ITエンジニアは淘汰される!?
2016年、経済産業省は衝撃的な発表を行いました。
2030年には、IT人材が約79万人も不足するというものです。これはいくつかの想定されるケースのうち、最悪のケースだった場合の結果ですが、最も良いシナリオでも約41万人、中間のシナリオでも約59万人とのことです。
このようにIT人材自体は不足していくという統計が出ていますが、ITエンジニアは将来的に引く手あまたとなるのでしょうか。これは私自身の考えですが、私自身は決してそういった状態にはならないと予想しています。
なぜなら、言われたものを単純につくるだけのエンジニアは、代替が容易であり場合によってはAIにその立場を奪われる可能性があるためです。
そこで今後ITエンジニアとして生き残るためには、どういったことを実践していけばよいのでしょうか。今回は、ITエンジニアとして生き残っていく上で必要なポイントを4つご紹介しようと思います。
1.最新の業界動向に関心を持とう
IT業界は技術の移り変わりが早い業界だと言われています。クラウド、IoT、Fintech、AI、ブロックチェーン…といったように、数年前まではあまり聞かれなかった技術が、今やIT業界を席捲しているといっても過言ではありません。
また、それらのようなトレンドワードでなくとも、IT業界界隈では日頃から様々なニュースが次から次へと発生しています。例えば、IT企業の買収や新たな技術の発表、または有名なキーマンの異動などといったものが挙げられます。
こういった業界の動向というのは、自身が気を付けておかなければスルスルと過ぎて行ってしまうものです。では、なぜこういった業界動向に関心を持つ必要があるのでしょうか。私自身は2つの理由があると考えています。
1つ目は「お客様に最適な提案を行うため」です。ITエンジニアを行っていると大なり小なりお客様に提案を行うケースがあります。そういった場面において様々な選択肢を提案するためには、日頃からどのような技術が流行しているかを情報収集しておく必要があるためです。
そして2つ目はIT業界の知識を付けるためです。お客様との会話や同僚との会話において、こういったニュースはしばしば話題に上がります。
そういった際に全く知らないと、会話についていけなくなることがあります。自身が働いている業界の情報についてはアンテナを高くしておきましょう。
2.自己研鑽する習慣を身に付けよう
私はIT業界はフェアな業界だと感じています。なぜかというと勉強をすればするほどスキルが評価される業界だからです。
こちらは、経済産業省が平成29年8月に発表した「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」という資料です。
これによると、IT企業がITエンジニアのスキルを判断する上で重視するのは「保有資格」が約7割程度だということです。IT業界は空前の人材不足であり優れたITエンジニアであれば、転職は容易に行える環境が続いています。
自身の市場価値をあげるために積極的に自己研鑽を行う習慣をつけましょう。それは対外的な市場価値をあげるとともに、自身にも必ずポジティブな結果をもたらすはずです。
3.横のつながりをつくろう
IT業界は会社という枠を超えて、様々な勉強会などが開催されています。こういった勉強会では最新技術の動向や、様々なノウハウを勉強することができます。
そういった知識を付けることも1つの目的なのですが、自身が所属する会社以外のITエンジニアとも積極的に交流を行い、情報交換をするように心がけましょう。
1つの会社にいるとその会社での仕事の進め方、考え方などがいつのまにか常識になってしまいます。これはITエンジニアとしては非常に危険なことだと私は思います。
様々な会社に所属するITエンジニアと接すると、自身の会社の課題、弱いところ、または逆に強みなどが把握できます。また、自分自身についても振り返る良い機会を得ることが多いのです。勉強会に参加するITエンジニアはやはり優秀なエンジニアが多いため、参加するだけでも非常に刺激になります。
勉強会は以下のようなサイトで参加応募することができます。
connpass – エンジニアをつなぐIT勉強会支援プラットフォーム
皆さんが思っているよりハードルは高くないので積極的に参加するように心がけましょう。
4.創る力を身に付けよう
これは少し難しいテーマになりますが、とても大事なことです。ITエンジニアと一言でいっても様々なタイプに分かれます。その観点の1つに「サービスを作るエンジニア」と「サービスを創るエンジニア」というものがあります。
どちらも同じように見えますが、前者は他者に言われたものをただ開発するだけのエンジニアで、後者はサービスをゼロから生み出すことができるエンジニアです。
これからの時代、サービスを創るエンジニアになる努力をする必要があります。なぜなら「作る」だけのエンジニアは市場において競争力が低くなりがちだからです。
「作る」エンジニアは、価格競争に巻き込まれがちになりますし、AIによる自動プログラミングや海外オフショアなどが台頭してきた場合、すぐに代替されてしまいます。
「創る」エンジニアはサービスを創りだす側なのですが、ここは圧倒的に人材が不足しているといえるでしょう。ただ、いきなり「創る」のはとてもハードルが高いのは事実です。では何ができるのでしょうか。
私は、日頃から「新しいサービス」を意識して生活することをおすすめします。「こういうものがあればいいのに」「こういったところが不便だ」という点は、その時は不満を感じるのですがそれを改善しようとアクションを起こす人はなかなかいません。
まずはこういった問題について、「ITの力を使えばどのように解決できるか」ということを想像してみましょう。ITスキルについては仕事を通じて少しずつ成長しますが、こういった思考については自分自身で意識しないとなかなか伸びません。ぜひ、日頃から意識するようにしていただけるとよいかと思います。
まとめ
今回はITエンジニアとして生き残るために必要なことを4つご紹介しました。
全てに共通しているのは受け身ではなく、能動的にアクションを起こせるかどうかという点だと思います。1つ1つは決して難しいことではありませんが、継続できるかがポイントになります。
将来なりたいITエンジニア像を考えながら、1日1日の行動を積み重ねていきましょう。
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