに伝えたいのは、「キャリアの計算」や「将来の予測」ばかりに囚われないでほしいということです。

経営学の「目標設定理論」の知見を応用すると、人は自分の現在の能力でこなせる目標よりも、少し背伸びが必要な挑戦的な目標に向き合う時こそ、最もパフォーマンスが高まり、成長できると言われています。あえて今の自分には少し高すぎる仕事に挑む。

そうすると必ず「足りない部分」が生まれます。その足りない部分を埋めようと学び、考え抜く経験が、自分を次のステージへと押し上げてくれます。

この地道なサイクルの中でこそ、知識やスキルにとどまらない「人間力」(人としての信頼感や、周囲を動かすコミュニケーション力)が育まれます。それはAIがどれだけ進化しても代替できない、これからの時代に最も求められる力です。

平井先生
平井先生
インタビュアー
インタビュアー
今回はとてもためになるお話を聞かせていただきありがとうございました。転職には不安や迷いはつきものですが、今回の内容も参考にしつつキャリア選択をしていきたいと思いました。

和光大学の基本情報

名称 和光大学
所在地 〒195-8585 東京都町田市金井ヶ丘5丁目1番1号
大学HP https://www.wako.ac.jp/
今回インタビューにご協力いただいた先生 和光大学 平井宏典先生(教授)

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