このような疑問を抱いたことはありませんか?本記事はセキュリティエンジニアがやめとけと言われる理由や働くメリット、未経験から目指す方法などについて解説しています。
セキュリティエンジニアに興味があるという方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
- 勤務時間が不規則になる恐れがあり、仕事の責任も大きい
- トラブル時には迅速な対処が求められ、プライベートの時間も削られる可能性がある
- 最新のセキュリティ技術を常にキャッチアップする必要がある
- セキュリティエンジニアの重要は高く将来性もある
- スキルアップすることで豊富なキャリアパスが得られる
セキュリティエンジニアはやめとけと言われる理由
早速ですがセキュリティエンジニアがやめとけと言われる理由は4つあります。その内容とは以下のようなものです。
それぞれの詳細について解説していきます。
深夜対応や休日出勤などがあり勤務時間が不規則
セキュリティエンジニアが対応するサイバー攻撃はいつ起きてもおかしくないものです。24時間365日監視が必要なシステムだと、夜間や休日の対応が求められることもあります。
これがセキュリティエンジニアはやめとけと言われている最初の理由です。不規則な時間で働いていると心身ともに負担は大きくなります。
実際に激務だと感じているセキュリティエンジニアは多い傾向です。
夜間勤務や休日出勤の可能性は所属する企業の体制によりますが、業務内容から言えば平日の昼勤務以外が存在してもおかしくないと言えます。
重大なセキュリティトラブルへの対処など強いプレッシャーがかかる
セキュリティエンジニアは文字どおりセキュリティに特化した業務を担う職種です。
実際にセキュリティトラブルが発生した場合、金銭的被害や社会的信用の失墜など企業が受けるダメージは計り知れません。
当然ながらセキュリティエンジニアの責任は重く、常にプレッシャーを感じることとなります。
このような背景もセキュリティエンジニアが「やめとけ」と言われている理由のひとつです。
リスク回避のために対策を考える段階からすでに責任が発生するため、人によっては「心休まる時間なんてない」と感じられる可能性があります。
迅速な対応を求められプライベートに影響が出ることも
業務を続けている中でトラブルが発生した場合、セキュリティエンジニアには迅速な対応が求められます。
緊急の防衛策・復旧作業・事故を受けての改善や対応など、一連の流れすべてにスピードを要求されるのが実情です。
セキュリティトラブル発生時に自身のリソースを最大限割く必要がある点で、セキュリティエンジニアはやめとけと言われています。
プライベートに影響が出る恐れもありますが、顧客の情報を守るのがセキュリティエンジニアの仕事であるため納得しなければならない部分です。
事故の内容によっては対応が数か月続くこともあり、その場合に想定される負担はかなり大きなものとなります。
セキュリティエンジニアが担う業務ならではの「やめとけ」と言われる理由です。
普段から最新のセキュリティ技術を学ぶ必要がある
普段から最新のセキュリティ技術を学ぶ必要がある点も、セキュリティエンジニアはやめとけと言われる理由です。
セキュリティエンジニアに限らず、知識のアップデートができないエンジニアはいずれ必要とされなくなります。
技術の進化はサイバー攻撃の進化と同義です。セキュリティエンジニアが最新知識を学ばなければ、将来にわたって企業の情報を守ることはできません。
業務時間外の時間も使って、新たなセキュリティ技術をキャッチアップし続けることが求められます。
セキュリティという責任ある領域だけに学習時間の重要度も増すことが、セキュリティエンジニアにおける「つらさ」「やめとけ」と言われる点のひとつです。
セキュリティエンジニアとして働くメリット・魅力
これまで見てきたとおり、確かにセキュリティエンジニアはやめとけと言われる部分があります。
ですがマイナス要素ばかりを見て、セキュリティエンジニアという職種を判断するのは間違いです。
ここではセキュリティエンジニアとして働くメリット・魅力について解説していきます。押さえておきたい内容は以下のとおりです。
セキュリティエンジニアの仕事はなくなることがなく将来性も高い
さまざまな業界でIT化が進み、インターネットやIoTデバイスの普及が進んでいます。
技術が進化すればサイバー攻撃やハッキングの手法も増えていくため、セキュリティに関する課題が尽きることはありません。
したがってセキュリティエンジニアの仕事がなくなることはなく、今後も需要の高い状態が続くと考えられます。
セキュリティソフトの自動化によりセキュリティエンジニアの仕事がなくなるという声もありますが、ソフトの運用・保守は人間の手によるものです。
新しいサーバーやネットワークを構築する際にもセキュリティの考慮は必要となるので、これから先もセキュリティエンジニアの力は求められていくと言えます。
人材不足の深刻化に伴い需要が高くなっている
ITエンジニアの不足と同様に、セキュリティエンジニアも人材不足の状態です。
情報セキュリティ専門資格を認定する国際的な非営利会員団体ISC2の調査(2023年版)によると、日本のセキュリティ人材は11万人不足とされています。
人材の数自体は前年よりも23.8%増加して48万659人となっていますが、需要も33%増加しているため人材不足は解消されていない状態です。
世界的な視点でもセキュリティ労働人口は増加していますが、重要ギャップは過去最大の400万人に迫っています。
セキュリティエンジニアの人材不足は深刻です。需要は続くだけでなく、さらに高くなっていくと言えます。
スキルアップに伴い豊富なキャリアパスを歩める
セキュリティエンジニアの魅力として豊富なキャリアパスが挙がります。
同分野のステップアップ先として考えられるのは、セキュリティアナリストやセキュリティコンサルタント、セキュリティアーキテクトなどです。
ハッカーからのサイバー攻撃を防ぐ「ホワイトハッカー」という選択肢もあります。
インフラ系エンジニアへの転職ならば専門知識を活かせますし、上流工程の経験があるならマネージャー職も可能です。
企業に属さずフリーランスのエンジニアになる道もあります。
セキュリティエンジニアの基本情報【仕事内容・年収】
ここでセキュリティエンジニアの基本情報についておさらいしておきます。
セキュリティエンジニアの仕事は、セキュリティに配慮したシステムの設計・構築・運用・保守にかかわることです。
万が一セキュリティトラブルが発生した場合には率先した対応が求められます。
必要なスキルとしてセキュリティに関する専門知識は当然のこと、顧客へヒアリングする機会もあることからコミュニケーション能力も必要です。
求人ボックス給料ナビによるとセキュリティエンジニアの平均年収は551万円となっていて、全体の給与幅は356〜1,031万円と幅広い値が出ています。
フリーランスになると平均年収817万円、最高年収は1,560万円(フリーランススタートの2021年調査)という金額です。
いずれの数値も日本の平均年収458万円(令和4年分民間給与実態統計調査結果について)を上回っています。
セキュリティエンジニアに向いている人の特徴
セキュリティエンジニアに向いている人の特徴について解説していきます。
セキュリティエンジニアにとって常に向き合わなければならないのが責任の重さです。ゆえに責任感の強い人が向いています。
次に言えるのが根気強い人です。セキュリティトラブルの対応には時間と手間が必要となります。根気よく仕事を続けられる人でないと務まりません。
最後に言えるのは新しい技術を抵抗なく吸収できる人です。セキュリティに関する技術は常に発展しています。
最新技術をキャッチアップできないと、セキュリティエンジニアとして活躍し続けられないからです。
セキュリティエンジニアに向いていない人の特徴
反対にセキュリティエンジニアに向いていない人の特徴はどうでしょうか?
まず責任感がない人や根気がない人はセキュリティエンジニアに向いていません。普段から大雑把であったり、中途半端な仕事をしたりする人も適性が低いと言えます。
また勤務時間が不規則であることから、計画に沿って過不足なく働きたい人もセキュリティエンジニアはやめておくべきです。
セキュリティエンジニアが魅力的だからと言って向いていないのに働き続けるのは、「つらさ」を生むことにもなります。
自分の性格を正しく判別してセキュリティエンジニアに向いているかいないかを判断しましょう。
未経験からセキュリティエンジニアになるには
最後に未経験からセキュリティエンジニアになる方法について解説していきます。
最初に言っておきたいのは、未経験からいきなりセキュリティエンジニアになるのは難しいということです。
現実的には別分野のエンジニアとして経験を積みながら、セキュリティに関する知識を取得していく方法をおすすめします。
その過程の際に参考にしてほしいのが、以下に続く2つのポイントです。
スクールや資格でセキュリティやITの基本知識を身に付ける
まずはITに関する基本知識を身に付ける必要があります。セキュリティエンジニアと親和性のあるインフラエンジニアやシステムエンジニアを目指して勉強を進めましょう。
理解度や効率性を求めるならスクールの利用がおすすめです。
無事企業エンジニアとして働くことになれたら、業務をこなしながらセキュリティエンジニアの知識を証明できる資格も取得します。
このような段階を経てスキルと経験を積めば、未経験からでもセキュリティエンジニアに挑戦できる土台を作ることが可能です。
スクールについては本格的なセキュリティエンジニア向けコースもありますが、まったく基礎知識がないままの受講はおすすめしません。
セキュリティエンジニアにおすすめの資格
セキュリティエンジニアの知識を証明するのにおすすめの資格を紹介します。
名称 | 資格について | 合格率 |
---|---|---|
情報処理安全確保支援士試験 |
サイバーセキュリティ関連で最初の国家資格 情報セキュリティに関する知識・技能を有するものとして、企業等における情報セキュリティ確保の支援が可能に |
20%前後で推移 |
CompTIA Security+ |
セキュリティエンジニアを目指すにあたって最初に取得をすすめる資格 業務上必要とされるセキュリティスキルを網羅 |
公表なし・難易度は低め |
公認情報セキュリティマネージャー(CISM) |
情報セキュリティマネジメントの知識と経験を認定する国際的資格 セキュリティシステムの設計及び監督を行うリーダーが対象 受験の前提条件ではないが、認定されるには5年以上の実務経験が必要 |
公表なし |
シスコ技術者認定 |
シスコシステムズ社が認定しているネットワークスキルを証明する資格 ネットワークやセキュリティなどの知識やスキルを証明 未経験向けのエントリーレベルから上級者向けのエキスパートレベルまで |
全体的な数値は20~30% |
情報セキュリティマネジメント試験 |
情報セキュリティ管理の知識やスキルを身に付けられる資格 セキュリティエンジニア向けの国家資格で入門編に当たる |
61.2%(令和4年上期) 52.0%(令和4年下期) |
IT業界に特化した転職エージェントに登録しサポートを活用する
実際にセキュリティエンジニアへ挑戦する際は、IT業界に特化した転職エージェントに登録しましょう。
需要の高いセキュリティエンジニアですが、転職活動がスムーズに進む保証はありません。
これまでに取得してきたスキルや経験を活かせる企業の選択、応募先に有効なアピール方法など、得られる情報やメリットは複数あります。
プロのサポートを活用して働く環境についてもしっかり検討しましょう。
【まとめ】セキュリティエンジニアはやめとけ?
ネットを検索してみると「セキュリティエンジニアはやめとけ」という意見が見られます。
責任の大きさや業務のプレッシャー、トラブル発生時の対応方法などに関しての厳しい印象が理由です。
まったくの未経験からセキュリティエンジニアを目指すのは難しく、実現するにはセキュリティ関連にとどまらない幅広い知識と経験が必要になります。
業務の面で厳しく目指すハードルも高いセキュリティエンジニアですが、将来的にも尽きることのない需要の高さは魅力的なメリットです。
さらに年収を高められる豊富なキャリアパスも揃っています。エンジニアとしての大きなやりがいを求める方には最適の仕事です。
この記事を契機にぜひセキュリティエンジニアについて深く検討してみてください。