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SE就活で求められる人材とは?採用担当が語る3つのスキルと就活対策

この記事のポイント

  • SE就活で差がつくのは理系・文系の違いではなく、スキル区分(S0〜S4)と社会人基本動作の有無の2点
  • 採用担当が本当に見ているのはコミュニケーション能力・全力で取り組んだ経験・文章理解と構成能力の3つ
  • いくら資格やスキルがあっても電話対応・敬語・ほうれんそうができない人は採らないというのが採用担当の本音
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著者プロフィール:某中堅企業人事部で採用担当者(面接官)をしていた経験と、転職エージェントとして多くの人事部採用担当者とのやり取りを経た経験をもとに、採用担当の「ホンネ」をお届けします。

「SEには理系が有利」は本当か?採用担当が明かす現実

毎年就活生の採用活動を見ていると感じるのは、学生がSEになるために必要なスキルや経験を勘違いしているなということです。「SEになる=理系スキルを持つ人が有利」という思い込みは根強く、その勘違いが採用活動を困難にしています。

採用で差が生まれるケース・生まれないケース

⚠️ 差が生まれるケース ✅ 差が生まれないケース
理系専門学校・高専出身でプログラミングを実践済みの学生 → 即戦力として別枠で評価。理系が有利なのはこのケースのみ 大学の学部が「理系」というだけの場合 → 採用担当の目線では文系とほぼ同じ土俵。大学名・学部名は関係ない

理系の専門学校などに通っていてプロ並みのプログラミングスキルや知識を持っている、というのなら話は別です。このような人材は、最初から別枠で採用されます。即戦力になれるのですから、当然のことです。しかし、出身大学が理系というだけであれば、文系出身の人と大した差はありません。

採用担当が実際に見ているもの:スキル区分(S0〜S4)

では、理系・文系を問わず採用担当が選考で判断基準にしているのは何か。それがスキル区分です。スキル区分(S0〜S4)の詳細はこちらの記事でも確認できます。

スキル区分 定義 採用担当コメント
S4 上級 独力でWebアプリなど完成度の高い制作物を複数作成済み 即戦力枠。面接よりポートフォリオで勝負。理系専門卒並みの別枠評価も
S3 中上級 応用機能(API連携・DB設計など)の実装経験あり 人気企業・大手SIer・メガベンチャーの実質的な選考ライン
S2 中級 簡単な制作物(Webサイト・アプリ)を自力で完成させた 一般的なIT企業の選考突破ライン。ポートフォリオがあれば面接で話が広がる
S1 初級 参考書・オンライン学習を1冊・1コース終えた程度 意欲として面接で話せる。研修が充実した企業であれば選考対象になる
S0 未経験 プログラミングの学習経験がほぼない 面接では意欲と社会人基本動作で勝負。技術は入社後でOK

一般的なIT企業の選考突破はS2以上、人気企業・大手SIer・メガベンチャーはS3以上が望ましい。

IPAの調査によれば、DX推進人材の不足は深刻化しており、IT企業が求めるのは即戦力の技術者だけでなく、育成を前提とした多様な人材です。だからこそ、理系スキルの有無より「伸びしろの見せ方」が選考の明暗を分けます。

出典:DX動向2024(IPA)

採用担当が本当に見ている3つのスキル

では、SEになるために求められる本当に大事なスキルとは何なのでしょうか。私が採用担当として面接の場で実際に感じてきたことをもとに、3つのスキルを解説します。

コミュニケーション能力──「孤独な仕事」という誤解を正す

「SEはパソコンに向かって一人で作業する孤独な仕事なのでは?」という思い込みを持っている就活生は多いです。しかし実際は逆で、SEはコミュニケーションが最も密度の高い職種のひとつです。

日本の人事部「人事白書2025」によると、2025年卒採用で企業が最も重視した能力はコミュニケーション能力(82.0%)で、2位の協調性(56.4%)を大きく引き離しています。SE職でもこの傾向は変わりません。

出典:人事白書2025(日本の人事部)

工程 主な相手 コミュニケーションの内容
要望ヒアリング クライアント 何を実現したいかを正確に引き出す
要件定義 営業・設計担当 クライアントの意図をシステム仕様に翻訳して合意する
設計・開発 開発チーム 仕様の意図を正確に伝え、認識ズレを防ぐ
納品・運用 クライアント・関係者 変更・障害を正確に報告・調整する

クライアントがこういう要望を出した、その要望を形にした要件がこれだ、その要件はなぜその機能に特化しているのか——このような議論を設計の場で毎日行うのがSEの仕事であり、論理的に話せない人間がチームに一人いるだけでプロジェクト全体が止まります。

面接でのアピール方法

「人と話すのが好きです」だけでは弱い。チームで意見が割れた場面でどう動いたか、相手の意図を汲んで言語化した経験があるかを具体的に話すことが重要です。グループワーク・ゼミ・アルバイトどんな経験でも、「相手の意図を汲んで言葉にした場面」に言及できれば評価対象になります。

夢中になった経験──体育会系もイベント企画も武器になる理由

なんと言っても、私が採用担当として一番見ていたのはここです。理系スキルのアピールばかりしてくる就活生と、全力で取り組んだ経験を語る就活生を採用担当として比較したとき、後者の方が圧倒的に記憶に残りました。

体育会系の部活に全力投球したのであれば、そこで体力をつけチームワークを培い、どんなときにもあきらめないという強いマインドを身に着けられるでしょう。体育会系の経験は、過酷なSEの仕事を続ける上で意外と役立つのです。

学生時代の経験 SEの仕事で活きる場面
体育会系の部活 長期プロジェクトでの粘り強さ、上下関係の中での報告・連絡・相談の徹底
イベント企画・実行 複数関係者の調整、スケジュール管理、予算管理、想定外への対応力
アルバイトでのリーダー経験 メンバーへの指示出し、顧客への説明、問題発生時の判断
ゼミ・研究室での発表 専門的な内容を他者にわかりやすく伝える言語化・資料作成力

ただ理系のスキルを勉強するだけでは身に着かない様々な経験をしている学生の方が、社会に出て頭角を現し活躍するのです。

この経験を面接で話すとき、①どんな状況で ②自分がどう動いたか ③その結果どうなったか ④その経験から身についた力は何か——の4段で話すと採用担当に伝わりやすくなります。

文章理解・構成能力──SEの仕事の大半は「書くこと」

SEになりたいなら文章を読めて書けるようになれというのは、私が新入社員に対して常に口を酸っぱくして言っていることです。なぜなら、SEは文章を読み書くことが、仕事の大半だからです。

工程 作成するドキュメント 求められる文章力
要件定義 要件定義書 クライアントの言葉をシステム仕様に翻訳する言語化力
基本設計 基本設計書 技術的な設計を非技術者にも読める形で記述する力
詳細設計 詳細設計書・プログラム設計書 開発者が迷わずコードを書けるように指示を書く論理構成力
テスト テスト仕様書・バグ報告書 事象を正確に記録・再現できる観察力と記述の正確さ
運用・保守 操作マニュアル・障害報告書 読み手を想定した説明力

ドキュメントが曖昧だと、次の工程の担当者が意図を誤解します。その誤解が後工程でバグになり、バグ修正のコストは発生が遅いほど指数関数的に増大します。だからこそ、文章力はSEにとって最重要スキルのひとつなのです。

大学のレポートや卒論を丁寧に書いてきた人は、SEに必要な文章力の素地がすでにあります。文系出身の学生がSEとして活躍することが多いのも、こういった理由からです。

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【番外編】「いくら資格があっても採らない」──採用担当が本音で語る社会人基本動作

いくら応用情報技術者試験やネットワークスペシャリストの資格を持っていても、電話対応ができない、敬語が使えない、報告・連絡・相談の「ほうれんそう」ができない、などという人は一緒に働くことができないのです。

面接の場で話しているとき、私が心の中で感じていたのは、「この人とプロジェクトを一緒に進めたとき、クライアントの前に出せるか」ということでした。

就活前に確認!社会人基本動作チェックリスト

・電話に出たとき、会社名・名前・用件を聞いて復唱できる
・敬語(尊敬語・謙譲語・丁寧語)を場面に応じて使い分けられる
・報告・連絡・相談を先手でできる(上司に聞かれる前に動ける)
・約束した時間・締め切りを守る習慣がある
・メールの宛名・件名・本文の基本構造を理解している
・初対面の人に対して笑顔で挨拶できる

このリストが全部できていれば、技術スキルがS0やS1であっても選考で十分に戦えます。逆に、S4のスキルがあってもこれができない人は採らない——というのが採用担当の本音です。

今の自分に足りないものが分かれば、残りの学生生活で間に合います。このリストは「できていない自分を責めるためのもの」ではなく、「就活前の自己点検ツール」として活用してください。

スキル

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「どんなエンジニアになりたいか」──面接頻出質問への答え方

「スキルがまだ低いから答えられない」と思っている就活生が多いですが、この質問を聞く採用担当の本音は、スキルの現状確認ではなく「自己理解の深さと成長意欲の確認」にあります。今の自分を正直に話したうえで、将来像を語れれば十分に評価対象になります。

回答の3段構造

ステップ 内容 回答例
① 現状の自分 スキル区分で示す。飾る必要はない 「今の自分はS1(参考書を1冊終えた程度)で、まだ成果物はありません」
② 入社後に身につけたい力 時間軸と内容を具体化する 「御社の研修を通じてWebアプリ開発の基礎を身につけ、2年目には要件定義の補助ができるようになりたい」
③ 5年後のエンジニア像 企業への貢献とセットで語る 「将来的にはコミュニケーション力を活かして顧客折衝ができるSEになり、プロジェクトをビジネス側とエンジニア側の橋渡しで進める役割を担いたい」

3つのスキルと回答の方向性を結びつけると、より説得力が増します。

・コミュニケーション力が強み → 「顧客折衝・上流工程が得意なSEを目指す」
・全力経験(チームマネジメント)がある → 「プロジェクトリーダーとしてチームを引っ張るSEを目指す」
・文章力が強み → 「要件定義や設計書作成に強いSEを目指す」

NG例と良い例

NG例 なぜNGか
「役に立つエンジニアになりたいです」 抽象的すぎる。どの就活生も言える内容で記憶に残らない
「まだわからないですが、成長したいと思います」 自己理解の薄さが伝わる。採用担当は入社後のイメージが持てない
「御社で学べることを学んで一人前になりたい」 受け身の印象が強い。企業への貢献視点が欠落している
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SE就活でよくある疑問Q&A

Q1:文系でもSEになれますか?

なれます。むしろSEの仕事はドキュメント作成・コミュニケーション・論理的な思考整理が大半を占めるため、文系の強みが直接活きる場面が多い。プログラミングは入社後の研修で習得できます。採用担当が見ているのは「ITに関わりたいという意欲の本気度」と「社会人として一緒に働けるか」の2点です。

Q2:プログラミング未経験でもSEの選考を受けていいですか?

受けてよい。スキル区分S0〜S1の状態でも、研修が充実した企業であれば選考対象になります。「勉強していない」と「始めたばかり」では印象が変わります。選考前に参考書を1冊でも始めていると、意欲として面接で話せるエピソードになります。

Q3:SEとPGの違いは何ですか?

SE(システムエンジニア)は上流工程(要件定義・設計)を担当し、PG(プログラマー)は設計書に基づいて実装を担当します。新卒入社の場合は最初にPGとして実装経験を積み、その後SEへ成長するキャリアが多い。「SE志望」と言いながらこの区別を説明できない就活生は多いので、面接前に最低限押さえておきましょう。

Q4:資格(ITパスポート・基本情報技術者試験など)は取っておいた方がいいですか?

取れるなら取っておいて損はありません。ただし、採用担当として「資格があるから内定」という判断はほとんどしません。それより「その資格を取る過程で何を学んだか」を話せるかどうかが重要です。社会人基本動作ができていれば、資格なしでも選考を通過する学生は多くいます。

Q5:理系と文系で内定率に大きな差はありますか?

選考全体で見るとほぼありません。差が出るのは「スキル区分(S2以上か否か)」と「社会人基本動作の有無」の2点です。大学の専攻が採用判断に影響するのは、即戦力採用枠(S4相当)のみです。

まとめ──SE就活で差をつける3つの準備

SEとして求められる人材とは、コミュニケーション能力に長け、学生時代に全力で何かに取り組んだ経験を持ち、文章を正しく読んで書ける人です。3つのスキルを整理します。

# スキル 一言で言うと
1 コミュニケーション能力 仕様を言語化し、複数の関係者の合意を取り付ける「翻訳・調整力」
2 全力で取り組んだ経験 誠実さ・粘り強さ・チームへの貢献意識は後から変えにくい。学生時代の今が積み上げ時
3 文章理解・構成能力 SEの仕事の大半はドキュメント。文章力が設計の品質と直結する

理系スキルは後から学べます。でも誠実さや人間力は今から積み上げるしかありません。これからSEになろうとしている学生は、ぜひこのことを頭に入れて残りの学生生活を充実させていただければと思います。

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