この記事のポイント
- レポート作成能力はSEの仕事に直結する重要スキル
- SEの仕事はドキュメント作成が大部分を占める。論理的文章力が即戦力につながる
- 大学のレポートをしっかり書く習慣が、IT就活・入社後の活躍を左右する
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IT企業の採用担当者として過去にいろいろな学生を見てきましたが、仕事でつかえるなと思った新入社員はたいていレポートをきちんと書けます。そんなことを言うと、「使えるSEかどうかは、IT知識や技術があるかないかで決まるんじゃないのか!?」と言う学生もいるかもしれませんが、そうではないのです。
確かに、プログラミングスキルが高く優秀な学生は、即戦力のSEとして活躍することができるかもしれません。しかし、SEの仕事はプログラミングだけではありません。上司に報告書を書いたりクライアントに説明資料を提出したり、設計書を書いたりという、ドキュメント作成が仕事の大部分を占めるのです。
具体的に、SEのどのような仕事の場面でレポート作成能力が役立つのかを、見てみましょう。
レポートが書けない新入社員の報告書がひどい!
私は過去に、レポートが書けない新入社員に何度も苦しめられてきました。とにかく報告書を書かせるとひどい出来なのです。
どの企業でも、研修が終わった新入社員を職場に迎えるとOJT期間を設けます。いわゆるOn the Job Trainingというもので、仕事をしながらトレーニングを受ける期間です。
新入社員には先輩社員のトレーナーが一人つき、毎日その日の仕事についてレポートを書かされます。そして、OJT発表会という場が設けられ、OJT期間中にやり遂げた仕事についてのOJTレポートを書くというのが、新入社員にとっての一大イベントです。
ところが、このレポートがひどいことと言ったらないのです。まるで小学生の作文のように、「今日は○○をしました。○○でした。○○が難しかったです。」など、とても仕事の書類とは思えない出来のレポートを書く新入社員は意外と多いのです。
レポートが書けない人は、たいてい「接続詞」を正しく使えません。「A、だから、B」という文ではAとBが順接の関係になっていませんし、「A、しかし、B」という文ではAとBが逆説の関係になっていません。接続詞をノリで何となく使っていて、そこに論理と言うものは存在しません。
そのようなレポートでは、相手に何を伝えることもできないのです。
レポートが書ける学生は論理的思考能力も長けていてSE向き
レポートが書けるということは、頭の中が整理されているということであり、論理的思考能力が身に着いている証拠ですから、実はSEに向いているのです。
でも、それはなぜなのでしょうか。レポートが書ける人は、頭の中に描いたストーリーを言語化できるということです。それは、SEの仕事そのものです。
SEの仕事は、クライアントから受けた要件を形にする作業です。具体的には、頭の中に思い描いたシステムを、モジュールとして表し、それを組み合わせていく作業です。それは、頭の中に描いたシステムの言語化に他なりません。
例えば、個人情報を入力して、アカウント登録するサイトを開発するとします。このサイトは、入力フォームにデータを入力し、データベースに格納、入力完了の画面を表示するというシステムになります。上記の文章がこのサイトの簡単な設計書そのものになりますが、これはシステムを言語化したものに他なりません。
物事をありのままに正しく、過不足のない文章で表せるという能力が、SEに最も求められるスキルだということを、少しはわかっていただけたと思います。
SEの仕事はドキュメントに始まりドキュメントに終わる!
SEの仕事はプログラミングだけではありません。プログラミング以外にも、設計書の作成、チーム内で意識合わせをするための資料作りやメール作成、クライアントへの説明資料作り、システムの品質管理など、様々な仕事があります。これらのどの仕事にも共通しているのが、ドキュメント(文書)を作成するということです。近年はDX(デジタルトランスフォーメーション)推進や生成AI(文章・画像・コードなどを自動生成するAI技術)の活用が広がり、要件整理や仕様説明といったドキュメント業務の重要性はさらに高まっています。
小規模なシステムなら、いきなりコードを書き始めることもあるかもしれません。しかし、ある程度の規模を持つシステムを構築するなら、要件定義書や詳細設計書は必要不可欠です。
要件定義書や詳細設計書は文章でシステムの要件や作りを表すためのドキュメントです。間違いや抜け・漏れ、矛盾があってはなりませんから、正しい日本語で過不足なくわかりやすく書かなければなりません。そのため、高いドキュメント作成能力が求められます。
もちろん、これらのドキュメントを作成する前の段階にも、すべきことがあります。複雑なシステムの仕様を分かりやすい図や表で表した「たたき台」の資料を作成し、会議でああでもないこうでもないと仕様会議を重ねます。そして、できた資料を美しく仕上げて、クライアントに提出します。
仕様を決める段階や開発作業が行われている段階でも、メールでクライアントや他部署などと調整が必要です。「この仕様は問題が発生しました。その理由は○○です。つきましては、××に変更したいと考えます」「ネットワーク環境の構築にあたり、アクセス予測は○○という理由から、××です」などという、複雑な仕様やシステム条件などを分かりやすく相手に伝えるためには、長文になることもあります。
このように、SEの仕事を進めていく中で、ドキュメントが必ず必要ということがわかると思います。SEの仕事は、ドキュメントに始まりドキュメントに終わるのです。
まとめ
SEの仕事とレポート作成との関連性について、おわかりいただけたでしょうか?優秀なSEになるためには、ドキュメント作成能力は必要不可欠です。
IT企業を志望する理系の学生の中には、IT系の知識はあっても文章を書くのがからっきしという人もいます。逆に、IT系には疎い文系学生が、抜群のドキュメント作成能力を持っていて職場で大活躍するというケースもあります。
大学の勉強を真面目にせずに授業は代返で済まし、人からノートを借りてテストを乗り切る、そんな不真面目な学生でも、まじめに勉強した学生と同じ学士位を持っているかもしれません。
しかし、実際に社会に出て仕事をしてみると、レポートを書かなかった学生は全く文章を書けません。真面目に学業に励んだかどうかということが、社会に出た時にそんな形で結果となって現れるのです。
ですから、IT企業に就職したいなら、人とのコミュニケーションを大事にしておいて欲しいのと同時に、大学のレポートはしっかり書いておいて欲しいとも思うのです。
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よくある質問
Q. SEになるためにレポート作成能力はなぜ重要なのですか?
SEの仕事は要件定義書・設計書・報告書など、ドキュメント作成が大部分を占めます。論理的に整理された文章を書く力は、システムの仕様を正確に言語化する力と直結しており、プログラミングスキルと並んでSEに求められる重要な能力です。
Q. 文系学生でもSEとして活躍できますか?
はい、活躍できます。高いドキュメント作成能力や論理的思考力を持つ文系学生が職場で大活躍するケースは珍しくありません。IT知識は入社後に身につけられますが、文章力・コミュニケーション力は大学時代の積み重ねが大きく影響します。
Q. 就活前にドキュメント作成能力を鍛えるにはどうすればいいですか?
大学のレポートや卒業論文をしっかり書くことが最も効果的です。接続詞の正しい使い方や論理展開を意識しながら文章を書く習慣をつけましょう。また、議事録や報告書を書く機会があるインターンシップへの参加も実践的なトレーニングになります。
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編集後記
大学のレポートを丁寧に書く習慣が、入社後の大きな武器になります。
編集者
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