「学生は勉強に従事すべき」との政府の発表を受け、2016年からの就職活動のスケジュールが変更になりました。準備の時間が増えたことへの喜びよりも、例年を参考にできない事への不安の声の方が多いようです。3月までのこの期間、ただ不安に過ごすのではなくチャンスと捉え、海外の就職も選択肢に加えてエンジニアの就職活動の作戦をじっくり練ってみてはいかがですか?海外で働くことに憧れるけれど、何から始めたらいいかわからないという人にもおススメの情報です。
海外の新卒者の就職活動
日本では、長らく続いてきた『終身雇用制』が崩壊しつつありますが、転職率を見ると日本はまだまだ欧米の半分以下。 海外ではより良い条件を求めて転職するのは社会人として当然の権利なのです。 そのため会社側も時間をかけて新卒者を育成するよりも、即戦力になる人材を採用する傾向にあり、新卒者の採用面接では、いかに経験や実績がアピールできるかが重要となります。
また求人募集も新卒、既卒を問わず一年を通して行われている点が日本とは異なります。 就学中にインターンシップ、見つからなければ無給ででも経験を積ませてもらうことは学生にとって珍しいことではありません。働きが認められれば卒業後フルタイムのオファーに繋がる可能性があることと、情報や人脈を広げられる、ということは新卒者にとって重要なポイントです。
もう一つ、就学中に経験を積む学生が多い理由はリァレンスの存在です。リファレンスとはあなたを推奨する人物(または人物のコンタクト先)で、最低2人は必要です。新卒であれば一人は学校の先生でも大丈夫ですが、もう一人はあなたの仕事ぶりを評価できる人が求められます。
海外就職を目指すなら語学学習も含めて海外のインターンシップに参加することが理想的ですが、日本国内でのインターンシップも職務体験、リファレンスの対象となりますので、インターンシップでお世話になった上司には「リファレンスになっていただけませんか。」とお願いしておきましょう。
海外就職にオススメの国
勤勉な国民性に加え、仕事の質の高さからも世界から高評価と信頼を得ている日本人エンジニア。先進国から新興国まで需要のある職種ですが、初めての就職先となるとどこでもいいという訳にはいきません。学生から社会人になることは人生の中でも大きな転機の一つ、予想していなかったようなことにも遭遇します。地域独特の習慣に慣れず体調を崩して仕事どころではなくなってしまった、ということのないように、リサーチが必要です。
一日も早く新しい環境に慣れ、仕事をこなせるようになることを優先するなら、インフラや医療が整い、都市基盤のしっかりした北米、西欧、オセアニアの都市がお勧めです。
また、日系企業が多く進出している地域には日本人コミュニティがあり地元の人も親日家が多く、日本人にとって住みやすい場所ですし、世界の住みやすい都市ランキングで上位の都市を選ぶこともお勧めです。
語学力はどの程度必要?
今現在得意の語学が特になければ、まずは英語力を鍛えましょう。新たな語学を一から勉強するよりも今ある英語力を上げる方が負担も少なくてすみます。 海外で働くには一般にビジネスレベルの英語力が必要ですが、「ビジネスレベル」を具体的TOEICで見てみましょう。
TOEICスコア 700~795では「 会議の案内等の社内文書・通達を、読んで理解できる 」「自分の仕事に関連した日常業務のやりかたについての説明を理解できる」 となっています。
エンジニアですからディベートやディスカッションでネイティブと対等に渡り合うほどの語学力は求められませんが、最低でも上司や同僚と意思の疎通ができる程度の会話力は身につけておきましょう。そのためには日頃からすき間時間を見つけてPodCastなどでリスニング力を鍛えたり 音読トレーニングでスピーキング力に磨きをかけるなど、自分に合った学習法を身につけておきましょう。
海外で働くためのビザは?
海外で働くためにはその国の就労ビザが必要です。 取得の条件や有効期限は国により様々です。共通しているのは雇用主にスポンサーとなってもらうという点です。流れとしてはまず海外求人から応募、採用が決まったらビザ申請用紙のスポンサー欄に雇用主の情報を記入し申請するということになります。申請料も国によって異なりますし、申請費用も会社持ちだったりと様々なケースがあります。就職先が未定でも取得が可能なビザとしてワーキングホリデービザやイギリスの短期就労ビザがありますが、国によっては就労時間や働ける職種が限られていますので注意してください。
まとめ
若い時の苦労は買ってでもせよ という諺がありますが、若い頃の経験が踏み台となりその後の生き方が決まります。失敗したり、苦労が報われないことがあっても、そこから何か学ぶものはあるはず。就職活動スタートまでの時間をただ不安に過ごすのではなく、やりたいことをもう一度考え、いつまでに何をしなくてはならないか計画を立てましょう。 人生は一度だけ。自分の納得できる生き方を探しましょう。