この記事のポイント
- 「チームワークを大切にしています」は採用担当者に響かない。具体的な行動・プロセスを語れる人が評価される
- 採用担当者が見る3つの軸はチームワーク・主体性と創意工夫・オリジナリティ
- 肩書きや活動の規模より「課題→行動→学び」を自分の言葉で語れるかどうかが選考を分ける
IT業界の就活を有利に進めるなら、まず会員登録から始めよう
IT業界の就活では、志望動機と自己PRの質が選考を大きく左右します。しかし「チームワークを大切にしています」「協調性があります」と書いても、採用担当者の記憶には残りません。では、どんな就活生が「ぜひ採りたい」と思ってもらえるのか。この記事では、実際に採用担当者を経験した視点から、IT業界の面接・ESで効くアピールの本質を解説します。
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IT業界の採用で「チームワーク」が重視される理由
IT企業のSEやエンジニアは、1人でコードを書くだけの仕事ではありません。大規模プロジェクトでは数十人のメンバーが分担して開発を進め、毎日進捗を共有しながら問題を乗り越えていきます。フリーのプログラマーは一人で黙々と作業をしますが、企業のSEはそうではありません。その現場でまず求められるのがチームワークです。
日本の人事部「人事白書2025」によると、2025年卒採用で企業が最も重視した能力はコミュニケーション能力(82.0%)、次いで協調性(56.4%)です。IT・通信業界ではさらにチャレンジ精神や地頭を重視する割合も高く、単なるコミュ力だけでなく「自ら考えて動ける協調性」が求められています。
IT業界の志望動機・自己PRで採用担当者の心を動かす3つの軸
IT企業の採用担当者が「この学生と働きたい」と感じるのは、どんなエピソードを持つ就活生でしょうか。後述する3人の学生の実例をもとに、採用担当者が評価する3つの軸を解説します。
| 🤝 チームワーク | 💡 主体性と創意工夫 | ✨ オリジナリティ |
|---|---|---|
| 「チームをどう動かしたか」の具体性。WBS・進捗会議など仕事と同じ動きを学生時代に実践していたか | 「なぜそうしたか」の思考過程。課題→仮説→行動→結果のプロセスを語れるか | 「その人にしかない視点」。知的好奇心・独自の問いを持つ人は採用担当者の印象に強く残る |
軸① チームワーク──「チームをどう動かしたか」の具体性
「チームワークを大切にしています」は採用担当者に響きません。採用担当者が見たいのは「いつ・どんなチームで・何が問題で・あなたがどう動いたか」という具体的な行動です。WBSを作ってスケジュール管理をした、担当を割り振り定期的に進捗会議を設けたなど、仕事と同じ動き方を学生時代に実践していた人が際立ちます。
軸② 主体性と創意工夫──「なぜそうしたか」の思考過程
困難な状況で「どうすれば乗り越えられるか」を自分の頭で考え、工夫を重ねた経験が評価されます。華やかな活動実績よりも、生活のためにアルバイトで工夫し続けた経験が高く評価されるケースもあります。大切なのは活動の種類ではなく、「課題→仮説→行動→結果」という思考プロセスを語れるかどうかです。
軸③ オリジナリティ──「その人にしかない視点」
IT業界では「なぜそうなるのか」「仕組みを知りたい」という知的好奇心が長く活きます。世の中の仕組みに純粋な興味を持てる人、技術的な質問を自分なりの視点で深掘りできる人は、採用担当者の印象に強く残ります。
【特別コラム】採用担当者が実際に採用を決めた3人のエピソード
採用担当者として実際に出会い、「ぜひ採りたい」と思った3人の学生を紹介します。これらは実際にあったエピソードです。何がどのように刺さったのかを、構造的に読み取ってください。
ケース① ボランティア活動でWBS管理をしていたA君(チームワーク)
学生時代にボランティア活動(海岸清掃・老人ホーム慰問など)に注力していたA君は、活動を運営するために備品手配担当、資金調達担当、広報担当などチームを割り振り、それぞれの担当でWBS(仕事の項目表)を作成しそれを消化するスケジュールを立てました。そして、各担当で定期的に進捗会議を開き、各担当の代表者が定期的に集まる統合会議も設けました。A君は、そのすべてのリーダーとして活躍したのです。
もはや、仕事と全く同じです。採用担当者がこのエピソードに心を動かされたのは「チームワークを大切にした」という言葉ではなく、仕事と全く同じマネジメントサイクルを学生時代に実践していたという事実でした。「納期までに準備を終わらせ、当日に失敗が無いように運営する」——これはまさに仕事そのものです。優れたマネジメントスキルを持つA君は、キラリと光る存在でした。
ケース② 焼鳥屋バイトに全力を注いだB君(創意工夫と生命力)
週5でアルバイトをせざるを得なかったB君は、金曜夜の繁忙を乗り切るために「ビールはまとめて入れる」「大きな声で威勢よく動く」という工夫を自力で編み出しました。
そんなに毎日バイトをしていて体がもたなかったのではないかと聞いたところ、「大学を辞めずに生きていくためにはそうせざるを得なかった。でも、バイトに行けばまかないが出るし頑張れば時給も上がった。仲間もいてそんなに大変ではなかった」という答えが返ってきました。
生きていくために様々な工夫をして焼鳥屋のアルバイトに全力を傾けた、その生命力と創意工夫能力を買って、採用を決めました。実際、B君はその後クライアントの気持ちを上手にくみ取り、クライアントから可愛がられる優れた営業担当SEに成長しました。
ケース③ 面積の証明に逆質問してきたCさん(オリジナリティ)
数学科のCさんは、どんな世の中の事象もそうなるまでのプロセスが知りたい、仕組みに興味があると言っていました。IT業界への就職を決めたのも、なぜインターネットに接続したら画面が表示されるのか知りたかったからだといいます。
何と彼女は面接の場で「面積を求める式がタテ×ヨコなんて、どうして信じるんですか?」と逆質問してきました。「2cm×3cmの長方形が6cm²であるというのは、マスの数を数えればわかります。でも、1.5cm×1.5cmは計算すれば2.25cm²ですが、本当に面積が計算通りであるということは誰も証明していないでしょう?微分・積分の証明があって初めて、面積はタテ×ヨコということが言えるんです」と力説された時には、すでに採用を決めていました。
「世の中の仕組みを全て知りたい」という純粋な知的好奇心が、IT業界への志望動機として見事に一致していたからです。Cさんはその後IT系知識をグングン身に着けて開発メンバーとして活躍しています。
自分のエピソードをどう伝えるか、プロに壁打ちしてみませんか?
IT業界の面接でよく聞かれる質問と、チームワークの答え方
IT業界の面接でよく聞かれる質問
・チームで何か困難を乗り越えた経験を教えてください
・あなたはチームの中でどんな役割を担うことが多いですか?
・意見が対立したときにどう対処しますか?
・ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)を教えてください
・IT業界を志望した理由を教えてください
採用担当者が本当に聞きたいこと
これらの質問は「活動の種類」を確認するためではなく、「その人が仕事の現場でどう動くか」を確認するためのものです。ボランティア・アルバイト・サークル・研究室——どんな舞台でも構いません。採用担当者が見るのは「あなたがどう考え、どう行動したか」のプロセスです。
ESで「チームで取り組んだこと」を書くときのポイント:STAR法
ESに「チームで取り組んだこと(ガクチカ)」を記載する際は、STAR法を意識し、特に「自分が具体的にどんな行動を取ったか(Action)」に文字量を割くことが重要です。

「チームに貢献しました」という結論ではなく、「何をどう工夫したか」を具体的に書くことで、採用担当者の記憶に残るESになります。
番外編:採用担当者の印象に「残らない」自己PRのパターン
チームワークや志望動機のアピールで、採用担当者の印象に残らないパターンもあります。以下に当てはまると感じた就活生は、エピソードの見直しを検討してください。
具体的な行動が見えない。何をどうしたかが伝わらない。
何をどうまとめたかが不明。肩書きの説明になっている。
なぜIT業界なのかが伝わらない。どの就活生でも言える内容。
表面的な企業研究で終わっている。他社でも言える内容になりがち。
採用担当者が見たいのは「あなた自身のオリジナルな体験と思考」です。肩書きや活動の格を競う必要はありません。自分の経験の中から「課題→行動→学び」を誠実に語れた就活生が最終的に評価されます。
IT企業の求人を見ながら、志望動機を磨こう
まとめ:IT業界の就活で「キラリ」と光る人の共通点
IT業界の採用担当者が「ぜひ採りたい」と感じる就活生には、次の共通点があります。
| 軸 | 採用担当者が見ているポイント | 実践のヒント |
|---|---|---|
| 🤝 チームワーク | チームをどう動かしたかの具体的な行動 | WBS・役割分担・進捗管理など「仕事と同じ動き」を語る |
| 💡 主体性と創意工夫 | 課題→仮説→行動→結果の思考プロセス | STAR法でActionに最も文字量を割く |
| ✨ オリジナリティ | その人にしかない視点・知的好奇心 | 「なぜ?」という問いを持った経験を語る |
志望動機・自己PRに「答え」はありません。ただし、採用担当者の心を動かすのは、肩書きでも活動の規模でもなく、「自分の言葉で語れるオリジナルな経験」です。ぜひ自分のエピソードをもう一度振り返り、「自分らしさ」を言語化してみてください。










