新卒採用の面談の機会も増えてきているこの時期。今回は新卒採用担当者の皆様のお力になれればということで、面談の際に投げかけてみてもいいのでは?という質問をご紹介したいと思います。特に特定の職種の採用の場合に限らず使えるので、面談で「就活生の人物像や志向性を見極めたい」という場面で力を発揮すると思います。
新卒採用の面談での質問の鉄板といえば、
「あなたが憧れている人は誰ですか?」
「将来あなたはどうなっていたいですか?」
といったところでしょうか?ただこれらの質問から面談をしている就活生の自己理解力や人物像を読み取ることは難しいと言えます。
ではどんな質問を投げかけると、採用担当者は就活生の本音をより具体的につかみとることができるのでしょうか?
1つその解となるものをご紹介したいと思います。
それはストーリー性のある作品、例えば漫画のキャラクターの中で「どのキャラが好きか」を質問すること。深掘りすることでその就活生がどんな人でありたいと思っているかを知り、その志向性をつかむことができます。
ジェネレーションギャップが発生する可能性があるため、きちんと最新の漫画をキャッチアップしておくことが前提になる点だけが弱点なのですが、少なくとも
「あなたは、親しい人からどんな人だと言われますか?」
「あなたの強みや弱みを教えてください」
というような定番の質問を投げかけるよりは、よりその人の人物面・志向性を把握することができると筆者は経験上感じています。定番の質問に対しては、当然就活生も返答を事前に用意しているため実像を把握することは難しいでしょう。質問の意図としては同じでも、少し聞き方に変化を持たせることで、就活生のリアルな人物像や志向性が浮かび上がりやすくなります。
実際に新卒採用面談に限らず、インターンシップ採用の面談の機会や中途採用面談の機会でも、私はこの質問を多用しています。
自分自身がかなりの数スポーツ漫画を読んでいるということも大きいのですが。もし面談をさせて頂いている方が漫画はあまり読んでいないという場合には、映画を例にしたり、小説を例にとったりしています。
例えば、筆者でいえば、漫画の場合には
スラムダンクでいうところの三井寿
弱虫ペダルでいうところの金城真護
はじめの一歩でいうところの伊達英二
ドカベンでいうところの里中智
この例から読み取れるのは「際立った才能があるのではなく、自分の特性を生かし、創意工夫、努力でなんとかしてきているキャラクター」ということ。そういった人間像に憧れている傾向が、自身の行動や思考の在り方などにも反映されていると思います。
実はフロイトという心理学者が提唱している、「同一視」という現象があります。人は自分がこのような人でありたいという姿を誰かに重ね合わせているものです。
漫画や映画の主人公やキャラクターに、私たちは憧れ、共感します。その際、自身とあまりにかけ離れた人格よりも、そのキャラクターが持っている良い資質を自身で取り入れられそうなキャラクターに思い入れが強くなるはすです。自分を他の誰かと重ね合わせ、言動などをまねることによって自分自身の価値を高めていこうとする心の働き。それこそがフロイトのいう、「同一視」という行為です。
そう考えると、自分を重ね合わせたいと思える対象がどんな特性をもったキャラクターなのかを聞くと、その人の志向性を把握できますよね?
ぜひ試してみてはいかがでしょうか?漫画ネタが難しい場合には応用をきかせて、特徴あるキャラクターが複数出てくる映画や小説などでも同じような質問ができると思います。