今年4月に文部科学省と厚生労働省、及び経済産業省は連名でインターンシップの推進に当たっての基本的考え方の見直しを発表しました。平成9年からインターンシップに関して一層の推進が図られてきましたが、平成25年6月に閣議決定された日本再興戦略に基づき、根本的な考え方を改訂することで更なるインターンシップの推進を図るためだそうです。因みに、日本再興戦略ではインターンシップに参加する学生の数に関する目標設定や、キャリア教育から就職まで一貫して支援する体制の強化、インターンシップ活用の推進等が提言されています。
このことからも明らかなように、近年はインターンシップというものが果たす役割、そこで得られる経験やスキル等が国家レベルからも注目されるようになってきています。今回はそのインターンシップの重要性を早くから見抜き、実際に経験した有名且つ注目企業家9名についてご紹介させて頂きます。
山田 進太郎氏(株式会社メルカリ 代表取締役)
出典 : http://www.mercariapp.com
なめらかな社会を築く – Build an Efficient Society
山田氏は大学在学時に、株式会社日経BP社、及び楽天株式会社のインターンシップに参加なさっています。株式会社日経BP社でのインターンではビジネスがどのようにして作られていくということを学び、楽天株式会社でのインターンシップ時にはプログラミングを勉強していたため、自身の趣味であった映画サイトを開発し、サービスをイチから立ち上げる面白さを実感なさっていたとのことです。またこの頃から、WEBサービスを作り、世界中の人に使ってもらいたい、という野望が生まれたそうです。
現在では株式会社メルカリの代表取締役としてご活躍されています。
田中 良和氏(グリー株式会社 代表取締役社長)
出典 : http://case.dreamgate.gr.jp
インターネットを通じて、世界をより良くする。
大学1年時に初めてパソコンでインターネットに触れたことをきっかけにインターネットの世界で仕事をすることを決意。当時はインターンシップそのものが目新しかったため、面白そうなインターネットベンチャーを見つけては直接訪ね歩いたそうです。後にネットエイジ(現ngi group株式会社)でのインターンシップを経験し、株式会社楽天に入社しました。
2003年の冬にGREEの開発を始め、翌年2月にはGREEを一般公開、そして10月に株式会社楽天を退社し、その2か月後にGREEの運営母体としてグリー株式会社を設立、代表取締役に就任なさっています。昨年3月にはForbesのThe World’s 12 Most Eligible Billionaire Bachelorsとして紹介され、まさに注目企業家の1人と言えるでしょう。
村上 太一(株式会社リブセンス 代表取締役)
出典 : http://www.livesense.co.jp
あたりまえを、発明しよう。
大学在学時に大和総研の寄附講座である「ベンチャー起業家養成講座」に参加し優勝なさっています。アルバイトをする側のアルバイトを雇う側のニーズのギャップに興味を持ち、アルバイトの求人サイトをビジネスプランとして考えるようになった頃、大和総研でのインターシップ期間を使って実際にマーケットリサーチを進めたそうです。さらに約半年の間IT系ベンチャー企業で営業のアルバイトを経験した後、2006年に大学1年という若さで株式会社リブセンスを設立。
インターンシップ時代の逸話として、大和総研でのインターンシップの最終日に、コンサルタント20人程度の前で自身の事業プランを発表した際に、「君はなぜそのビジネスをやりたいのか?」と尋ねられた村上氏は、「やりたいから、やるんです」と答えたそうです。
藤田 晋氏(株式会社サイバーエージェント 代表取締役)
出典 : https://www.cyberagent.co.jp
21世紀を代表する会社を創る
大学在学時にオックスプランニングセンターというベンチャー企業でインターンシップを開始し、毎日100件以上の飛び込み営業をこなしたそうです。また、当時「ビジョナリー・カンパニー」を読み、自らの手で、「21世紀を代表する会社をつくる」ことを宣誓。
大学卒業後には人材派遣会社インテリジェンスに勤務、1998年に起業しインテリジェンスを退職。退社したインテリジェンス社の出資を受けて株式会社サイバーエージェントを設立し、同社の代表取締役に就任なさいました。2000年、26歳にして東証マザーズ上場を果たし、これは光通信社長の重田康光(当時31歳)の記録を破る史上最年少の上場企業社記録となりました。
笠原 健治氏(株式会社ミクシィ 代表取締役会長)
出典 : http://mixi.co.jp
全ての人に心地よいつながりを
国内最大級SNSの1つであるmixi。その運営企業である株式会社ミクシィ代表取締役会長である笠原健治氏もまた、大学時代にITベンチャー企業でインターンシップを経験なさっているそうです。
実際にインターンシップ生としてIT業界で働くことによって実際の戦力を身に付け、また技術面でのスキルアップ以外に後に楽天の基礎を築く田中氏と出会うなど、人脈というかけがえのないものをも得ることができた、と振り返っていらっしゃいます。
また笠原氏は「日本でも多くの若者が起業したり、ベンチャーに飛び込むべき。そうすれば、世界市場をリードするベンチャーが生まれ、日本経済も活性化していく」とメッセージを投げ続けています。
小林 慶太氏(Klab株式会社 湘南アドバンストラボ代表)
出典 : sfcclip.net
携帯電話をみんなで囲んで楽しめるようなコンテンツを
Klab株式会社、湘南アドバンストラボ代表の小林慶太氏は、知らない人との出会いへの好奇心と自分探しのため、友人が運営に携わっていた「学生のためのビジネスコンテストKING」に参加したことを機にビジネスの世界に参入。コンテストでは予選で敗退したものの、本城慎之介氏(元楽天副社長)と出会います。彼のようになりたいと思ったこと、また本城氏から「君は出来る子だよ」と言われたことが心を揺り動かしたそうです。
後に株式会社ガイアックスでのインターンシップを経験なさっており、当時を振り返って「コツコツと実績を積み上げてコミュニティのサービスイン、リリースまで新規事業の立ち上げを一通り経験させてもらったのは凄くいい経験だった」と述べています。
竹村恵美(Coupe簡単サロンモデル検索 代表兼プログラマー)
出典 : bb-relife.jp
美容師の未来に「無くてはならないもの」を目指して
ITベンチャー企業ログバーにてインターンシップを経験なさっています。「黒いディスプレイにカラフルな文字を打ち込むのがとてもカッコ良く思えた」ことから始まり、つまづいたところ等はインターンシップ先でアドバイスをもらいながら開発を進めたそうです。
またサイバーエージェントの藤田晋氏の著書を読み、藤田氏自身が学生時代のインターン経験を振り返りその結果今の自分があると述べていたことに感化され、人と違ったことをやるなら学生時代だ!という想いもあった、とのこと。ビジネスに関しての姿勢はインターンシップで学び身につけたことが大きいという竹村氏は、「学生にリスクや失うものはない」と学生のインターンシップへの参加や起業を応援しています。
起業を目指す、あるいはIT分野に興味を持っているなら、学生のうちにインターンシップに参加することはとても意味のあることであると言えるでしょう。学生の皆さんが有意義なインターンシップを経験できることを願っています。この記事で出てきた起業家の方々が作られた会社での有給インターンシップ募集情報も豊富に掲載されています。