エンジニアを志望していると、日本より海外(特にアメリカ)のほうが給与が高いという話はよく聞くと思います。
今回はその話が本当かどうか紹介していきたいと思います。また、その差が生まれる理由はどんなところにあるのかといったことにも触れていきます。
アメリカと日本におけるエンジニアの給与を比較してみた
さっそくアメリカと日本におけるエンジニアの給与を比較してみたいと思いますが、調査範囲が狭いとデータの信頼性がないので、いくつかのサイトを用いてエンジニアの給与を調査してみました。
日本の調査は様々な年収情報を掲載している年収ラボ、転職サイトのDODA、アメリカの調査にはGlassdoorというアメリカの企業CGMサイト、求人情報検索サービスとして有名なindeedを用いています。
では早速給与を比較してみます。
日本
まず、年収ラボの結果です。エンジニアの平均年収は598万円という結果でした。また、年収ラボでは男女間別の年収も出していて、男性平均年収は615万円、女性平均年収は499万円と男女でも結構な差があることがわかりました。さらに、企業規模別でも年収を出していて、企業規模が1000人以上だと754万円、100~999人で539万人、10~99人で459万円という結果でした。
企業規模が大きいほど給料がよくなるのに違和感はありませんでしたが、男女間で差があるのには少し驚きです。
DODAでは、エンジニアをもう少し細かくして給与を比較しています。例えばエンジニアといっても設計などはせずにコードを書くのがメインのSE・プログラマは448万円、サーバー関係のエンジニアであるサーバーエンジニアは485万円という風に。
すでに例で出してしまいましたが、SE・プログラマは448万円、サーバーエンジニアは485万円、ネットワークエンジニアは464万円、社内SEは549万円という結果でした。年収ラボと比較してだいぶ低いのが気になります。
これはおそらく年収ラボが主に上場企業を対象とした調査結果のためだと考えられます。それに対してDODAは転職サイトなので、上場企業だけでなく中小企業のデータも含まれているため、年収ラボに比べ低くなっているのだと思います。
また、DODAでも男女別の平均年収を出しており、男性平均年収は500万円、女性平均年収は419万円とやはり差がありました。しかし、他の職種の男女別の年収をみてみると、エンジニアは年収に男女差があまりない職業だというのがわかりました。
例えば、投資銀行業務の場合、男性平均年収は998万円なのに対し、女性平均年収は653万円でした。約300万円も差があります。エンジニアの場合は約100万円なので、女性にとっては差別がなく入りやすい業界かもしれませんね。
アメリカ
まず、Glassdoorの結果です。エンジニアの場合は75,867ドルという結果でした。1ドル=100円とかんがえると、約750万円ですね。また、職種をさらに絞って、システムエンジニアで調べると、約900ドル、つまり約900万円でした。
indeedでも似たような結果で、エンジニアで約900万円、システムエンジニアで約960万円でした。日本に比べるとかなり給料が高いことがわかります。一体この給料の違いは何なのか、次はそのことについて触れていきます。
なぜこんなに差があるのか?
給料にこんなにも差がある理由は簡単です。アメリカと比べ、日本ではエンジニアの評価が低いからです。ではなぜこんなにもエンジニアの評価が低いのでしょうか?理由としては2つあります。
- エンジニアを評価できる人が上にいない
- 企業にとってITはコスト削減のためのものだった
エンジニアを評価できる人がいない
プログラミングは単純労働のように思われがちですが、実はソフトウェアの開発には単純なプロセスは少なくて、実際に開発することで様々な発見があり、それを企画側にフィードバックしながら開発する企画と開発プロセスが一緒になっています。
このことを理解していない上司や上層部が会社にいっぱいいて、エンジニアを単純労働者として認識してしまうために、エンジニアを正しく評価できていないのです。
対して、アメリカでは昔からマイクロソフトのビル・ゲイツがエンジニアから社長にまで成り上がったストーリーがあるなど、エンジニアを単純労働者として認識するのではなく、サービスやプロダクトを生み出す人として認識されていたために、エンジニアは評価の高い職業となっています。
ITはコスト削減のため
すでに書いてしまいましたが、アメリカではプログラミング、大きくいうとITはサービスを生み出すツールだと昔から考えられていました。それに対し日本ではシステムインテグレーターが今でもIT業界の大きな位置を占めていることから、ソフトウェアは外注して安く作る、つまりITはコスト削減のためのツールだという考えがあります。
コスト削減という考えだと、やはりサービスのクオリティがどうだという議論よりもいかにそれを安く作れるかといったところがメインの議論になってしまいます。すると、実際にソフトを作るエンジニアもいかに安く働かせるかという思考になってしまうのです。
最近では、ソーシャルゲームなどが流行ってきているお陰でIT=サービス・プロダクトを作るツールという認識になってきています。日本でのエンジニアの評価が上がり始める兆しが出てきたかもしれませんね。
まとめ
今回、アメリカと日本でのエンジニアの給与を比較してきました。まだまだアメリカの方がエンジニアの給与は高く、社会的地位も高いことがわかったと思います。
この記事を読んでアメリカでエンジニアとして働くことに興味を持った方はまずはアメリカでインターンシップを行うことから考えてみてはいかがでしょうか。
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