「そろそろ就職活動が始まるけど、自己分析とか面接とか、なにから始めたらいいのか分からない。」
「書店に行くと、ズラーっと就活本が並んでいるけど、本当に役に立つ本はどれなんだろう。」
本記事ではこのような悩みを持つ人に向けて、多くの内定を実際に獲得した学生の立場から、本当に役に立つ就活本を「自己分析」「業界/企業研究」「筆記試験」「エントリーシート」「面接」等のジャンルに分け、その中でも厳選した20冊を紹介していきます。
就活生が本を読むべき理由
「そもそも就活をするにあたって、なぜ本なんて読まないといけないの?」と思う方も少なくないかと思います。おっしゃる通り絶対に読まないといけないものでは勿論ありません。
しかし、読んでおいた方が有利になることは間違いありませんし、少しでも就活に不安を感じている方は読むことを強くお勧めします。理由は大きく2つあります。
1、やりたいことや価値観への思考が深まる
就職活動とは、数多ある企業の中から、「自分のキャリアにとって最も幸福な選択肢を選ぶための活動」です。もちろんこれまでの人生経験から、自己分析をし、今後のキャリアを考えることも素晴らしいですが、本を読むことで、それらの知識や考え方に磨きがかかります。
2、評価されやすくなる
面接やビジネスにおける考え方には原則があります。これらは一般の学生生活ではなかなか身に付けることが出来ないので、本を読むだけでも他学生と差別化することができ、就活で評価されやすくなります。
以上のような理由から、本を読むことは就活において納得のいく結果を残すための1つの手段であると言えます。
自己分析
自己分析は就職活動における最初のステップであり、最も重要なステップです。ここを正しい方法でしっかりやるかやらないかで、後の就職活動が納得出来るものになるかが決まると言っても過言ではありません。
マッキンゼーで14年間活躍した赤羽さんの著書です。2013年発売ですが、今なお売れ続けています。自己分析を始めると、自分が思っているよりも、「考えが深まらない」「自分からしても浅い思考になってしまう」「結局のところ自分の核はなんなんだろう」と言った悩みにぶち当たることがあると思います。この本はそんな時に、役立つ『思考法』を教えてくれます。抽象論だけでなく、具体的な手法についても学べるので、時間がない!という就活生にもお勧めできます。もはや知らない就活生はいないと思いますが、必読書です。
・さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0
一時話題にもなったストレングスファインダーが受けられる本です。ストレングスファインダー のみであれば、ネットでも受けられますが、就活生には著書で買うことをお勧めします。著書では、診断で明らかになった、それぞれの強みに対し、どういう仕事が向いてるか、どういう人と付き合うのがいいか、など具体的なアクションプランが書かれています。「あなたの強みと弱みを教えてください」という質問は面接では必ず聞かれると言っても良いほど定番ですが、この時に単に強みと弱みを羅列するだけでなく、一歩踏み込み「この強みがあるからこういう仕事がした/向いている」と言ったことまで話せるようになる。この本はそんな本です。
・ハーバードの自分を知る技術 悩めるエリートたちの人生戦略ロードマップ
ゴールドマン・サックス副会長等を歴任し、ハーバードのキャリア相談長を務めるロバート・スティーブ・カプランの著書。冒頭で、就職活動は、「自分のキャリアにとって最も幸福な選択肢を選ぶための活動」という風に書きました。この本は、自分にとって何が幸福で、何をすると幸福になるのか、自分にとっての成功とは何か、それをどうやって手に入れるか。こういったことを自分の中で明らかにする上で役に立つ本です。この本を読むことで、自分との対話を通して将来的なキャリアを考えることができます。
「死ぬ気でやれよ、死なないから」の言葉で有名な杉本太郎氏の著書です。この本では多くのワークシートを使いながら、読むだけでなく、考えながら自分の価値観やルーツを分析することができます。600ページあるので、余裕を持って可能な限り早く取り組むことをおすすめします。理想を言えばこの本に関しては、就職活動時に焦って読むのではなく、大学入学直後にでも行えていたら、就職活動時に大きく抜き出ることができると思います。
業界/企業研究
自己分析が完了したら次に行うべきは、業界/企業研究です。このステップでは、自己分析で見えてきた自分の理想とする働き方と、研究から見えてきたその業界/企業の時長を照らし合わせ、最適な業界/企業を定めていくことが重要です。
就活生の必須アイテム。網羅的に企業情報を掲載しており、志望企業決定には欠かせない一冊です。ただ、やみくもに全ての情報を読み込む必要はなく、辞書的な使い方ができると良いです。この本を持っておくメリットとしては、①企業から掲載料おとっていないため客観的な情報が手に入る、②網羅的な企業研究が可能、③各企業の比較ができる、④いくつかの年度の就職四季報を買うことで過去との比較が可能、と言った点が挙げられます。一方で、注意点としては、①「NA」「ND」といった表記があった場合は、別メディアで調べる必要がある、②データに若干の時差があり、エントリー時期は会社のHP等で最新の情報を得る必要がある、③独自データも含まれるため、他の書籍との比較はできない、といった点があります。投資家にも愛用される四季報をうまく使いこなせると、就職活動のみならず日本経済の読み取りにも役に立つのでおすすめです。
こちらも就活生の必須アイテム。東洋経済新報社から毎年出版されています。最新の2017年度版では、173もの業界を収録、各業界を基本的に見開き2ページで紹介しています。メインの地図(表)に加え、トレンド解説や欄外コラムなども掲載。業界ごとの規模や景気の良し悪しの比較に便利です。また、会社ごとの分析には向いていないので、「就職四季報」との併用をおすすめします。
・マイナビ2022 オフィシャル就活BOOK 内定獲得のメソッド 業界&職種研究ガイド (マイナビ2022オフィシャル就活BOOK)
業界&職種研究のやり方がわかりやすくまとめられています。ボリュームとしても200ページほどで四季報に比べて手軽かつ総合的に業界研究が行えます。優良企業を見つける際の判断軸や膨大な企業データの分析方法、そもそも優良企業とは何かといった点を学ぶことができます。
上記の本で、いくつか自分の志望業界が決まったら、その業界に特化して業界研究を行いましょう。こちらのシリーズでは、図を駆使し、各業界の現状、国内海外の動向、業界のビジネスモデルと仕事内容、組織図、法律、トレンド、最新動向などがわかりやすくかつ詳細に記載しています。
SPI
自分にあう業界/企業が決まり、早く面接で自分の思いや、やりたいことを伝えたい!となるかもしれませんが、多くの企業では、SPIがあり、ここを突破できないと人事の方と話すこともできません。そんなハメには合わないようにしたいです。とはいえ、ここに時間を割くのも勿体無いので、効率の良い方法を学び、SPIはサクッとクリアしちゃいましょう。
就活生の中でも人気の一冊。webテスト/テストセンター/ペーパーテストの3つの方式に対応しており、体裁としては問題集である。SPIには大きく、言語問題と非言語問題があります。言語問題は、教科に例えるならば国語である。対して非言語問題は数学である。この本はこの両者をカバーしています。また、SPIの対策本はいくつかありますが、大事なのは一冊を繰り返し解くことです。この本は、長い期間毎年出版され続けており、解説の詳しさなど質の高さから就活生からの人気があるので安心して使うことができます。どのSPI対策本にしようか迷っている就活生にはこの本を一冊、繰り返しやりこむことをおすすめします。
上記で紹介した、「これが本当の受かるSPI3だ!」のシリーズで、テストセンター方式に特化した対策本です。テストセンター方式の出題範囲に特化しているため、自分の受ける企業の出題方式がテストセンターのみという方は、上記と併用しながら使うことをおすすめします。テストセンター方式でのみ実施される構造的把握力検査などオプション検査にも対応している他、難易度の高い問題も網羅しているため、上記で基本を一通り終えてから本書で更なる実力アップを図れるでしょう。
上記2冊が問題集形式の対策本とすれば、この本はでは、問題集を始めるにあたって、自分の受ける企業でどの種類のテストが出るのかを調べることができます。SPI対策サクッと効率的に終えるにはこちらも必読です。
エントリーシート
筆記試験の対策はバッチリ!次はエントリーシートを完成させましょう。人気企業には毎年数えきれないエントリーシートが就活生から届き、その中から「おっ」とくる就活生を選び、面接に進みます。しっかり読んでもらうことはもちろん、数あるエントリーシートの中から選ばれるようなものにするためにも、本を読み、戦略的に作りましょう。
著者は、リクルートグループで20年間以上雇用の現場に携わってきた海老原氏です。この本は、様々な実例から、「企業が何を思っているのか」「なぜそんなことをするのか」といった点について詳しく解説しています。中身は学生側の31の質問に対し、著者がバッサリと回答するという形式で、進んで行きます。例をあげると、「いまでも学閥ってあるんですか?」「エントリーシートってやっぱり重要ですか?」など。この本を読むことで、採用側が毎年数えきれないほど届くエントリーシートをどういった視点で見ているのかがわかってきます。少しネタバレにはなりますが、結局のところ企業がエントリーシートで見ているのは、「仕事がきちんとできるか」「仲間とうまくやれるか」といった2点に尽きます。これをしっかりと自分の中で理解するだけでも、エントリーシートの質が格段に上がるでしょう。必読の一冊です。
・内定勝者 私たちはこう言った! こう書いた! 合格実例集&セオリー2022 エントリーシート編
内定を勝ち取った学生の実際のエントリーシートをベースにした本。この本の良い点は、①自己分析から業界分析、自己PRまでエントリーシートを書くのに必要なことが網羅的に学べる、②掲載されている学生のレベルが高い、③テクニックとしても有用なものが多く掲載されている、④自分の強みや志望動機をブラッシュアップさせていく過程がロジカルにわかる、⑤購入者限定で、メールでの相談にも対応、といった点が挙げられます。
500ページ以上のボリュームのある本だが、そのうちおよそ400ページは、実際に大手企業に内定した学生のエントリーシートです。エントリーシートを書く上で、実際にどういうものが通過しているかを、見ることができるます。書き方、文章表現方法については非常に参考になるかと思います。注意点があるとすれば、掲載されているエントリーシートが、私立文系出身のものに若干偏っている点です。
面接
エントリーシートが通ると、いよいよ面接です。気を抜かずしっかり対策し、内定を勝ち取りましょう。筆者の体験談でもあるのですが、ここで対策を怠ってしまうと、頭の中では言いたいことが決まっているのに、いざ面接になった時、「言いたいことがうまく言えなかった。」「こういう言い方にすればよかった」といった後悔をすることになってしまいます。
・1週間の面接に自信がつく本
キャリアコンサルタントの資格を持つ渡辺幸さんの著書です。伝えたいことは決まったけど、いざ面接となると苦手意識が出てしまい、うまく自分を伝えきれない。こういった悩みを持った人にオススメの本です。心理学を用いて、面接に自信を持つための方法が多数掲載されています。タイトルにもあるとおり、わかりやすく体系立ててまとめられているので、1週間で通読できるないお湯となっています。面接に心理的な不安を少しでも抱えている人にはぜひ手に取っていただきたい一冊です。
・面接官の心を操れ!無敵の就職心理戦略
メディアでも有名な、あのメンタリストDaigoさんによる著書です。コアメッセージは面接は「好感度」で決まる、という考え方。この好感度を得るための、心理学的手法が分かりやすく学べます。面接時の服装から喋り方といった細かい部分まで、心理学的なポイントが学べます。また、面接のテクニックに加えて、自分にとっての理想の仕事の選び方についてもこの本で学ぶことができます。一般的なQ&A的な面接対策本とが違い、読み物としても非常に楽しく読み進めていける本になっているかと思います。就活の息抜き的な意味でもオススメの本です。
・受かる!面接力養成シート
面接で聞かれる質問に対して、実際にシートに書き込みながら読み進めていくタイプの本です。面接では事前準備が非常に重要で、頭では言いたいことが決まっていても、いざ喋ろうとすると支離滅裂な文章になってしまうことはよくあります。この本では、そのような不安要素を実際に書きdしてみることでスッキリさせることができます。
エンジニアを目指すなら
本記事を読んで頂いている就活生さんの中には、エンジニアとしてのキャリアを考えている方も少なくないと思います。エンジニア採用では、一般的な日本の総合職採用と異なる部分も少なくありませんので、そのような方に向けたオススメの本も紹介させて頂きます。
40年のSE経験を持つ、井口氏が著書。IT系への就職を検討している方/そうでない方に問わず読んでいただきたい一冊です。IT業界というと、どうしても「ブラックなんじゃないか」「激務そう」といったイメージが湧いてしまう方も少なくないと思いますが、本書では著者のリアルな経験(※システムインテグレータの業務範囲である企業向けシステム、その中でもソフトウェア開発での経験)から、IT業界の実際とその魅力について存分語られています。イマドキの技術の発端は、40年前のプロジェクトに見つかる。最新技術を追い続けるだけが、エンジニアの価値基準ではないこと。日本特有のソフトウェアビジネスでの振舞い方。現実味のあるSE像の紹介等、現場で実際に活躍してきたエンジニアならではの生の声が聞こえます。
・エンジニアとして世界の最前線で働く選択肢〜渡米・面接・転職・キャリアアップ・レイオフ対策までの実践ガイド
著者はIT大国アメリカで15年間、エンジニアとして働いてきた竜盛博氏。小規模のスタートアップからアマゾン、マイクロソフトといった大企業まで幅広く渡り歩いてきている方です。就職活動を機に自分のキャリアを考える就活生で、エンジニアを目指す方はもちろん、そうでない方にも、選択肢の幅を海外に広げられるといった点で役に立つ本です。とりわけ、「エンジニアとして将来的に海外で働きたい!」という海外志向がすでにある人にとっては、海外で活躍するために必要なことを学べる非常に有益な本になっています。IT化がますます進んでいる現代において、キャリアの選択肢を広げたい人、将来海外でエンジニアとして活躍したい人にとっては必読の一冊です。ボリュームもそこまで多くなく読みやすい構成になっており、読み物としての評価も高いです。
・エンジニアになりたい君へ―理工系学生のためのキャリア形成ガイドブック
エンジニア企業の社長である森實氏による著書。他の一般的な業界に比べて、個々の技術力がものをいうエンジニア業界において、いかにして自分のキャリアを形成するのかにフォーカスした本です。エンジニアとして好きなことを仕事にし、やりたいことを仕事にするために、まず知っておくべきポイントがわかりやすく体系的に述べられています。この本を読むことで、エンジニア業界の実情(アウトソーシングの普及による業界への影響、等々)や一流になるためのキャリア形成術、心構えを身につけることができます。
IT業界を目指すならエージェントを活用しよう
エンジニア就活には、IT業界・SEに強いエージェントがいます。彼らに話を聞いてもらうことで、自分が何をやりたいのか、自分が大切にしているのが何なのか、就活するうえでの軸が見えてきます。さらに、各人に合った未公開の求人情報も紹介してもらえるので、まずは気軽に相談してみましょう。会員登録や相談・セミナーなど、すべて無料で活用できます。