新卒にとってITの現場は分からないことだらけではないでしょうか?それはどの新入社員でも同様です。プログラミング言語などの専門用語が多く飛びかいますし、忙しいと先輩も親切に教えてくれない、というケースもあります。分からないことが多すぎて精神的に疲れてしまう人も少なくありません。
今回は開発経験3年、IT業界の営業を5年経験し新人教育も行ってきた筆者が、みなさんがIT企業に就職した際に無理なく「できない新人SE」から「できる新人SE」になるポイントについて説明します。
また就活生のみなさんは、ぜひ「できる新人SE」の特徴を知り、その特徴が自身にあることを就職活動においてアピールしてみてください。入社後につまづいたときにも「できる新人SEの行動規範」として役立てていただけると幸いです。
「できる新人SE」になる方法(1) 上手く話せなくてもコミュニケーションを怠らない
皆さんは知らない人と話すのは得意でしょうか?それとも苦手でしょうか?
おそらく苦手な方が多いのではないでしょうか?友人や家族であれば気を遣わずに話せるけど、知らない人だと何を話していいかわからないという方もいらっしゃると思います。
しかし、ITエンジニアという仕事は意外と人と接する機会が多くあります。そういった際に、コミュニケーションを疎かにしていると必要な情報を得ることが難しくなります。
筆者は現場で数多くの新人SEを見てきましたが、できない新人SEで多いのが「分からないのに一人で考え込んでしまう」というタイプの人。たしかに忙しい現場で先輩やリーダーをつかまえて質問するのは大変勇気のいることです。ただ、それでも思い切って聞くことが大切です。
「やっぱり聞くのはハードルが高い…」という人もいるでしょう。そういう人は、分からないことをまとめてメールやチャットソフトで送るという方法で質問してみてはいかがでしょうか?
実際、筆者の後輩で人と話すのが嫌いで分からないことを聞くのが苦手、という人がいました。そこで、分からないことを都度聞くのではなく、箇条書きにしてチャットで送るように指示しました。そうすることで、彼は分からないことを解消することができたのです。
文章であれば書いた後に「見直す」こともできるので直接聞くよりもハードルは下がります。言い間違えるということもありません。
なお、文章を書く際は、最低限以下のことに気を付けておくとよりやり取りがスムーズになります。
●文章が簡潔であるか?
●文章を読み返した際に理解できるか?
●文章の目的が伝わるか?
ケースにもよりますがいきなり「〇点質問があります。」よりも、
「1点目については〜ですが、〇をしたほうがよいでしょうか?」
「2点目については〜ですが、〇をしたほうがよいでしょうか?」といったように文章の構成を工夫してみてもよいでしょう。
もちろん、直接聞けるのであれば、その方がよいです。自分の考えていることを言葉で伝える技術は重要です。SEはお客様の前でシステムの説明やプレゼンを行う機会もあります。お客様からの質問を把握して、答えるスキルは重宝します。
最初から上手く話せる必要はありません。話すことが苦手でも少しずつ、人と話すことに慣れていってください。
苦手意識がなくなれば話すことは怖くなくなります。円滑に仕事をしていくためにはコミュニケーション能力は大事な要素です。そして、円滑にコミュニケーションを取れる人は成長も早いです。
「できる新人SE」になる方法(2)最新技術の情報を常にチェックして勉強する
ITエンジニアは、常に勉強が求められます。なぜでしょうか?それはIT技術が日々進化しており、技術の移り変わりが非常に激しいためです。そのため、新人時代から勉強するクセをつけておく必要があります。新人エンジニアであれば、基本情報技術者などの資格を目標としてもよいでしょう。
また、最近はオンラインで、かつ低価格でプログラミングを学べるサイトなども多数あります。こういったものを活用するのも良いでしょう。
自己研鑽により得た知識・経験は必ずあなたの武器となります。三日坊主でもいいと思います。まずは今日から何か始めてみてはいかがでしょうか?
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最初は何がなんだかわからないことが多いと思いますが、知るように努力すること。少なくとも言葉だけは知っておくこと。これができる人は必ず伸びます。
筆者は新人の頃、ITのシステム開発をしていましたが、何がなんだか分からないことだらけでした。自宅でもパソコンといえばネットサーフィンをするくらいでしたので専門用語だらけの現場でたいへん苦痛でした。
「どうしたら早く仕事に慣れることができるだろうか?」と考え、筆者は毎日仕事の帰りに本屋へ寄るようにしていました。本屋のITコーナーへ行き、とにかく分からなくてもIT関連の本を手にとって中身を見てみる。それを毎日30分以上続けていました。もちろん、ほとんどの内容はわかりません。
しかし、徐々に言葉を覚えていき、現場で先輩が言っていることが理解できるようになりました。今はさすがに毎日本屋へ行く事もなくなりましたが、1週間に一度は本屋のITコーナーへ行くようにしています。
そうすると新しい技術についての情報が得られるからです。分からなくても新しい情報に触れるようにしておくと、いつか点と点がつながるように理解できるようになります。とにかく分からなくても新しい情報を仕入れる習慣を持ちましょう。その習慣があるとないとでは、1年後に大きな差がつきます。
「できる新人SE」になる方法(3)憶測だけで仕事を進めない
仕事を進める上でわからないことがあったら、必ず確認することが大事です。「多分こうだろう」という自分の推測で物事を進めるほど危険なことはありません。
実際、現場で上司が常にいるわけではなく、すぐに聞けない場合もあるでしょう。
もし、自分の判断で進めなければならないとしたらバックアップを取っておくとか、何かあればすぐに元の状態に戻れるようにしておきましょう。
実際、筆者の後輩が共有で利用しているサーバー上のファイルを勝手に削除してしまう、ということがありました。幸い、バックアップを取っていたので大事には至りませんでしたが、開発チーム全体に迷惑をかけてしまいました。
もちろん、仕事をする上で失敗はつきものです。ですが、失敗はない方がいいし周囲に迷惑をかけることは少ない方がいいのは言うまでもありません。モノゴトを予測してリスクヘッジをできることも大事な能力です。「これは勝手にやったら危ないなあ…」というアンテナを持っている人は後々伸びていきます。
「できる新人SE」になる方法(4)学生と社会人のギャップにめげず諦めない
「諦めない」こと。全てはこれがなければダメ!というくらいに必要なことです。これはITに限ったことではありません。
筆者が現場で見てきた新人の技術者が口を揃えてこう言います。「学生時代の勉強と実際のITの現場がまるで違う」と。いままで勉強してきたことで全く歯が立たないと多くの人が自信を無くしてしまいます。実際にITが向いてないと言って辞めていく人達も筆者は多く見てきました。
それでも諦めずに続けること。正しい方向に努力していれば多少遠回りになっても、必ず成果は出ます。正しい方向への努力とは、今回説明したことです。あなたが好きでITの世界に飛び込んだのなら、多少辛くてもあきらめずに続けてみてください。
まとめ
「できない新人SE」から「できる新人SE」になるためのコツについて説明してきました。今回説明したことは社会人として当たり前のことかもしれません。しかし、それを続けられる人は意外と多くありません。今回説明したことを続けられる人は必ず伸びます。それは筆者が現場で多くのITエンジニアを見てきた経験から断言できます。当たり前のことを確実にやる。それがあなたを成長させてくれるのです。
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