IT業界に興味があるけど、志望動機が思いつかない。理系学生に比べると専門的な知識も少ないし、内定をもらえるのか。志望度の高い企業の選考が進んでくると、不安になりますよね。
実際、近年の就活はエントリーシートの提出〆切をはじめとする選考のタイミングが早くなっています。複数の企業の選考を受ける上で志望動機が上手く書けない事は深刻な悩みになりがちです。
そこで今回は、「未経験者でもIT企業に内定をもらうための志望動機の書き方」について解説していきます。本文の順番で考えを言葉にまとめていけば、志望動機の基礎部分は完成しますよ。
文系でも志望動機を工夫すればIT業界で内定をもらえる!
結論から言うと、IT企業の文系学生が理系学生に比べて不利だという事はありません。むしろ未経験だからこそ使える志望動機のポイントがあります。以下の3つの手順で志望動機を作っていきましょう。
<文系学生がIT業界の内定を得るために必要なステップ>
1.正直な気持ちを言葉にし、深堀りしていく
2.未経験だからこそ「関心・意欲」 を具体的に
3.企業研究は“具体的な業務内容”に焦点をあてる
順番に解説していきます。
1. 正直な気持ちを言葉にし、深堀りしていく
志望動機を作るにあたって、まずは以下の質問に正直な言葉で答えてみてください。このタイミングでは人事の方に伝える、という視点をいったん取り除きます。なお、各質問の回答例には実際の文系就活生の回答例を載せています。
まずは自分の正直な気持ちに沿って答えよう
①なぜIT業界のエンジニアになりたいのか。
・PCを使って仕事をしてみたいから
・ITという響きに憧れがあるから
・専門的なスキルや資格を武器にしたいから
・営業にはなりたくないから
など
②なぜその会社でエンジニアとして働きたいのか。
・未経験から学べる研修制度があるから
・有名なWebサービスを作っているから
・自身の成長につながると思ったから
・安定感のある大手企業だから
など
ポイントは「自分の正直な気持ち」を書きだす事です。そして出てきたものを繋げて、その志望動機で言いたい事を一言でまとめましょう。
(例)ITという響きに憧れがある。普段使っている有名なWebサービスの制作に関わりたい。
まずはこれで大丈夫です。そしてこれがとても重要な志望動機の「核」になります。
志望動機のカギは「何故?」と「何をしたい?」
エントリーシートの提出が必要になるといきなり志望動機を書こうとする人もいますが、ほとんどの場合うまく言葉がまとまらず〆切日だけが近づいてきてしまいます。
書き始める前にまず必要なのが「なぜ、IT業界に行きたいのか」を自分の言葉でまとめる作業です。そして、ここが文系学生・未経験者ならではのポイントで「もっともらしい理由を書こうとせず、正直な気持ちを洗い出す」事が大切になります。
皆さんは何故IT業界を志望しているのでしょう。面白そうだから?カッコいいから?給料がよさそうだから?あるいは、柔軟な働き方ができそうだから?
どれもどこかありきたりで説得力に欠ける印象がありませんか。例え正直な気持ちだったとして、これをそのまま面接官に伝えていいのかな、と疑問に思う人も多い事でしょう。
かといって、就職活動の準備を始める前まではIT業界に興味なんてなかった、という人がいきなり「御社のサービスを昔から活用しており……」「社会にとって重要な技術が云々」と綺麗な言葉を並べるのも少しむずがゆいかもしれません。
実は、志望”動機”という言葉で勘違いしてしまいがちですが、その会社を志望するきっかけはあまり重要な要素ではありません。むしろ無理に綺麗な演出をしようとするほど、選考で面接官が本当に確認したい要素からは遠ざかってしまいます。
志望動機に本当に必要な要素は「なぜIT業界で働きたいのか」と「その企業で具体的に何をしたいのか」です。
つまり、あなた自身の特徴と、その企業や仕事の特徴はどのように繋がっているのかを見せるべきなので「あなた自身が何を考え、どう行動してきたのか」がとても大切なのです。
自己PRを作る時には自己分析、志望動機を作る時には企業分析、と分けて考えている人もいるかもしれませんが、この2つは両方同時に進める必要があるんです。
<ポイント>
・「なぜIT業界で働きたいのか」と「その企業で具体的に何をしたいのか」が必要
・まずは、志望動機を一言でまとめる。正直な気持ちでいい。
まとめた自分の本音を深堀りして言語化する
では、たとえば上でまとめた「憧れているから」という理由をそのまま志望動機としてエントリーシートに書いたり面接で伝えたりすれば面接官はあなたの正直さを評価して内定をくれるのでしょうか。
結論からいうと、そんなことはありません。
さきほどまとめた内容をより深く掘り下げていきましょう。自分が出した結論に自分でツッコミをいれながら、ここで初めて面接官に伝えるために表現を調整します。あなたが志望動機としてアウトプットした文章や発言は、この就活という場ではあなたという人間そのものを表すのです。
面接官はあなたの保護者でも友達でも先生でもないので、「何故そう思ったのか」「どのくらい真剣にその会社に向き合っているのか」という部分はきちんと言葉にしなければ伝わりません。これは就職活動に限らず、今後社会生活を送る上で必須となる狭い意味での”コミュニケーション能力”ですね。
(例)ITという響きに憧れがある。
→何故憧れがあるのか。IT以外にも興味のある業界との共通点は?
→憧れや興味があるなら、具体的にどれくらい理解しようとしているのか
(例)普段使っている有名なWebサービスの制作に関わりたい
→このサービスのさらなる普及/改善がもたらす効果とは……?あなたが制作に関わるメリットは?
(例) 専門的なスキルや資格を武器にしたい
→武器にするとは?スキルが身についた後はどうするの?
少し踏み込んだアドバイスをすると、ここでは「雇う側の視点」を大切にしましょう。上記掘り下げでもわかる通り、「あなたが何を手に入れたいか」は必ず「あなたを雇う企業側のメリット」とセットで語る必要があります。
例えば、文系学生を歓迎しているIT企業は研修が充実している事もあります。ただそれはあくまで「未経験の人にも自社の戦力として働いてほしい」からこそ企業側は研修というコストを皆さんにかけています。
つまりここで志望理由として「研修が充実しているから」とだけ答えるのは、事実関係として間違っていませんがコミュニケーションはまるでとれていません。次のパートと重なりますが「研修を受けた先の自分がどれだけ企業に貢献できるのか」という視点を大切にして表現を見直してみてください。
<ポイント>
・一度結論をまとめてから、深堀していく
・企業側の視点を大切にする
なお、この作業はとても重要ですが、同時に一人だけでは行いにくい作業でもあります。IT業界・SEに強いエージェントに話を聞いてもらうことで、志望理由や自分がIT業界を志望する上でのポイントが整理しやすくなります。さらに、各人に合った未公開の求人情報も紹介してもらえるので、まずは気軽に相談してみてはいかがでしょう。
2.未経験だからこそ「関心・意欲」 を具体的に
IT業界には未経験者・文系出身者を歓迎する募集が数多くあります。募集要項に理系限定、と書いていなければ、基本的に文系理系という属性による有利不利は発生しにくいです。
ただし、情報系の学部に通う学生に比べて基礎知識の面で劣るのは事実。そこで、文系学生の場合は「興味・関心」や「意欲」のアピール要素が大切になります。
企業についてあらかじめ調べる事で意欲を表明
例えば、選考を受ける会社の主力サービスの展開、強みや弱みを調べている、というのは企業からは意欲的だと評価されやすいでしょう。この際、全体のバランスを確認しながら、出来るだけ具体的に記す方が良いです。
「御社の〇〇というサービスに魅力を感じた」よりも「御社の〇〇というサービスの△△な点が□□だと魅力的に映った」と言葉にできれば理系学生にも負けない志望動機を形成できます。
その会社のサービスや製品、特長については理系学生だから詳しい、文系学生だから詳しくない、なんてことはありませんよね。興味・関心を具体的にアピールできる1つの基本ポイントです。
実際に行動を起こせる人は評価されやすい
他にも、何か興味・関心に沿って行動を起こしている人は高く評価される事が多いです。
例えば「ITの知識を学ぶために本を読んでいる」「プログラミングを勉強している」などですね。自発的に行動をしておくことで「御社の研修制度を活かして”さらに”自身の技術を向上させ……」という表現を使う事ができます。
注意点としては、一切学習をしていない、これから始めようとしている、という状態ではあえて言うような事ではありません。
前述の通り、あなたが志望動機としてアウトプットした文章や発言は、この就活という場ではあなたという人間そのものを表しています。行動と言葉に大きなズレがないようにしましょう。
また、行動アピールに資格取得を行う人もいますが、その資格が選考を受ける企業で必要とされるものかどうかはよく確認しておきましょう。無暗に取得しても意味はありません。
極端な話ですが、IT企業、特にエンジニアの採用において「自分で作ったアプリやシステム」が既にあると、知識・経験の詳細を客観的に判断しやすいです。
これは文系理系という区分では一概にくくれませんが、おそらく確率的には文系学生の中で自作のアプリを提示できる人はほんの一握りでしょう。だからこそ「努力したこと、出来ることを客観的に説明する事」が大切なんですね。
あくまで新卒採用は中途採用のような経験者とは区別されています。現時点でのスキルが不足していても「これからの伸びシロ、活躍可能性」が見いだせれば採用、というケースも多くあります。
全く行動に移せていない人はまずその企業の事を調べる所から始めましょう。そこでエンジニアとして働くにあたって必要とされるスキルやマインドは何なのか、自分の特徴と合致する部分はないか、手軽に確認できる要素であり、とても重要な要素でもあります。
<ポイント>
・IT業界(その企業)への関心を行動で示そう
・行動がまだの人は企業を調べる所から
志望動機できっかけしか書かないのはNG
ちなみによくある志望動機のNG例として、そのサービス・製品のファン目線で書いてしまう、というものがあります。「小さい頃から御社のサービスを活用しており(大好きで)……」のような書き出しで始まる文章ですね。
興味を持ったきっかけに触れる事は悪くはないのですが、それが志望動機の中心に据えられているとそれはそれで問題です。こういった構成の文章は就活対策本や公開されている内定者のエントリーシート例にも掲載されているのですが、実はあまり適切ではありません。
そもそも面接官からすると自社の選考を受けに来ている時点で、多少なりとも自社に興味がある事は明らかです。加えて、その熱量はあくまで消費者としてのものであることがほとんどで、サービスの生産者側の視点に欠ける事が多いのです。
志望動機の中で会社のサービスや製品について語る事は意欲のアピールになる、と本段落の冒頭でお伝えしましたが、伝え方には要注意です。
同様の理由で、むやみやたらに選考を受けている企業を褒めちぎるのも無意味です。大切なのはあくまで「入社後貢献できるかどうか」を伝えることです。
3.企業研究は“具体的な業務内容”に焦点をあてる
企業研究は特にエンジニア採用で選考を受ける場合、最重要といっても過言ではありません。というのも、”IT企業”と一口にいっても業態から働き方まで千差万別だからです。
IT企業では、新卒就活において主流である”総合職”というスタイルではなく、エンジニア(または技術者)という枠組みで職種を固定して採用されることが多いので、自身が入社後に担当する職務内容への理解は相対的に強く求められます。
また、志望動機の基本の考え方として「”その企業で”働く」事を前提として作成するため、当然企業毎にその企業毎の特徴を汲んだ文章を作っていく必要があります。
実はここ3,4年、就活スケジュールの全体的な短期化傾向により「志望動機の内容が薄い学生が増えた」という採用担当者は増える一方です。
裏を返せば、ここは文理関係なく準備量が明暗を分ける要素であり、文系学生がIT企業で就職するにあたって武器の一つとする事もできます。
繰り返しますが、志望望動機において大切なのは「なぜその会社なのか」「そこで自分はどんな力を発揮できるのか」です。ただし、個々の企業について理解するためには当然ですがその企業が属する業界の動きについても理解が必要です。
以下にIT業界を志望しているが、業務内容について実はよくわかっていないという人のために簡単なまとめを用意しています。あくまで個々の企業について調べる事が優先ですが、基礎知識があると理解もしやすいため、不安な方は確認しておきましょう。
IT業界やエンジニアについて理解をしておこう
ITは私たちの社会を支える重要な技術であり、いまやその重要性はインフラに匹敵します。家電、自動車、ゲームといった身近なものから業務用のシステムまで、IT技術が使用されていないものを探す方が難しいほど、私たちの生活と密接にかかわり、生活を豊かにしています。
IT業界の中にも様々な分類の企業が存在しますが、大雑把な理解として、「どんなタイプのものを作っているか」で分類しておくとよいです。ソフトウェア系、ハードウェア系、情報処理系、WEB系の4つに分類して簡単に解説します。選考を受ける企業はどれにあたるか考えてみましょう。
また、区分は年々複雑化しているので、これに完全に当てはまらなかったり、枠を超えて業務を行っていたりする企業も当然ですが、存在します。
<ソフトウェア系>
パソコンにおけるWindows等のOS(オペレーティングシステム)や、そのOS上で特定の作業を実行するペイント等のアプリケーションソフトを扱います。近年ではスマートフォンの普及によりAndroidやiOSなどのOSが誕生し、パソコン上での作業も複雑化してきたため、日夜アプリケーション開発がなされています。
<ハードウェア系>
こちらはパソコンにおける、パソコン本体や周辺機器(キーボード、マウス、モニター、プリンターなど)、そしてそれらを動かすための電子回路を扱います。インターネットなどのIT関連技術を利用できる携帯電話やスマートフォン、家電、ゲーム機なども総じてハードウェアと考えるのが近年の考え方です。メーカーとの境があいまいになりつつありますね。
<情報処理系>
システムインテグレータ(SI)とも呼ばれ、企業に情報システムの導入を行う際に必要となるすべてのサービスを提供します。ハードウェア、ソフトウェアの両方をカバーしていることが多く、ITに関する何でも屋さん、というイメージを持つ人もいるかもしれません。企業ではハードウェアの選定から、データベース構築、ソフトウェアの開発・管理・保守まですべての業務を請け負います。企業によってはエンジニア、というよりITコンサルタントとしてエンジニア業務への理解も必要になる、という形になる事も。
<WEB系>
企業向けのWEBサイト制作、ネットワーク構築サービスを行います。個人向けでも、ポータルサイト、SNS、ショッピングサイトを運営している企業もこの分類です。非常に業務や働き方の幅が広く、仮にエンジニアに比較的自由な勤務環境のイメージを抱いている場合、このWEB系のイメージかもしれません。企業のWeb担当者だったり、制作会社勤務だったり、在宅勤務だったり、エンジニアとして活躍の幅は広く門戸が開かれています。
皆さんが選考を受けている/受けようとしている企業は”IT”という技術とどのようなかかわり方をしている企業でしょうか。
同じIT系企業でエンジニアとして採用されても、提供するサービスが企業向けか個人向けか、自社サービスを持っているのか、受託開発をしているのか、などによっても業務内容は全く異なります。
まずはこういった大枠から掴み、個々の企業の特徴を抑える事が企業研究を進め、志望動機を構成する上でとても重要です。
まとめ:志望動機を見直して内定を獲得しよう
今回は文系学生がIT企業の内定を取るために志望動機の考え方と作り方について解説を行いました。再掲しますが、以下の3ステップが鍵になります。
1.正直な気持ちを言葉にし、深堀りしていく
2.未経験だからこそ「関心・意欲」 を具体的に
3.企業研究は“具体的な業務内容”に焦点をあてる
志望動機は他の就活生と、何より理系学生と差別化を図りやすいポイントになるので、足りなかった点を洗い出して、しっかりと構成を組み立てていきましょう。
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