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SEとして大成する体育会系学生の特徴

SEとして大成する人物像というと、情報系の大学や専門学校を卒業し、プログラミングやIT知識の習得にだけ力を注ぎ、眼鏡をかけている理系の学生、というイメージが強いのではないでしょうか?

長年IT企業の人事担当として多くの学生を見てきた私の意見は少し違います。確かに、そのような情報系の学生は入社後にいきなり即戦力になれる、優秀な人材です。

しかし、体育会系の部活動やサークルで命を燃やしてきた、いわゆる体育会系キャラの学生にも、非常に見るべきところがあります。

ここでは、体育会系の学生がSEとしてどのように大成するのかについて、見ていきたいと思います。

体力があるのはとても大事なこと

まず、体育会系学生の最も素晴らしい点は、体力があるということです。

SEの仕事は、はっきり言って体力勝負です。一歩間違えばブラック企業と言われても仕方がない激務になることも多く、そんな時に体力がある学生は大変頼りになります。

どれくらい激務かと言うと、納期間際は毎日終電です。朝9時に出社して夜の11時や12時に帰る生活が、納期まで続くのです。

時には、職場で夜を明かすこともあります。また、システムトラブルが発生した際には、トラブル解決のめどが立つまで帰れません。

夜間作業というつらい仕事もあります。システムのメンテナンスは、たいてい月曜日の利用者が少ない早朝2時頃から明け方の間に行われます。

システム運用維持グループで仕事をする場合、月一回、もしくは二回のペースで、この夜間作業が割り当てられます。

大体夜9時ころに出社し、メンテナンス作業を終えた後、早朝6時くらいに始発で帰ります。その日と次の日は当然休みになりますが、若い頃しかできないキツイ仕事です。

体育会系の学生は体を鍛えていて丈夫ですから、このような激務も難なく乗り切ってしまうことでしょう。

礼儀正しく先輩後輩付き合いを大事にしがち

体育会系の学生の特徴として、目上の人にはとても礼儀正しく、後輩を大事にするということがあります。

目上の人に対しては絶対服従で挨拶などもしっかりしており、上司や先輩社員の扱いが上手です。また、自分が先輩にかわいがってもらったら、それを後輩に返すというルールが体育会系の社会にはあるようで、後輩も大事にします。

これは、SEに限らず、仕事をする上で非常に大事なコミュニケーション能力です。

若い学生は、入社すると同期とばかりつるんで、飲み会で上司と全く話さないなどという人も中にはいます。それは、若い人同士の方が話も弾むでしょうし、楽しいでしょう。

しかし、上司や先輩社員と仲良くしておかなければ、SEとしての仕事のテクニックを教えてもらうこともできませんし、人脈もつながりません。

同期同士の結束を固めることも大事ですが、上司や先輩とのつながりがないと経験者からのアドバイスをもらうことはできないのです。

その点、体育会系出身の学生は、先輩あしらいが上手で、すぐにかわいがられるようになります。飲み会では「先輩!」と先輩社員や上司の後を慕い、二次会の手配や飲み物の注文などをきちんとやってくれます。最後にラーメンをおごってもらうことも忘れません。

そして、いつのまにか先輩社員や上司の弟子のような存在になり、いざという時に助けてもらえるのです。そして、その先輩後輩のつながりを、次の後輩にもつなげます。

体育会系学生の、上下関係のコミュニケーションの取り方のうまさは、こちらが感心してしまうほどです。

負けそうな時にここぞという時に発揮する勝負強さはさすがである

体育会系学生のここぞという時の勝負強さには、驚かされます。

例えば、もうこの仕事は納期までに間に合わないというギリギリの状態に置かれた時に、体育会系学生の勝負強さが発揮されます。

体育会系の学生が、納期直前の最後の最後というところで力を振り絞って何とか納期に間に合わせてしまうのを、何度か見たことがあります。

体育会系の学生は、とても負けず嫌いです。試合に負けたくない!という強い気持ちがあり、土壇場で底力を発揮するのかもしれません。

納期に間に合わない=試合に負けたということなのでしょう。

もともと体力と強い精神力を持っていますから、それに負けず嫌いの気性がプラスされて、勝負強さにつながるのかもしれません。

また、体育会系学生の勝負強さは、相手がある勝負事の際にも威力を発揮します。他のチームよりも早く仕事を仕上げたい、プレゼンで他の候補者に負けないように良い報告をしなければならないなどという時は、強いです。また、同期と競わせても、なかなか勝負強いものがあります。

負けず嫌いというのは、とても大事なことです。人に負けたくないという強い気持ちも大事ですが、何より自分に負けたくないという強い意思が、ストレスフルなSEの仕事を続けていくために重要なのかもしれません。

逆にこれはダメだと思った体育会系学生とは?

体育会系学生のことを褒めまくってきましたが、中にはダメな体育会系学生もいます。

そもそもIT系が向いていない学生です。

「脳筋」と言うと、言葉が悪いでしょうか。「こいつは脳みそに筋肉が詰まっているんじゃないか?」と言いたくなるくらい、考えない、工夫をしない学生です。

SEの仕事はとにかく仕事量が多く、何百ページという設計書を作る、何千ステップというコーディングをするなどということはざらです。

そんな大量の仕事をこなす際に、力づくではいけません。綿密に計画を立てたり途中途中で軌道修正をしたりしなければ、うまくいかないのです。

しかし、そんな一見膨大で力仕事に見えるけれども繊細な対応が必要な仕事に対し、見事に何も考えずに突っ走る体育会系の学生がいます。

いきなり何も考えずに書き始める、端からコーディングし始めるわけです。腕っぷしがあるので力づくで片付けてしまおうというのでしょうが、その量を腕っぷしで片付けられるわけはありません。

結局、最初の方から軌道修正が必要になり全直しなどということも多く、とても困ります。何でも勢いと力づくで片付けようとし、頭で何考えない体育会系学生もいるということです。

まとめ

体育会系の学生には、SEとして大成するだけの良いものを持っている人材が数多く存在します。もし、体育会系活動を頑張っていた学生が、IT系の知識や技術に自信がなくIT業界へ就職することをためらっているのであれば、背中を押してあげたいと思います。

もちろん、勉強することは必須です。しかし、体育会系で根性をつけてきたのであれば、困難な勉強も乗り切っていけるのではないでしょうか。

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