ロジカルシンキングとは?
はじめまして。現在大学4年生で、IT企業から内定をもらっている者です。皆さんの中には、ロジカルシンキングという言葉を聞いたことがあるけど、実際どんなものなのかよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
ロジカルシンキングは日本語に訳すと「論理的思考」であり、文字通り「物事を論理的に考えること」です。ロジカルシンキングは、面接やグループディスカッションなど、就活のあらゆる場面で必要となるだけでなく、エンジニアリングをする上でも必要なスキルです。
今回は、なぜロジカルシンキングが必要なのか、どうすればロジカルシンキングを身に付けられるのかについて、ロジカルシンキングに関する本を何冊も読んできた筆者が教えたいと思います。
ロジカルシンキングの目的
そもそも、なぜロジカルシンキングをする必要があるのでしょうか。ロジカルシンキングの目的は、「①問題を解決し、②解決策をわかりやすく相手に伝達すること」にあります。
何か問題にぶつかった際に、その問題を論理的に分析することで、問題が起こっている原因や解決策が明確になります。
ロジカルシンキングを使わずに問題を解決しようとした場合、「思いついた解決策をとりあえず片っ端から実施してみる」といった行動を取ることになり、本当に問題が解決されるかわからないまま闇雲に行動することになります。
また、仕事では多くの場合、複数人で問題を解決したり、解決策を上司に納得したりしてもらう必要があります。ロジカルシンキングを使って原因を特定し、それに対する解決策を考案することにより、「なぜこの問題を解決するためにその解決策が必要なのか」が明確になり、相手を説得しやすくなります。
ロジカルシンキングの基本は、2つの質問に答えられること
それでは、どうすればロジカルシンキングを身に付け、論理的に物事を考えられるようになるのでしょうか。ロジカルシンキングの基本は、「それだけなの?」と「本当にそうなの?」という2つの問いに答えられるようになることです。
例えば、「自社のカフェの売上が下がっているから、それを解決するための施策を考えてくれ」と上司から言われたとします。もし仮にそこであなたが「商品が美味しくないことが原因なので、もっと商品を開発しましょう」と言ったとします。
すると上司には次のような疑問が頭に浮かぶはずです。「本当に商品が美味しくないことが原因なのか?」、「そもそも、カフェの売上が下がっている原因として検討すべきものは、商品の味だけなのか?」
このように、論理的なアプローチをしなければ、問題に対する適切な解決策を見つけられませんし、相手を納得させることもできません。では、この場合、どうすれば論理的なアプローチができるでしょうか。
ロジカルシンキングではまず、「原因になる可能性のある全ての選択肢を洗い出し、その中から最も原因である可能性が高い選択肢を見つけ出す」ことが必要となります。まず、原因になる可能性のある全ての選択肢を洗い出すことにより、「本当に原因はそれだけなのか?」という疑問に答えられるようになります。
そして、その中から最も原因である可能性の高い選択肢を、データなどに基づき見つけ出すことで、「本当にそれが原因なのか?」という疑問にも答えられます。
原因のモレをなくすためにMECEを使おう
ロジカルシンキングを覚えたての方が最もつまずくのは、「原因になる可能性のある全ての選択肢を洗い出す」段階です。ここで選択肢が漏れてしまうと、問題が起こっている真の原因を見落としてしまうことになりかねません。
ここで重要になってくる概念がMECEです。MECEは、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの略で、日本語では「モレなく、ダブリなく」と訳すことが多いです。MECEとはその訳の通り、物事をモレやダブリのないように分解することを指します。
例えば、カフェに来た客を、「初めて来た新規の客」と、「一度以上来たことのある既存の客」に分けると、それ以外の種類の客はいないので、モレやダブリのない分け方になります。
一方、カフェに来た客を「アイスコーヒーを頼んだ客」と、「パンを頼んだ客」に分けてしまうと、「アイスコーヒーもパンも頼んでいないけど、ホットコーヒーを頼んだ客」などがモレてしまいますし、「アイスコーヒーもパンも頼んだ人」といったダブリも生じてしまいます。モレやダブリのない分け方をすることにより、問題が起こった全ての原因を洗い出せます。
先程の「カフェの売上が下がった原因」であれば、カフェの売上は「客数☓客単価」で導き出せるので、「客単価が下がったから」と「客数が減ったから」という2つの原因に分ければ、モレもダブりもなく売上が下がった原因を分解できます。
時折、ロジカルシンキングのためのフレームワークという言葉を耳にすることがあるかもしれませんが、それはあくまで簡単に物事をMECEに分解するためのツールでしかありません。
例えば、PESTというフレームワークは、Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の4つの頭文字を取ったもので、マーケティングを考える際に、広い視点でモレやダブリのないように環境を分析するためのツールです。要は、マーケティングを広い視点で考える際に、政治と経済と社会と技術について考えておけば、他に考えるべき要素などはモレていないということを保証してくれるわけです。
まずはMECEという概念を自分で使いこなせるようになってから、後々フレームワークを覚えていけばいいでしょう。
ロジカルシンキングの基本がわかったら、切り口を意識しよう
ロジカルシンキングの基本がわかったら、次は原因を分ける際の切り口を意識しましょう。
カフェの客数が下がった原因をさらに細かく分けたいと思います。その際、分け方は複数あります。
例えば、時間帯で分けて「朝か昼か夜の客数が減った」という風に分けることもできますし、先程の例で出したように「新規か既存の客が減った」という風に分けることもできます。
では、どの切り口を選ぶべきなのでしょうか。ここで忘れてはいけないのは、ロジカルシンキングはあくまで問題を解決するための概念だということです。もしカフェの近くに別のカフェができたなら、既存の客が奪われたのではないかという仮説が立つので、新規と既存で分けるのが適切でしょうし、最近女性向けのキャンペーンをやめたなら、男女で分けるのが適切でしょう。
自分が「これが問題の原因ではないか」と仮説を立てた原因が浮き彫りになるような分け方をするのがいいでしょう。この仮説を立てるという作業には経験が必要なので、実践を通じて切り口を学んでいきましょう。
1からロジカルシンキングを身につけるために読んだほうがいい本
最後に、ロジカルシンキングを学べるおすすめの本を紹介します。
【初級】世界一やさしい問題解決の授業
ロジカルシンキングについて、私が読んだ中で最もわかりやすく書いてある本です。すぐに読める本なので、ぜひ読んでみてください。
【中級】ロジカルプレゼンテーション
ロジカルシンキングをどう使うかについて、物語を通じてわかりやすく解説してある本です。ロジックツリーなど、ロジカルシンキングのためのツールも紹介されています。
【上級】イシューからはじめよ
ロジカルシンキングをどうすれば実際の仕事などでの問題解決に活かせるのかについて書いた本です。先程述べた「仮設を立てる」という方法についても詳しく書かれており、上級者向けの内容になっています。
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